アンジェリークルトゥール ルヴァ攻略感想

ルトゥール攻略、最後の一人は地の守護聖ルヴァ様。
美形なのは間違いないのだが、乙女ゲームには珍しい奥二重のこざっぱりした顔をしている。
おっとりしていて穏やかで、書を読み茶を飲み釣りが好き。外見年齢はまだ20代なのに、彼を見ているとなぜか「余生」という言葉が浮かんでくる。
めちゃくちゃ頭がいいのにひけらかさない。偉そうにしない。ボードゲームをやらせてもルヴァは最強なのだが、全然そうは見えない。
多分、ルヴァに艦隊戦をやらせたらヤン・ウェンリーみたいになるだろう。ただしルヴァ・ザ・マジシャンが飲むのは紅茶ではなく緑茶だし、「ファイヤー!」という号令はオスカーが代行しそうだ。
博覧強記のルヴァは、守護聖の中の誰よりも「普通の人と違う、長い時間を生きること」を楽しんでいる気がする。生きる時間が長ければ長いほど、沢山の知識と本に出会えるからだ。仙人みたいな人である。

ルヴァは優しいので厳しいことはあんまり言わないが、それでもアンジェリークに対しては「こいつ大丈夫かな…」と不安に思っていることがよくわかる。
執務室のウェルカムメッセージも、女王候補としての自覚を促したり地の力について改めて説明したりしている印象だ。「デュエット」でルヴァがロザリア派だったのは、アンジェリークよりもロザリアの方が向学心があると見たからだ。
ルヴァは優しい女の子が好きではあるのだが、それ以上に、学びたいという意欲がある人間(女に限らず)が好きなのだと思う。少しずつでもコツコツと努力を続けることを尊ぶ人なのだ。
ルヴァはおっとりとしてはいるが、芯は強くて我慢強い。優柔不断というより熟考タイプなのだが、それは過酷な環境の土地で生まれ育ったからかもしれない。
教えを乞うべき前任者が聖地にいなかったゼフェルの教育係でもある。
だからなのか、当初ルヴァはアンジェリークに対しても、教師のように接している。前述のように、心構えなくいきなり女王候補に選ばれたアンジェリークの事を心配しているからだ。
女王の役割はわかっているのか?守護聖の力については?その力を使う事の恐ろしさは?
ルヴァはとにかくアンジェリークに守護聖と女王の役割について教えなくてはと思っているように見える。だから「地の力の話」「知恵と知識の違い」みたいな話をしただけでデートが終わるのだ。
恋愛イベントかと思ってソワついてたら突然何らかの講義が始まったというのは、ルヴァ攻略あるあるといえる。
にしても、おいおい、ここは別名「恋人たちの湖」やぞ。
と、多くのプレイヤーが一度は思ったことだろう。
私もルヴァとオスカーを同時攻略していたせいで、温度差に風邪をひきそうになった。

ルヴァは最初「アンジェリークに女王や守護聖の役割をちゃんと知っておいてほしい」と思って色々話していたのだが、仲良くなるにつれておそらく「彼女となら何を話しても楽しい」と思うようになったのだろう。
そこから「一緒に過ごすのが楽しい」「会えたら嬉しい」に変わっていくのだが、恋愛に疎いルヴァは彼女と一緒に過ごすのが楽しい→これは恋!と即座に自覚はしない。
どうしてなんでしょうかね?みたいな反応である。
何度も言うがルヴァはものすごく頭がいいのだ。何でも知っている。それに彼は、人の感情がわからないロボみたいなキャラではない。知恵と知識を持ち、人の気持ちもちゃんとわかる男だ。
だが、そんな彼が「わからない」と言う。何でも分かるはずの男が言う「わからない」。知識と感情がすぐに結びつかない感じ。
私はルヴァのこういう所にものすごく萌える。
おそらくルヴァは恋愛についての知識はたくさんある。恋愛小説も読んだことがあるだろうし、各地の婚礼習俗、婚礼儀礼、人が恋愛している時の脳の状態、心拍数、心理学的アプローチ、書物から得た知識は全部頭に入っているはずだ。
でもルヴァは、アンジェリークと一緒に過ごすのが楽しい、デートの後で別れがたいという気持ちが、書物によく出てくる「恋」だとはなかなか自覚できないのだ。
ようやく恋心を自覚した時のルヴァは多分、水を理解したヘレンケラーみたいになったんじゃないだろうか。知識でしか知らなかった恋愛を自分の感じている気持ちと結びつけることが出来た事は「ウォーターーーー!!」と叫んでもおかしくないほどの「気づき」であったと思う。
湖での告白は、ちょっと緊張した様子のルヴァがそれでもはっきり思いを告げてくれる。
しかし、ルヴァの真骨頂は告白ではなくその後にある。
そう、ターバンだ。
ルヴァは普段、人前では髪の毛をターバンで覆っている。それは彼の故郷の風習で、「大切な人の前以外では外さない」と決められているからだ。
告白を受け入れるとルヴァは「大切な人の前では外してもいいんですよ」とそれを目の前で取ってくれる。
故郷の習俗に倣って、というのはとにかく強い。なぜなら、恋人を飛び越えて一気におらが嫁という感じがするからだ。
しかもルヴァの誠実さはこれまでのやり取りでばっちり伝わっている。ターバンまでとってもらったんだから、これはもう嫁ぐしかねえなと思わずにはいられない。
ただ、残念だったことはある。
これはルヴァのせいではないのだが、エンディング後の様子が動画で表されたsp2と違って、ルトゥールは全て止め絵のスチルである。
ルヴァエンディングの醍醐味はやはり「それまで外さなかったターバンを目の前で取ってくれるところ」である。アニメになると、ルヴァの手がターバンにかかりそれをシュルシュルと外す、その動きがはっきりとわかる。
しかし、スチルだとどうやって外したのか、その動きまではわからない。「今、取りますね」というセリフの後でスチルとともに衣擦れ音がする。
ターバンを取るという動きの魅力が、スチルだと動画よりも少し落ちてしまうのだ。
何度も言うが、ルヴァ自身のせいではないし、イラストが悪いとかそういうことは言っていない。ただ、ルヴァエンディングの魅力は動画の方がよりはっきり分かると言いたい。
つまり、ルトゥール以外未プレイの女王候補たちには、ルヴァのターバン外し動画をいつかどこかでぜひとも見てほしいなと思った。

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