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【ゆめくろ】ナナシについてのまとめと妄想

※ゆめくろ新参者による単なるナナシ妄想、個人の感想なので、さらっと読み流してください。
※第六章までのメインストーリーネタバレを含みます。
※第七章配信前に書いたものです。

 メインストーリー第六章まで読んだが、何者なのかわかっているようでさっぱりわからないのがナナシだ。
 俄然興味が出てきたのだが、あまりにも謎に満ちているので、とりあえず彼についてまとめてみた。
 ナナシといえば『胡蝶の元メンバー』であり『闇夜の二人の元上司』、しかし実は『胡蝶』をスパイしていた『世界ギルド連盟副会長インテル直属のギルドハウンドスイーパーのマイスター』という複雑な立場のキャラだ。
 夢花の力を分けられたり、なんかすごそうな黒妖精(ブラト)を自分に憑依させたりできる上、さらには「エデン(エマの父)と浅からぬ仲」だという。年齢もよくわからない。

一体何なんだお前は。

とりあえず順番にいこう。
 冒頭にも少し書いたがナナシについてはっきりわかっていることを挙げ、それぞれについて見ていきたいと思う。


①テスタメント率いる『胡蝶』の活動目的を探るためにスパイとして潜入捜査をしていたこと

 『胡蝶』の活動目的は、そこのボスであるテスタメントが言っているように「人々の夢を壊し絶望を蔓延させること」である。
 これはテスタメント登場時から終始一貫して変わらない。黒妖精の瘴気を具現化した粉や黒妖精を弾の代わりに込めた銃、黒妖精をパワーアップさせる道具など、あらゆる手段でそれをなそうとしている。
 しかも夢を壊された際の人間の苦痛そのものがテスタメントは大好きなようだ。初期の段階からテスタメントは明確に『夢を見る人間の敵』なのだろうとわかる。スパイだと判明する前のナナシの様子を見ると『胡蝶』に在籍していながらも、テスタメントのように「人間の苦痛だーいすき!」みたいなことは一切言っていない。ナナシの態度と比べるとわかりやすいが、テスタメントはやはり一貫して『敵』のポジションなのだと思う。(だいたい『胡蝶』というネーミング。『胡蝶』といえばそこに繫がる言葉は『夢』であり、『胡蝶の夢』といえば「夢と現実の区別が出来ないこと」のたとえである)

 ただ、テスタメントは「人間の絶望を見るのが楽しい」という理由だけで世界中の夢を壊そうとしているわけではない。その先に真の目的があるのだということは、連盟も掴んでいる。 副会長のインテルが「世界の夢を壊すという『胡蝶』がその実何を望んでいるのかをスパイとして探るのがナナシの任務」だと言っているからだ。
 となると『胡蝶』でのナナシのスパイ活動は大きく見たら失敗である。『胡蝶』の真の目的をナナシは掴み切ることができなかったからだ。だが、『胡蝶』が真の目的を叶えるために、エマの力と未完の設計図による道具(力の増幅と転換が可能)を欲していることはわかった。黒妖精を救済するエマの力、そしてその力を転換して増大させる道具を揃え、これまでとは比べ物にならない規模で世界の夢を壊した先に、テスタメントの望みがあるのだ。
 だからこそテスタメントはエマの覚醒を促し、設計図の方は『胡蝶』の開発者が開発しようとしている。

 ところでナナシや闇夜の二人が抜けた今、『胡蝶』のメンバーはテスタメントとその開発者だけなのであろうか。ミラーは傍観者らしいし、人手不足というかなんというか、自転車操業の組織だなとは思う。
 『胡蝶』でのナナシについてわかっているのはそれくらいだ。わかっているどころか、逆にわからなくなったことも多い。
 ナナシは謎の人物ミラーとも仲良くやっているし、テスタメントを「テスタ」呼びするほど近しい。そもそもどういう経緯でテスタメントに近づけたのだろう。
 それに、今から10年前のブラッディ・レディに近づいた『胡蝶』のシルエット(カミュの話に出てくる)にはナナシの姿がある。そうなると、ミラーとテスタメントはともかく、ナナシは今いくつなんだ?と思うし、こいつはいつからスパイをやっていたんだという話になる。
 それに五章まで、ナナシは一貫してエマの覚醒を促す行動をとっているのが不思議だ。スパイとしてテスタメントの目をごまかすためなのかなとは思ったのだが、エマの力がテスタメントの『目的』に必要だと気づいた時点で、「これ以上覚醒させたらテスタの思うつぼ」「これからは黒妖精を使うのはちょっと抑えめにしとこ」とならなかったものだろうか。

