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ワンピースの舞台にもなったゴミ山のスラム街「スモーキー・マウンテン」

「現実っていうのは、僕らの想像を超える風景というものがたくさんある」
62巻SBSにて尾田先生のコメント

ワンピースのルフィ・エース・サボの幼少期に登場する街「グレイターミナル(不確かな物の終着点)」
とある王国に潜んだゴミ山で、いわばスラム街。
犯罪と病気が蔓延する無法地帯で、毎日国からゴミが運ばれてくる。そんなグレイターミナルのモデルとなった地域がフィリピンに存在する。
それが「スモーキー・マウンテン」だ。

スモーキー・マウンテンとは、フィリピンの首都マニラの北部の海岸沿いの地域で、かつては漁をする村だった。1954年にゴミの投棄場になり、それ以来大量のゴミが投棄され、1980年ごろには貧困の象徴として有名に。
日本では、可燃ゴミはゴミ処理場で焼却され、焼却できない不燃ゴミは埋立地に捨てられてり、リサイクルに回される。しかし、焼却施設がないフィリピンの場合、集められたゴミはそのまま投棄場で山積みに。
捨てられた生ゴミや様々な種類のゴミが入り混じって化学反応を起こし、この山がいつも煙をあげていたため、スモーキー・マウンテンと呼ばれている。

国のイメージ悪化を防ぐため、政府は1995年に閉鎖し、そこに住んでいた住民たちを周辺の仮設住宅に移動させた。
ところが今でもその周辺はゴミ捨て場であり、たくさんの人々がゴミ拾いをして生活している。かつての住民たちの為に建てた仮設住宅も、15年を経て巨大なスラム街と化している。

「現実っていうのは、僕らの想像を超える風景というものがたくさんある」
世界には、まだまだ知らない風景がたくさんある。それは良い風景もあれば悪い風景もあるだろう。
普段私たちは意識していないが、日本という国はとても恵まれている。一方で、悲しいことに、人は比較することで良さに気付ける生き物だ。世界でまだ多く存在する貧困に苦しむ人たちの現状と向き合うことで、日本という国の豊かさをもっと知れるのかもしれない。


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