アンジェリークルトゥール ランディ攻略感想
攻略5人目は風の守護聖ランディ。
彼はとにかく健やかで爽やかだ。
趣味はクライミング、日課はジョギング、休日の公園で時には大型犬を交えてフリスビー。アウトドアが過ぎて「ランディ様、それを私も一緒に楽しみたいです!」とは口が裂けても言えない。
ただ、私に権力と財力があったら、コーラとポカリのCMに今すぐ彼を起用したいとは思う。
ランディは後ろ向きな事は言わないし、老若男女問わず優しい。そして何より素直だ。ランディは自分がかっこいいと思えばかっこいい、可愛いなら可愛いと当たり前のように褒める。そこには、褒めることで相手によく思われたい、評価されたいといった打算は一切ない。
またランディは、素直で真面目で誠実だがガリ勉優等生タイプではない。天然で抜けたところがあるから、笑いを取りに来ているわけではないのに「こいつはなんて面白いことを言うんだ」と結果的に笑いを取ってしまうところがある。しかも本人はなぜ笑われたのかわかっていないため、「笑いというジャンルで天然には勝てない」を体現してしまっている。
だが、ランディは芸人ではなく守護聖なので、その立場ならではの悩みがあるのだ。
守護聖は古参と中堅6人の下に後から加入した年少3人が続くわけだが、ランディは年少3人の中では経験も年齢も一番上だ。それもあって、年かさの守護聖たちの助けになりたいと常々思っている。しかし、上への礼儀を重んじる体育会系の性格ゆえに「年下の俺が先輩方に口を挟んで良いものか」となかなか積極的に動けないでいるのだ。年上の守護聖でさえ大変な仕事が、まだ経験の浅い自分にできるだろうか、と。手伝いを申し出ても、助けになるどころか失敗したらどうしよう、と。
そんな時ランディは、突然女王候補に選ばれて戸惑っているはずのアンジェリークが、それでもへこたれずに頑張っている姿を間近で見ることになるのだ。
ランディは年下相手なら男女問わずお兄さんみたいに接しがちだし、年下や弱い者は自分が守り助けなくてはという気持ちでいる。「教え導かなくては」ではなく「守らなくては」と思うところがランディの性格の良さだと思う。(ただ、それに反発したくなるゼフェル(年下)の気持ちもよくわかる)
アンジェリークはランディより年下だし、大人っぽいロザリアに比べていかにも危なっかしい。ランディが「助けなくては」と思うのも当たり前だ。
しかし、アンジェリークはランディが思うよりずーっと逞しくて前向きだったのだろう。
ランディはアンジェリークと親しく接するうちに、前述したような守護聖としての悩みに「くよくよ考えててもしょうがない。やってみないと」と結論し、今まで以上にスカッと爽やかな笑顔を見せてくれる。
アンジェリークを妹みたいに助けたり守ったりしなきゃという気持ちだったランディだが、妹みたいにという気持ちや守護聖としてという気持ちが次第に抜けて、アンジェリークを女の子として意識し始めるのだ。
アンジェリークとランディの組み合わせは、少女漫画の王道というか、北島マヤと桜小路くんというか、見た目も年齢もお似合いである。また、二人とも明るくポジティブシンキングで、打たれ強くて、天然。ランディ×アンジェリークは、このゲームの中で群を抜いて似たもの同士の組み合わせだと思う。
ランディが「これをやったら喜んでくれるかな?喜んでくれたら嬉しいな」と思って行った事を、アンジェリークはその期待通りめちゃくちゃ喜びそうだ。
告白エンディング後のように、朝っぱらから部屋の窓辺に上の階から綱を垂らして花を持ってやってきたランディを見ても、アンジェリークならすごく喜んでくれるはずだ(驚きはするだろうけど)。
これでもし、ランディ×ロザリアで同じことをやったら「危ないですわよ!もう!何なさってるの!」と注意されるに決まってる(でもそこでしょんぼりしたランディにロザリアが「…でも、お花は嬉しかったですわ。怪我だけはなさらないで」とか照れながら言ってくれるのがランロザ)
つまり、ランディにとってのアンジェリークは、価値観が近いからすごく理解しやすく、考え方に共感できて、一緒にいたら安心できる女の子なのだと思う。
いつでも元気で前向きなランディがアンジェリークを見ているとさらに元気になれるというのだから、その相乗効果たるや、である。
例えばジュリアスとアンジェリークの組み合わせが大貴族と平民、クラヴィスとアンジェリークの組み合わせが闇と陽だまり、みたいなギャップで萌えるのに対してランディとアンジェリークの組み合わせにギャップは無い。とにかくその似たもの同士ぶり、付き合ったらおそらくバカップルになりそうなお似合いぶりを楽しめる。
しかし、ランディは常々自分を「照れ屋」だとか「上手いことを言えない」「口下手」と評しているのだが、それはどう考えても兄貴分のオスカーを間近で見すぎているが故の過小評価だと思う。
恋愛2段階目くらいからランディはもう飛ばす、飛ばす。
お前のどこが照れ屋で口下手だ!ルヴァを見ろ!知恵と知識の話をして2段階目の恋愛イベントが終わるやないか!
と言いたい気持ちで私の心ははちきれそうだ。
アンジェリークに対して恋愛感情が無いランディも、恋愛感情を持っているランディも、同じようにアンジェリークを褒めてくれる。
しかし決定的に違うのは、前者には「こう言ったらアンジェリークはどう思うかな。嫌われたりしないかな、喜んでくれるかな」という気持ちが一切なく、普通に思ったことをそのまま述べているのに対して、後者にはそれがあるという事だ。
恋したあとのランディには「こんなこと言ったらアンジェリークはどう思うかな」というためらいがある。
段階が進むにつれて、ランディがそれまで見せなかったためらいみたいなものが見え始めるのがいいのだ。
あと、アンジェリークとの恋愛とはまた別の話になるが、私がランディの設定で一番好きなのは、実は「貴族の庶子」として生まれ、成長してから父親の実家に引き取られたという生い立ちだ。父の実家に認められるまでランディは下町で暮らし、成長してからようやく父のもとに呼び戻されている。
そんな生い立ちなのに、ランディは前述したように真っ直ぐ健やかに育ったのだ。ヒネたり曲がるもことなく、よくぞここまで優しくあたたかな男に育ったものだと思う。
ルトゥールをプレイした私は「ランディっていい奴やな」と10数年前と変わらぬ感想を抱いたのだが、子持ちとなった今、さらに「こんな境遇にありながら、息子さんをここまで真っ直ぐ育てきったあなたはすごいです」と、まだ見ぬランディ母へのリスペクトを強めたのだった。
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