金色のコルダ3(PS2版)プレイ記 冥加玲士攻略感想

※これは2010年にブログに書いたもので、PS2版の感想です。
個人の感想ですよ〜。

攻略二人目は冥加。
暗い過去とヒロインとの因縁を持ち、ヒロインを憎み続ける男だ。
イベントが進むにつれて、冥加とヒロインとの因縁が明らかになってくる。
7年前のコンクールでヒロインかなでは冥加に勝る演奏をするが、その頃の冥加は両親が事故死し幼い妹とともに路頭に迷いかけていた。生活や将来のことを考えると、このコンクールで優勝し自分のヴァイオリンを天音の理事長に認めさせる必要がある。
そんな切実な事情を知るはずもないかなでは、あっさり冥加に勝った挙句、「なんなら私、あなたに負けてもいいよ」的なことを言ってしまう。
負けただけでもショックなのに、この発言で完全にブチ切れた冥加は「俺はお前のことを絶対許さない!ずっと憎み続けてやる!」と呪詛の言葉を吐く。
その後、冥加は7年に渡ってかなでを見つめ続け(それはすでに恋ではないのか)、ふがいない状態にあると知れば文書を送りつけて発破をかける。
冥加の執着心も相当だが、7年間彼のことをさっぱり思いださなかったかなでも相当の女である。
思い出さないのだから当然、再会後にはなぜ彼に憎まれているのかよくわからないまま物語が進行する。冥加の態度から憎まれていることだけはよくわかったが、だからといってそこで引いていては乙女ゲーのヒロインは務まらない。
「貴様と馴れあう気はない」「話しかけるな」とうっとおしそうな冥加も、かなでに追いかけまわされるうちに「…そんなに俺のことが気になるのか?」などと言い出す。
そりゃ、気になるよ!(その長ランをマジで気に入っているのかどうかとか)
冥加はジャンルとしてはおそらく「ツンデレ」に属するのかもしれないが、それならば新種であると思う。

その後も一向に打ち解けられないまま(他のキャラは仲良くなると二人で練習できたり弁当を食ったりできるが冥加だけはいつまで経ってもそういうことができない)、でかいイベントが起こる。
天音のアンサンブルをリストラされて冥加を恨んだ部員が、彼を脅す材料としてかなでを攫うのだ(最初は冥加の実妹を攫う予定だった)。
逆上してナイフをちらつかせる部員からかなでを守る冥加(飛び散る血しぶき)。
ここでの冥加は「小日向は俺の心臓と同じ」などと名言をドロップしまくり。
しかし、ここまで来てもツンからデレに全く変わらないところが新種なのだ。なにしろいまだに「貴様」という二人称で呼ばれている。
そしてコンクールで優勝した後、突如としてそれはやってきた。
いきなり画面に現れた、ドレスを着た姫とマントをつけた騎士のスチル。顔はもちろんかなでと冥加!
ええええええええ!!!!
どうやらこれは冥加の心象風景(妄想、白昼夢などと呼んでもいい)らしい。
「お前の全てで俺を支配してくれ!」(やった!!「貴様」から昇格した!)
と叫ぶ冥加。とどめに、
「俺のファム・ファタル…」
ときた。
しかも、これらはすべて、冥加の心の中だけで起こったことだ。
大体、冥加が現実にそんなことを客席で突然叫び出したら、隣に座った天宮に救急車を要請されてしまう。

そして迎えたエンディング。
他と違って冥加は最後のパーティに参加していないのだが、ひとりステージに残ってヴァイオリンを弾いている。
曲はもちろん「愛のあいさつ」!
ヴァイオリンロマンスである。
初めて会った時からずっとかなでに心を捕らえられていたと言う冥加(たしかに)。憎しみも魂もお前に全部捧げる、と言った後、かなでに「愛のあいさつ」をリクエストして終わる。

すごく面白いストーリーだった。ただ、エンディングに行く前にもう少し、冥加が照れたり動揺したりする姿が見たかったと思う。
おおげさに照れる必要はない。ちょっと言葉に詰まるとか、そういう程度でいいのだ。だってこういうキャラがちょっと動揺したりするだけで、かわいいとこもあるじゃないの!と思える。
あと、魂をささげる前にまずは「好きだ」の一言を捧げて欲しかった。
彼があの後、かなでとどの面下げていちゃつくのか周りの反応含めて非常に興味がある。

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