②ハウンドスイーパーのマイスター(奪い師)であること


 ハウンドスイーパーは、連盟副会長インテル直属の掃除屋ギルドである。公的機関では手の匂えない犯罪者を狩る秘密裏のギルドであり、連盟の中でもその存在は一部にしか知られていない。しかし、ブラッディレディのメンバーを粛清したこともあるようだ。ナナシはそこの『奪い師』である。
 マイスターである以上、ナナシもまた夢花(マイスターの夢の力を具現化したもの)を所持している。ナナシの夢花は紫で4枚の花びらがあり、蝶の形をしている。
 だが、リュコス、アルマ、ダステのカードストーリーにはナナシの姿がない。本人も「幽霊メンバー」だと言っているので、ほとんどギルドホームには帰っていないのかもしれない。この先配信される第七章では、ハウンドスイーパーのギルドマスターシハルがどうやら実装され、このギルドがメインのストーリーになるようだ。
 そうなれば、ナナシについてもわかることがもっと増えるだろう。

③夢の力が強いこと

 この世界の重要な構成要素は『夢』だ。夢見ることで新たな土地が現れたり、道がかかったりするくらいなので、概念的な活動エネルギーの源であるだけでなく、物理的にも重要なエネルギーのようなものなのだ。
 この夢の力が強い人間がマイスターとして、モブには出来ないあれこれを成し得ているわけだが、ナナシは普通のマイスターよりさらに夢の力が強いようだ。本人が「僕は特別。夢の力が強いからね」(第五章)とはっきり言っているので実際そうなんだろう。では、彼の夢の力はどうして他の人より強いのか。
 考えられるのは、『たまたま偶然』。『本人の努力の果て、意志の強さ』。もしくは『夢の力が強い特殊な血すじ』のどれかではないだろうか。
 また、ナナシは普通の人にはできないはずの「夢花の力を他人に分け与えること」をエマに対して行っている。
 この時エマが「王族でもないのに」と言っていることから、この行為がかなり特別なものだと解る。ここで言う『王族』とは、ムーンロードで行ける国々の『王族』ではなく、『夢王』の親族のことだと思われる。
 ナナシが王族にしか使えないはずの力を使ったことでナナシ=夢王の血筋、王族という説が生まれるのもよくわかる。
 だが、この直後、ナナシは「黒妖精の瘴気を具現化した粉を作った研究機関と同じような研究機関」の存在について匂わせている(「今はこれ以上言えない」と口をつぐんでしまったが)。
 夢花の研究機関があるのなら、ナナシが王族でなくとも夢花の力を使えるのでは?と思わせられるのだが、血筋によって特別な力を使えるにしても、まだ公になっていない研究機関の技術を使えるにしても、ナナシが『特別』な事は変わらないだろう。

④エデンとは「浅からぬ仲」であること

 何しろナナシはエデンから直接秘密箱を託されている。「時が来たらエマと一緒に開け」と。それだけでもナナシはエデンにとって特別な何者かなのだと思う。
 エデンは旧知のオズワルドでもなく(結果的にオズワルドは箱を預けさせられてはいたが)、自分を慕う月渡りギルドのマイスターたちでもなく、母のゲルダ(エマの祖母)でもなく、ナナシにその箱を預けたのだから。(約20年前にエデンはオズワルドに鍵を見せており、それが「嫁にもらったもの」だと話している。ナナシを通じて、箱がオズワルドに渡ることはもしかしたらエデンの想定内だったのかもしれない)
 また失踪したエデンが最後に会った(その時に箱は託された)人物もナナシである。 失踪後のエデンの所在について「どこにいるか知っている(そこがどこかはわからない)」と答えたのもナナシだけだ。
 どういう関係なのかは語られなかったが、エデンについて「彼のめちゃくちゃに巻き込まれて振り回されている」関係であるとナナシは答えている。
 ナナシは『特別』だが、この世界ではエデンも(そしてオズワルドも)充分特別な存在である。グランドマイスターとはそれほど希少だと繰り返し語られているからだ。
 ナナシの年齢はわからないが、外見を見る限り、エマ(20代前半)の父であるエデンとはかなり歳が離れているように感じる。 めったに会えないはずの年上のグランドマイスターと「浅からぬ仲」とは本当にどういう関係なのだろうか。

