金色のコルダ3(PS2版)プレイ記 水嶋新攻略感想

※これは2010年にブログに書いたもので、PS2版の感想です。
個人の感想ですよ〜。

感想もいよいよ残り二人。今日は水嶋新。
だが、私にはこのルートの良さが正直全然わからなかった。
ろくなことを書いていない自覚があるので、新大好き!このルート最高!という方は華麗にスル―していただきたい。

新の外見は少し面長なヒノエ(遙か3)というか、KAT-T○Nの赤西というか、いかにもイマドキのイケメンである。
新は、ネオロマキャラとしては桁違いに中身が軽い。明るくて陽気で、楽しいことと女の子が大好きなラテン系帰国子女(ブラジル帰り)、年下の甘え上手という設定はかなり良い。
それは良いのだが、ただ、こういう女の子大好き系プレイボーイが乙女ゲーでガツンと己の株を上げるには条件があると思う。
まずは、何か深遠な悩み(トラウマ、暗い過去など何でもいい)をもっていること。そして、女の子以外に熱中している物事をもっていること。あとは、普段はチャラくてもいざとなれば真面目で有能であること。
この3つの内のどれか、もしくは全部を満たさないと、プレイボーイ系の株は上がらない。
そしてもちろん、エンディングにあたっては「沢山の女の子と出会ってきたが、こんなに夢中になったのは君が初めて」というようなセリフで締めてもらう必要がある(こういうセリフで株が上がるのはプレイボーイ系の特権である)。
ネオロマ界の歴代プレイボーイキャラを見てもこれは大体合っているんじゃないかと思う。
しかし、この水嶋新、どれもこれも中途半端なのだ。暗い過去も持っておらず、熱中しなければならないはずの音楽も楽しんでいるのは分かるが、イマイチ情熱(涙を流すほどの)が感じられず、その本気も第二回大会で出しつくしてしまう。
こういうキャラにこそ「自分の音楽は楽しいだけで何かが足りない、これからどうしよう」みたいなコルダ1の火原的イベントが必要である。
そうすれば少なくとも彼の成長は感じられるだ。
だが、新のイベントは、普通にデートしたりスイカ食ったりするだけだ。楽しいのは楽しいが、やはり何かが足りない。
出会いからして、一目ぼれなのか何なのかよくわからないうえ、段階が進んでもしょっちゅう気軽に抱きついてくるので、こいつはいつヒロインを本気で好きになったんだろう?と疑問である。
だってそう、僕君のことよく知らないけれどなんかトキメいてます!という、常に上海ハニーと浜で社交ダンスしているようなテイストでエンディングまでいってしまう。
それだけならまだしも、最後の方になると「夏が終わったら君と離れなきゃいけない。それが寂しくて寂しくて…」的なことを事あるごとに言って、ひとりで暗くなっている。
おいおい、明るいのが取り柄のお前が暗くなってどうする。しかも寂しいのはこっちだって同じなのだから、自分はそれを口に出すな。他の遠恋組を見てみろ!みんな耐えているじゃないか。しかも皆それを口に出すのはせいぜいエンディングに入ってからだ。
そのエンディングも、ドレスを着た主人公と温室の池にボチャーン!水に濡れた君も可愛いよ。である。しかもそこで再び、寂しい寂しい言い始める。
ふ、ふざけるな!こっちは純白のドレス着とんじゃい!スッケスケじゃ!寮に帰るまでの道のり、どうしてくれんだ!
新はまだ1年生で年下キャラなので、もしかしたらその後先考えなさが愛おしいと思えるだろうというルビパ側の狙いがあるのかもしれない。
だが、自分が寂しいつらいばっかりで、こっちのことを全然気遣ってくれていない感じになってしまっている。てめえんとこの先輩たちを見習えや、と胸倉をつかみたい気分だ。 
新はとにかく明るいキャラなのだから、中途半端に悩ませたりせずに、いっそ陽気さを極めて、落ち込むヒロインをひたすらアゲるという役割にした方が面白かったかもしれない。
エンディングで、妙に具体的に一カ月に一度は会いに来るとかなんとか言ってきたのもいけない。そういうことを言われると、途端に仙台横浜間の往復運賃とかを考えてしまい、現実に引き戻されるからだ。そういうところはお茶を濁せ!
エンディング前のフライング告白(至誠館は3人中2人もそれをかましてくる)や、「最初は夏が終わるまでに君を落とそうって思ってた」という言い方は新らしくて良かった(まさに本音トーク)が、やはり全体的に軽すぎたなぁと思う。
いや、軽いのはいい。この図体でかわいい後輩キャラというのもいい。だが、いつ?どこで?彼はヒロインを本気で好きになったのか、それがはっきりわかるイベントを持ってきてほしかった。
そうしないと、出会いから可愛いと思ってたヒロインを夏の間にゲットしちゃった!みたいなノリになってしまうし、エンディングを迎えても、こいつとの遠恋は近いうちにだめになるかもしれないという予感が募ってしまう。
一年後くらいに「ごめんね…、オレ、他に好きな人が出来ちゃったんだ…。オレさ、やっぱり寂しくて…」とかいうメールがきそう。
そんなことをプレイヤーに思わせないために必須の「本気になった」イベントが無かったのが本当に残念だ。
新自身はネオロマには珍しいキャラなので、それを活かしたストーリーを作ってほしかった。
勿体無い。

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