ミゲルとマールの家

チュースはものすごく友達が多いのだが、やっぱり友達にも親しさがあって、アルゼンチンのペデロが1番、そして、アントニオは2番。(2番は何人かいる) 元々、チュースとペデロとアントニオは、同じフェリアに出店していた時の隣同士で、3人でとっても仲良しだった。

そのアントニオは、チュースの村から2時間くらいのところに果物の農場を持っていて、りんごや、ブルーベリー、木苺、くるみなどを生産し、それで、お酒やジュース、ジャムを作って売っている。もちろん、全部オーガニックだ。昔は元奥さんのパウラと一緒にやっていたが、破局してからは、1人でやっている。パウラは、今もすぐ近くに住んでいて、2人の次男も一緒にいるので、アントニオとパウラはよく顔を合わせる仲だ。

その農場に車庫とジュースなどの在庫をしまっておくスペースを作りたいというので、チュースがアントニオに雇われることになった。ペデロは、「アントニオはいい奴だけど、全てにおいて、だらしないから、奴の仕事は受けない方がいい」
と助言していたけど、(私も激しく同意)チュースは、受けてしまったので、彼の農場へ泊まりがけで行くことになった。

で、お昼ご飯は、近くの友達の家でご馳走になる、という。
その家がここ。

かなりの豪邸だった。
まず、吹き抜けのテラスからの、見見晴らしが素晴らしい!

あいにく、雲の多い空だったけど、アストゥリアスの山々がどーん、と見える。

この家の主は、ミゲルとマールという、還暦を迎えた夫婦。彼らは今年の1月に自転車でパタゴニアを横断していて、アルゼンチンのペデロの家に滞在していた時、たまたま居たチュースにも会っている。

ミゲルとマールは、アントニオの元奥さんパウラの大学時代からの友達で、パウラを訪ねて何度も来るうちに、アストゥリアスが大好きになり、定年後を過ごす家を、ここに作ったのだ。

ちなみに、マールが娘を妊娠していたとき、パウラも息子を妊娠していて、生まれた彼らは幼なじみであり、現在は10年に渡って恋人同士。
ミゲルとマール、アントニオとパウラは、将来孫を共有する関係でもあるのだ。

ミゲルとマールの豪邸は、築200年以上の家のリノベーション。彼らの家の奥には築300年の家がそびえているが、彼の家もリノベ前はこんな感じだったらしい。

リビングとキッチンが1階、夫婦の部屋が2階、息子たちの部屋が3階

そして屋根裏部屋まである。それらをつなぐ階段は歴史を感じさせる古い木材で、かっこよかった。
1番豪華なのは、夫婦の家のバルコニー兼ミゲルの書斎で、全面ガラス張りで見晴らし抜群。こんな明るくて素敵な書斎なら仕事も読書も進むだろう。

ミゲルの叔父さんは、50年代にカトリックの神父として日本に渡っていて、90を超えた今も日本に住んでいるらしい。その関係で、彼が子供の頃から、叔父さんは日本人のカトリック信者を連れて、ミゲルの家を訪れていて、いつも1時間いて帰って行ったらしい。

彼はいつも日本に行ってみたいと思っていて、ついに来年、自転車で日本を横断することにしたらしい。もちろんコロナ禍が収まっていれば、であるが。
そういうわけで、色々質問があるからまた来てね、ということになった。
こんな素敵な家に行けるならもちろんだ。

この日のお昼ごはん

ズッキーニのクリームスープ、サラダ、豚肉とご飯のオーブン焼き。

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