⑤黒妖精ブラトとは「縁が深い」こと


 黒妖精は、夢見る人間を励ましてきた妖精が、夢破れた人間の絶望によって黒く染まった姿である。妖精に序列があるのかははっきり分からないが、『妖精女王』がいる以上、階級はあるのかもしれない。
 女王の地位が血によって継承されるのかどうかがわからないのではっきりしたことは言えないが、エマに女王の力が受け継がれているところを見ると、地位はともかく力の継承はあるようだし、力の大小もまた存在するのかもしれない。 
 ブラトは黒妖精の中でもどうやら特別だ。強いという意味でも、古参という意味でも。ラヴィが「(テスタメントと)気配が似ている」と言っており、テスタメント自身も「自分は黒妖精である(人間でもある)」と言っているので、テスタメントとブラトには何かの共通点があるのかもしれない。
 そんなブラトと「縁が深く」、親しげに話し、さらには慣れた様子で憑依させるナナシ。  
 お前は本当になんなんだ。

⑥エマの姿が(人間の目には)見えない状態になっても、ナナシにはエマが見えていること

 テスタメントは何らかの目的のために妖精と人間のハーフであるエマの妖精部分を覚醒させようとしている。エマが力を使い、その本分が妖精に近づくと、エマの姿が人間には見えなくなる。エマが妖精の領域に入ったから、妖精ならぬ人間の身にはその姿が見えないのだろう。
 逆に言えば、妖精にはエマが見える。エマの鍵に入っている黒妖精たちにも、自らを「黒妖精」と称しているテスタメントにもエマが見える。そしてナナシにも見えているのだ(第六章)。 
 だがそれでナナシ=妖精ないし妖精の力がある、とは言い切れない。
 「覚醒状態のエマが見えるのは妖精だけ」とは明言されていないからだ。ナナシにエマが見えるのは「妖精だから」ではなく、「特に夢の力が強いから」かもしれない。 グランドマイスターであるエデンやオズワルド、さらに夢王含む王族のように「夢の力が強い」とされている者たちと覚醒状態のエマはまだ対峙していないので、夢の力の強さとエマの姿が見えることについての関連は検証出来ない。

⑦マイスターでも胡蝶でもない、別の立場をもう一つ持っていること

 メインストーリーの中でオズワルドはナナシに対して「たいそうな身分」という言葉を使っている(第五章)。
 胡蝶はもちろん、グランドマイスターであるオズワルドが普通のマイスターに対してそんなことを言うのはおかしい。ナナシはグランドマイスターでもなくギルドマスターでさえないのだ。
 つまり、ナナシは「マイスター」という身分の他に、グランドマイスターのオズワルドが「たいそうな身分」というほどの地位なり生まれなりを持っているということになる。
 また、ナナシはインテルとの会話で「ここからは別の立場として話をさせてもらう」とはっきり言っている(第六章)。つまり、ナナシにはギルドに属する奪い師ではない『別の立場』があり、その立場でインテルに何かを話したのだとわかる。

⑧「ナナシ」の他にどうやら本当の名前があるらしいこと

 これについては、カミュがかなりのところまで把握しているような気がする。「あなたの本当の名は」と言いかけ、ナナシは「それは推測程度で口にしていいものじゃない。特にエマちゃんの前ではね」とカミュの言葉を遮っているからだ(第五章)。
 だが、カミュのことなので、本当にナナシの本名を知っているかどうかはわからない。知っている振りをしてナナシを動揺させるという作戦だったのかもしれないからだ。
 あとはオズワルドが「ナナシか、便利な名だ」と言っている(第五章)。彼がナナシの本名を知っているかどうかはわからないが、『ナナシ=名無し』であり、本当の名前は他にあることは知っているのだろうと思わせるような言い方だ。
 さらにオズワルドは「私もそう名乗ればよかったか。後世に決して名が残らぬように」とも言っている。「そういう名前ならよかった」ではなく「そう名乗ればよかった」と言うからには、やはりナナシという名前は仮の名なのだろうと思う。 

⑨その他。そして結局ナナシとは?


