アンジェリークルトゥール マルセル攻略感想

ルトゥール攻略9人目は緑の守護聖マルセル様。
マルセルは金髪に薄紫の瞳の美少女寄り美少年、神鳥宇宙では最年少だ。年齢も立場も私達がイメージする末っ子そのもので、とにかく感情表現が素直。
嬉しかったら「嬉しい」。嫌だったら「嫌だな」という具合で裏表が全然ない。
例えばヒロインと手をつなぎてえ!と思ったとする。「アンジェリーク」に限らず、乙女ゲームの攻略対象の多くは、わざわざしゃらくさい理由をつけてからヒロインと手を繋ぐ。「お前は危なっかしいからな(だから手を繋ぐ)」とか「はぐれると困るだろ(だから手を繋ぐ)」とか「寒くないか?(以下略)」とか、まあなんでもいいのだが、手を繋ぐという行為に相手を納得させるような理由を付けがちだ。
しかしマルセルは違う。
彼の場合、「手をつなごう!」の後にくるのは「だって繋ぎたくなっちゃったんだもん」とか「だって大好きなんだもん」だ。
すごくないか?
それを言われたら、「な、なるほど…繋ぎたいのか…」としか言えん。
マルセルは、この「ぼく、○○したいな。だって○○なんだもん」というマルセル構文(今勝手に考えた名前)を駆使してくる。つまり、小難しい事を言わずに、シンプルにダイレクトに自分の気持ちをこちらに伝えてくるのだ。
これは、彼に好かれているときは実に気分がいい。だが、彼は好意だけでなく嫌だと思う気持ちもオブラートに包まないので、親密度最低段階では「君って全然女王候補らしくない、変なの!」と言われてしまう。
その時の表情もほんとに嫌そう。ルトゥールでは悲しげな顔で済んでいるが、旧作ではめちゃくちゃふくれ面をされた記憶がある。
しかも私の場合、ありのままの自分(の星座と血液型)でプレイするとマルセルとの初期相性は最悪に近い。
ディア様にまずラブラブフラッシュしてもらわないと話が始まらないし、一瞬でも目を離すとロザリアに奪われていたりする。
相性がやたらと高いおかげでほとんど構ってないのに勝手に好いてくれるジュリアスやランディとは訳が違い、私がマルセルを狙う際には細心の注意がいるのだ。それだけに、嫌われ状態から頑張り次第で徐々に好かれ「来てくれたんだね!いっぱい待ったんだよ!」と言われたときには心の底から「やったー!」と思う。
まだ告白もされてないのに、執務室のウェルカムメッセージ最終段階を聞いた途端「やりきった…!」となるのも、私のマルセル攻略あるあるだ。

マルセルは家族から愛情をたくさん受けて育っているし、守護聖になった後も前任の守護聖の元で丁寧に愛情を持った指導を受けた。人間関係に恵まれていて、人間不信になるような出来事にこれまで遭遇していないのだと思う。
マルセルの周りにはいつでも自分を愛して受け止めてくれる人間がいて、だからマルセルも他人に愛情を注ぐことを恥ずかしがらないし躊躇わない。友人も家族も同僚の守護聖たちも動物も植物も、とにかく全部まとめて「大好き!」なのだ。植物に対するものと同じだからといってそれが軽い気持ちなわけではなく、全部に本当の愛情を注いでいるのだと思う。
マルセルとの恋愛は、そんな彼が初めての恋をして「この気持ちは今までの「好き」とは違う」と気付く物語でもある。

ただ、マルセルはアンジェリークの事を最初からわりと気に入っているように見える。
ちょっと年上だけど偉そうでなく話しやすい、そして可愛くて優しいアンジェリークを慕っている。
守護聖としては新米のマルセルは、今回の女王試験で女王候補を導く重要な役目を与えれたことを誇らしく思っているし、緊張しつつも意気込んでいる。女王になるためにしっかり勉強してきたロザリアより、突然選ばれて戸惑っているアンジェリークの方が力になってあげたいとマルセルに思わせたのだと思う。
(デュエットではロザリアに釣り合うようになりたくて頑張るマルセルが見られるのだが、そっちの流れも可愛い)
告白前からすでに執務室に行く度に「大好き!」と言われているし、帰ろうとするとしょんぼりされる。

マルセルは守護聖になったばかりなので、他の守護聖に比べたらその自覚に乏しい。「お前は女王候補で自分は守護聖であるぞ」とこちらに自覚を促すような事はあんまり言ってこないし、「アンジェリークが女王になったら今みたいに会えなくなる」と深刻になるシーンもラストの舞踏会くらいだ。
マルセルはとにかくアンジェリークに会えるのが嬉しくて楽しくて、会うたびに「大好き!」と言わずにはいられないんだろうなと思う。
この頻発する「大好き」と、前述したように「マルセルは普段は感情を素直に表す」という前提があるからこそ、告白シーンでマルセルが「大好き」という言葉をためらってなかなか言い出せないのが真摯に感じられるのだろう。アンジェリークに対するこの初めての気持ちが何なのか、彼はきっとたくさん悩んだんだろうな、と想像できるからだ。

こちらから告白する方のラストは、二人で土いじりする楽しそうなシーン、告白される方はマルセルとアンジェリークが手を握って笑い合っているシーンだ。
実に可愛らしくほのぼのとしていたのだが、手を握っているシーンではマルセルが自分のドキドキを伝えつつも「君もドキドキしてるって伝わってきた」と話した上、照れるアンジェリークの頬の赤さを指摘。
今はキュートなマルセルだが、無邪気でありながら押しは強いしズバズバ言うし、将来はドチャクソな攻めに転じそうな予感をはらんだラストだったと思う。
それにスチルではマルセルの手が意外にもガッシリしていることがわかる。マルセルは少女に見えかねない容姿をしているが、アンジェリークと手を合わせていると、骨ばった手の様子がちゃんと男の子らしくてとても良かった。

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