マガジンのカバー画像

Novel

3
noteに投稿した小説などをまとめたものです。
運営しているクリエイター

#オリジナル

短編小説|契約の証

『あなたがずっと護ってくれるの?』  それは、古い約束だった。  この世に生き残った、ひとりの少女。火の手が上がる魔王城で逃げ遅れた彼女の周りだけ、景色が違って見えた。彼女との出会いが、俺の運命を変えた。  この少女の命の灯火を消してはならない。自分の命を懸けてでも護り抜かなければ。  犯した過ちを拭い去ることはできない。それでも、生き延びることを赦された善意に、少しでも報いたかった。  その思いは二百年経った今でも変わらない。  主に呼ばれれば、どこであろうと馳せ参じる