 ナナシについて明らかにするつもりだったのに、知っている事8つをよく考えてみた結果、ますますわからなくなったというのが本音だ。
 それに他にもナナシは気になることをいくつか言っている。

「邪魔者。どこに行ってもそう言われる」(第六章)

 これは彼がこれまでに所属してきた組織のことなのか。それともオズワルド言うところの『身分』のことなのか。

「女性の誘い方については結構勉強させられた」(第六章)

 「勉強した」のではなく「勉強させられた」と言っているからには、ナナシはそれが必要な場所なり組織なりにいたことがあったのだろうか。少なくとも奪い師として所属しているハウンドスイーパーや、ましてや『胡蝶』では不必要な技術のような気がする。

 あと、そもそもなんでナナシの持ち物は乗馬鞭(騎馬鞭)なのだろうか。
 マイスターたちは夢の始まりのカードでそれぞれ自分にゆかりの深い道具を持つ姿で描かれている。ファタ・ミュジカの場合はモノが歌だったり演技だったりするので絵として描き込むのは無理だったのかもしれないが、エンターティナー的衣装で登場しているが、大体のマイスターは彼らを象徴するような道具を持っている。
 ナナシと乗馬鞭は何か繋がりがあるのだろうか。武器として描かれたのかもしれないが、これまでナナシが馬に乗ったところは見たことがない。

 では、①から⑨を踏まえてナナシの正体について妄想してみる。これは、カード実装前だからこそ出来る好き勝手である。

 一番可能性がある『ナナシの正体』は、彼が『夢王の親族』つまりは『王族』の身分を持っていることだ。夢の力が強いこと、それから「王族でもないのに夢花の力をエマに分けたことが事実としてあるからだ。(項目③参照)
 また、オズワルドが「たいそうな身分」と評したこと(項目⑦参照)、「ナナシには他に名があり、それを隠している」こと(項目⑧)にも矛盾しない。

 ただ、『夢王』がこの世界でどんな存在なのかがよくわからない。宗教レベルで崇拝されているのか、継承権はどうなっているのか(血によるのか、力によるのか)、男王だけでなく女王もありなのか、歴代夢王にきょうだいがいるならその人たちは王族や貴族として特権はあるのか、などなど全てが不明だ。
 『夢王』が崇拝レベルで特別な存在であれば、ナナシが『夢王の親族』であることを公にしていない理由にはなる。しかしそれと同時に、ナナシの正体について知っていそうなオズワルド、カミュ、インテルのナナシに対する態度がフランク過ぎやしないかという疑問が出てきてしまう。
 結局のところ、『夢王』関連の情報が少なすぎるし、そういう態度を許してくれるタイプなのかどうかがわからない事には論が成り立たないのだ。しかし、それでも無理やり妄想するとなると、考えられるのは、ナナシがもし王族であるのなら、『夢王』の直系ではなく親族レベルの王族であるか、もしくは王、王女、王子いずれかの私生児であるかのどちらかなのではないだろうか(ただ、これもまた『夢王』の結婚形態が明らかではないので論ずることが難しい)。

 もう一つの可能性は、実はナナシが『世界ギルド連盟会長』である、というものだ。
 それなら、「たいそうな身分」でありながら、その身分を隠して活動していてもおかしくないし、「ナナシ」という名前を使って本名を隠すこともありうる。
 「特にエマの前では推測で本名を言うな」とナナシがカミュを牽制したことの理由にもなる。彼が連盟の会長なら、そこに属している「エマの前では」という言い回しをするのは妥当だからだ。
 会長になるくらいだから夢の力も強いのかもしれないし、オズワルドと旧知であることや、エデンと「浅からぬ仲」で「振り回されている」という言葉も納得できる。連盟会長と破天荒揃いのグランドマイスターの関係ならしっくりくる言い方だ。
 インテルは日頃から会長に対して悪口雑言を駆使するが、それもナナシへの態度とは矛盾しない。
 また、ナナシがインテルに「これからは別の立場で話す」と言ったあとで「ミューゼの件で」と切り出すシーンがある(第六章)。そしてその直後、ミューゼのファタ・ミュジカにはかなり寛大なフォローがされているのだ。レコルドやミューゼの国王まで動いた様子があり、ナナシの一言から事態が動いたようなシーンの繋ぎ方になっている。
 またこの件で初めて「連盟の会長からも直々に謝罪と説明があったらしい」との会話がなされる。

