アンジェリークルトゥール オリヴィエ攻略感想

アンジェリーカーの端くれとして恥ずかしい話だが、今頃ルトゥール初プレイである。
実はゲームで神鳥の宇宙に触れるのも15年ぶりくらいだ。(10年くらい前にネオアンジェリークはやった(マガジンの記事参照)が、ネオアンはネオというだけあってそれ以前のアンジェリークシリーズとは分けたほうがいい気がする)

だが、そもそも私の乙女ゲーム初体験は「アンジェリークsp1」リメイクの「アンジェリークデュエット」なので、同じく「sp1」のリメイクであるルトゥールを起動して音楽が流れた途端に「懐かしい…」としみじみした。なんなんだ、この圧倒的ホーム感は。
神鳥宇宙のヒロインはアンジェリーク=リモージュ、ライバルはロザリアである。
攻略一人目はオリヴィエ様。

オリヴィエは世界を支える9つの力のうち、美しさを司る夢の守護聖だ。
オリヴィエに限らず守護聖というのは神様みたいなものなので、終始ヒロインの方がへりくだった態度で攻略対象に敬語を使うのがアンジェリークスタイルである(女王になるとそれが逆転する)。
オリヴィエは私の最推しなので、ロザリアが彼に近づいた途端闘争心に火がついた。早くも本気汁だ。
ルトゥールのオリヴィエは喋り方も服装も髪型もリメイク前に比べたらかなり大人しめになっている。化粧など、もはやしているのかしていないのかわからないくらいに抑え気味だ。
また、以前から「〇〇だよねェ」の語尾は使われていたが、リメイク前には「〇〇よ」だったものが「〇〇だよ」に置き換わっている印象。このルトゥールオリヴィエは、苦手な生き物を見て「カエルよぉーーー!!」とはあんまり叫びそうにない。
リメイク前には、声優さんのファン以外で「第一印象からオリヴィエ様に決めてました!」という人はあんまりいなかったように思う。むしろ、外見のインパクトが強すぎるオリヴィエが苦手な人の方が多かったのではないか。私も、初めてデュエットのオリヴィエを見たときは真っ先に「無いな」と思い、プレイして初めて「オリヴィエ様いいじゃん、素敵じゃん」と己の不明を恥じた。
オリヴィエの良さは攻略してみて初めてわかるし、その「良さみ」も大人にならないとわからない事が多かったのだ。「オリヴィエ様って対応が大人だよな〜」と思えるのは、ちゃんとした大人がどんなものなのか解っている人だけだ。「アラサーになってアンジェリークやり直したら、意外とオリヴィエが良かった」みたいな感想をたまに見かけるのはそのせいかもしれない。
しかしルトゥールでは、服装はともかくメイクも髪型も前より落ち着き、喋り方からはオネエっぽさがかなり抜けて、フランクとかラフの域を出ない仕様に変わった。このオリヴィエは「享楽的」とはもう言えない気がする。
つまり、ルトゥールのオリヴィエはリメイク前のオネエ寄りキャラではなく、服装は派手だがかっこよくて話のわかる兄さんキャラになっている。
リメイク前には初手からオリヴィエを狙う人は少なかったと思うが、ルトゥールから入った方なら「よっしゃ!まずはオリヴィエから攻略するで!」と思ってもおかしくない。
(わりと)万人に受け入れやすいタイプに変化したこのオリヴィエもいいのだが、リメイク前のメイク濃いめなオリヴィエの方が「この人、こんなイカれた恰好(失礼)なのに一番まともなこと言うじゃん」みたいなギャップ萌えは大きかったと思う。

さて、オリヴィエ攻略の感想だが、これはオリヴィエに限らず書くのが難しい。なぜならネオアンはともかく、アンジェリークシリーズは基本的に恋愛シュミレーションなので、他のシリーズのように「このキャラにはこのシナリオ」という別個のルートが無いからだ。誰を攻略しても、
『女王候補として試験を受けるアンジェリークたちをサポートしていくうちに、守護聖とアンジェリークの間に恋が芽生え、アンジェリークは女王の座を取るか恋を取るかの選択に迫られる』
という流れは変わらない。それに、守護聖たちがアンジェリークに恋するきっかけは、多少の違いはあれど基本的に全て「アンジェリークが女王試験を頑張る姿を見たから」なのだ。
つまり、狙ったキャラによってエンディングまでのストーリー展開ががらりと変わる事がないので、ストーリーの感想を書いたら全ルート同じになってしまうし、そのストーリーの行間を補うようなことを書きすぎると、感想ではなく二次創作になってしまう。
そうなると「感想」といっても私の奇声(例:「オリヴィエ様ーーー!!」)をお届けするだけになってしまうのだ。
だから、書くのがとても難しい。
このまま、オリヴィエ様の執務室のテーマ曲を♪チャラララララ〜チャ〜ラララララ〜チャララララララララー(ハッ!←合いの手)と歌いながらフェードアウトしてもいい気がしてきた。