 ただ、こちらの妄想も『夢王』の話と同じで、『連盟会長』の情報が少なすぎる。もしエマたち平のギルドキーパーも連盟会長の顔を知っているのなら、ナナシ=会長説は成り立たないが、会長が『夢王』やグランドマイスターたち同様に下っ端には謎に包まれた存在なら、ナナシ=会長説も可能性がなくはない。

 ただ、やはり『夢王の血筋』ということで、一発で特別感が出せる王族説のほうがアリのような気がする。

 そして実は私は、ナナシ=エマの異母兄ではないかと思っていた時期がある。
 エデンはエマの母(妖精女王)と運命の恋に落ちたっぽいが、彼の破天荒ぶりと風来坊のような行動から、妖精女王と出会う前に関係を持った女性がいてもおかしくないのではないかと思ったのだ。その女性がナナシの母なのではないかと。
 『夢王』の年齢と性別が謎なのでなんとも言えないが、ナナシの母はこの『夢王』の娘、つまり王女なのではないかと妄想したのである。
 「ローマの休日」もしくは「花咲ける青少年」のごとく、街に出た王族が魅力的な異性と恋に落ちるストーリーがそこにあったら面白いなと思った。
 そのロマンスの果てに生まれた子は、しかし結局は私生児であるし、母親が王女ならまず公には出来ないスキャンダルだ。生まれてきたらマズい存在ではあるが、決して粗雑には扱えない。公には出来ない。王族の私生児ならそれに当てはまる。ナナシが名無しなのはそういう生い立ちのせいであり、密やかな後ろ盾として『夢王の娘』ないし『夢王ご本人』がいるからこそ、連盟の中でも少し特別なポジションとして動けるのではないか。

 と、ここまで考えて私は「……ナナシ=エマの異母兄説は無いな」と思った。なぜなら、ナナシ=エマの異母兄という論にはバカでかい穴があるからだ。
 それは「ナナシが魅力的すぎる」という点だ。
 『ゆめくろ』は言ってみれば乙女ゲーなので、エマ(もしくはエマに憑依した夢女)とマイスターとの恋を楽しむのも目的の一つだ。
 しかしそこにヒロインの『兄』が出てきてしまったら、「攻略できない」ということになってしまう。倫理観が邪魔をして、親族ならせいぜい攻略対象はイトコまでだろう。「兄妹近親相姦もイケる!」という剛の者もいるだろうが、全体から見たら少ないと思う。

 敵と思いきや実は味方で、マイスターで、「たいそうな身分」で、しかもまだまだ秘密がありそうナナシ実装というビジネスチャンスを運営がわざわざ捨てるとは思えない。そういう意味で、ナナシはエマの肉親であってはならないのだ。

 最後に、これこそ妄想極まった話で申し訳ないが『夢王』とは妖精(黒妖精になる前の)との間に生まれた子どもの子孫なのかもしれないとも思う。
 年代を経て、エマほどの濃い血はもう残っていなくても、『夢王』とは妖精の血を持つ一族であり、だからこそ『人間の夢』を守る立場にあるのではないかと。
 となると、古参の黒妖精ブラトはそこに関わってきそうだし、ナナシが王族ならブラトと「ゆかりが深い」のも頷ける。

 なんにせよ、ゆめくろはまだまだ謎に包まれた楽しい物語である。第七章の配信が待ち遠しい。

 ここまで長々とお付き合い頂いてありがとうございます。
 皆様におかれましてはグランフレアをひとつよろしくお願いいたします。推しです。

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