それでもまあ一応、備忘録として書いておくことにする。

戸惑いながらも頑張るアンジェリークの姿を見て、守護聖側の気持ちに何らかの変化が起こり、彼らはその変化のきっかけになったアンジェリークの事が気になりだす。
この流れは誰を攻略しても変わらないと先に書いた。
オリヴィエは元々活動的でアンテナが鋭く、楽しいことや面白そうなことは積極的にやりたいタイプだ。だから、女王への忠誠心や守護聖としての使命感はあるものの、どうしても時々「自分は窮屈な聖地に押し込められてる感」が高まり、イライラしてしまう。多分、オリヴィエは守護聖に選ばれてからずっと、その鬱屈を抱えてきたのだろう。ただ、彼は精神的に落ち着いたタイプなので、使命と感情に何とか折り合いをつけてやっているのだろうと思う。
今回はオリヴィエにとって初めての女王試験である。それは、普通の少女が「女王」になる過程を間近で見るという事だ。一旦女王になれば普通の少女ではいられないし、もう気軽に出歩くことさえ出来なくなる。しかし彼女たちは特別で、代わりはいない。どちらかに女王になってもらわなくてはならないのだ。
守護聖と同じくこれから先、試験の結果次第で聖地に生を縛り付けられるのがわかっているからか、オリヴィエは女王候補たちに最初から優しい。「遊びたい盛りの女の子が…」というセリフから、彼はおそらくアンジェリークたちをちょっと痛ましい思いで見つめている。守護聖だからもちろん女王の存在を大事には思っているが、女王になることが素晴らしい誉れだとは考えていない。少なくともアンジェリークたちに、立派な女王になるためとにかく頑張れとは思っていないだろう。
だが、試験に真っ直ぐに取り組むアンジェリークの姿を見ているうちに、訳のわからんことにもそうやって真剣に向き合えるのっていいなと思い始めるオリヴィエ。前向きなアンジェリークと話しているうちに、守護聖になることで彼が諦めてしまったデザイナーになるという夢も、別に諦める必要はないんじゃないかと考えることができるようになる。
願望、つまり夢を持つ事は、前に進む力になる。日々を楽しむ力になる。
夢という、人間にとってかけがえのない物は自分の力によってもたらされているのだと、オリヴィエは改めて考えたように見える。
オリヴィエは「もう一つの自分の夢はアンジェリークといることだ、好きだよ」と率直に伝え、それを受け入れるとエンディングになる。
それまでずっと「夢とは美しいものだ」と話してきたオリヴィエが、ここで初めて「現実で美しいものは目の前にある」と、夢ではなく「美しい現実」の話をするのがとてもいい。
ちなみに、彼からの告白を断ると「女王にでもなんでもなれば?」という突き放し方をされるのだが、sp2では、告白を断られて気まずいはずなのに「気にしないで笑って!」みたいな事を明るく言ってくれる。私はこのセリフでオリヴィエが好きになったので、sp2リメイクの予定がないなら、ルトゥールではこっちを採用して欲しかった。

しかし相変わらずオリヴィエは、距離の詰め方が私の好みにバッチリ合う。例えば、親密度高の状態で執務室を出るとき「(出ていくのは)ダメ、許さない」と怖い顔で言った後「…なーんてね」と冗談っぽく加えるところ。遅くなって寮に送る途中で、狼になるかもしれないから警戒心を持ちなよとたしなめたあと、怖がらせたことを謝って、それにびっくりするアンジェリークをカワイイと話す。
オボロロロロ(萌えによる嘔吐)、なんなんだこの人は。
オリヴィエは、本気と冗談のアップダウンを駆使してときめかせてくるので気が抜けない。

オリヴィエに告白される方もアンジェリークから告白する方もどっちも見たが、とりあえず「磨いてーーー!私を磨いてーーー!!」と思った。
特に、私邸らしき場所でオリヴィエがすごい私服を着てアンジェリークと向かい合っているスチルは良かった。オリヴィエの良さは、男か女かわからんような服を着ているわりに、身長が高く体格がちゃんと男性らしいところだ。中性的というのともちょっと違う。あのスチルはそのオリヴィエの良さがしっかり出ていて、(すごい服だけど)素敵だった。
毎日楽しく過ごせそうだし、ああ見えて誠実そうだし、やっぱ恋人にするならオリヴィエ一択やな…(※個人の感想です)と思った。
もし彼と付き合ったら、ムダ毛の一本も許されないのではないかとプレッシャーを感じそうだが、オリヴィエなら「脱毛ならあそこのエステがおすすめだよ☆」と教えてくれるばかりか、一緒についてきてくれそうな気もする。
好きだ。

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