アンジェリークルトゥール リュミエール攻略感想
ルトゥール攻略6人目は水の守護聖リュミエール。
水色の長髪がトレードマークの女性的な美形で「麗人」という表現がぴったりくる。
常に柔らかな笑みを浮かべていて、実際喋り方も態度も穏やか。そして、ネオロマンス界広しといえども他ではあまり聞かない気がする男性一人称「わたくし」。
ゲームスタート直後には厳しいジュリアスやゼフェルなどとは違って、リュミエールは最初から、女王試験に臨むアンジェリークを優しく気にかけてくれる。
他の守護聖と同様、リュミエールも「慣れない試験を頑張るアンジェリークに守護聖として協力しているうちに、彼女を特別に思うようになる」という流れでエンディングまでいくし、基本的に彼は最初から最後までアンジェリークに優しい。ただ、そのせいで一部のプレイヤーはもしかしたらリュミエールに「たおやかで優しい麗人」以上の印象を持たないかもしれない。
「一部の」というのは、あんまりリュミエールに悲しい顔をさせずにエンディングを迎えられた運のいいプレイヤーのことだ。
そしてその恐れ通りの感想を私は見てしまったのだ。ルトゥールがアンジェリーク初プレイだという人の「リュミエールはとにかく優しかったなーって感じ」という感想を。
ななななんてことだ!
感想が「優しい」だけなわけがあってたまるか!
リュミエール様やぞ!
友情段階一段階目のオスカーみたいな事を言わないでいただきたい!
……と、まあ、勝手に憤っておいてなんだが、よく考えたら優しいと言われて悪いことは何もない。「尊い…」しか感想が出てこないのと同じで、その人も「優しい」しか出てこなかったのだろう。わかる。
それに、リュミエールが優しいのは事実だ。
親密度が最低値まで下がったとしても怒られない。
というか、リュミエールの場合は怒るのではなく悲しい顔をするのだ。決して険しい顔ではない。眉根を寄せた、こちらに訴えかけるような憂いの表情である。
だが、リュミエールのこの顔は、正直、下手に怒られるよりキツい。
デートを断ったときも質問に失敗した時も、告白を断わった時もリュミエールはこの表情をする。こちらが物凄く罪悪感を覚える表情だ。
大陸視察のある土の曜日の誘いを断っても、真面目に試験に臨んでいるこちらには何一つ非がない。にも関わらず、誘いを断った後リュミエールにこの顔で「そう…ですか…」と三点リーダー混じりに言われたら「す、すすすみませんでした!!」と罪悪感で平伏したくなるのである。
怒られるよりキツいというのはそういう意味だ。
しかも彼は、この憂いに満ちた顔で容赦なく建物を破壊する。今回私が攻略したリュミエールは仕事が好きなタイプだったせいか、プレゼント育成や妨害が特に激しかった。ロザリアの大陸は多分完全な水不足、優しさ不足に陥ったと思う。
この件に限らず、会話を交わすうちにリュミエールが優しさを司ってはいても、こちらをベタベタに甘やかすタイプではないとわかってくる。
そもそもリュミエールは女王を「試験」という形で選ぶことが嫌だと思っている。乗り気ではないが、すでに始まってしまったのだし、試験に臨む女王候補たちには何の非もない。だから時折憂い顔を覗かせつつも試験に協力しているのだ。
リュミエールは「試験」「競争」が二人の女王候補を切磋琢磨させるものではなく、いがみ合わせる事になってしまったら…と心配しながらも、女王候補たちを見守り、自分が司る水の力についてその都度丁寧に話をしている。この対応からしてリュミエールがあらゆる人に「優しい」と評されるのも当然だと思う。
たが、見た目も中身も美しく優しくギャップゼロなのがリュミエールなのかといえばそうではない。
実はリュミエールはかなりのギャップ持ちなのだ。
まずは体型。「麗人」だの「女性的な美形」だのと書いたが、彼の身長はコルダの土浦より高い。
それにリュミエールが持ち歩いているハープは4キロくらいあるらしいので、それを常に持っていたら筋力もつくだろう。キャラデザを見ても肩幅がしっかりしていて、少なくとも華奢には見えない。ああ見えて、リュミエールは意外と体格が良いのである。
また、リュミエールクラスタには言わずもがなのことだと思うが、よく聞くとこの人は言いづらいことを結構ズバズバ言っているのである。それは、彼の執務室に飛び込んでオスカーについての「お話」を聞いてみたら一発でわかる。
だから、リュミエールがアンジェリークに「本当の自分を知ってほしい」「自分には驚くほど冷たい部分がある」「怒りも苛立ちもするし、本当は優しくなどない」と言いにくるイベントがあるが、プレイヤーの殆どが特に驚きもせず「うん、知ってた」とだけ思ったのではないだろうか。
「冷たい」というか、彼は多分かなり頑固で物事の好悪がはっきりしているのだ。女性的な外見のせいで受け身に見えるが、実は自分の考えを物凄くしっかり持っていてなかなか折れないし、一度嫌いと思ったものはなかなか受け入れられないのではないかと思う。頑固なのだ(2回目)。
それは仕事や生き様についてだけではなく、例えば好きな女の子のタイプについても言えるのではないかと思う。
自分の好みから外れた勝ち気な女の子をうっかり(うっかり?)好きになってしまったリュミエールが、大事な告白の場面で「正直辟易していたのです」と言ったことを私は忘れていない。
だが、勝ち気コレットやロザリアと違って、アンジェリーク・リモージュはリュミエールの好きなタイプから大きく外れていないので、ルトゥールしかやっていないとこの点はわかりにくいかもしれない。ハードがあればぜひともデュエットのロザリアルートかスペシャル2の勝ち気なアンジェリークルートをやってみてほしい。
「好みじゃないはずなのに好きになってしまった…。自分の気持ちを受け入れたくない。そんな筈はないのに。…でも好きになってしまった…」
みたいな、リュミエールの葛藤が垣間見られてすごく面白い。
そしてリュミエールが、はっきり気持ちを伝えてくるタイプであることは恋愛イベントのときにはっきりわかる。
2段階目でリュミエールが「自分の故郷では大事な人の肖像画を飾る習慣がある」という話をするのだが、話だけにとどまらずその場で「あなたの肖像画を飾っていいですか?」と許可を求め、承諾すると執務室にはばっちりアンジェリークの絵が掲げられる。
おいおい、執務室には他の守護聖も来るんやぞ。
匂わせどころの話ではない。
なんて堂々としてるんだ。
そしてこの状況から湖での告白を迎えるわけだが、自分の力は人に癒やしを与えるという話から、でも自分はアンジェリークから癒やしを与えられていると告げる。
告白を受け入れたらスチルが出るのだが、それを見るとやはりリュミエールは体格がいい。後ろからのハグで腕の中にアンジェリークがすっぽり入るのだ。
これがオスカーあたりなら通常運転かもしれないが、「麗人」リュミエールだからこそこのスチルで彼の男性らしさにハッとさせられるのである。
また、「あなたを思う気持ちが溢れんばかりで、それを一気に出して見せたらあなたをびっくりさせてしまう。だからちょっとずつ見せますね」みたいな事を言うのがすごくいい。こんなに麗しく穏やかでたおやかな男性が心の中ではそんな事を思っているのかと思えば、男性ホルモンが多そうなキャラデザの男性に言われるよりもある意味萌えるのである。
そして、エンディング後「あなたを愛しています」ではなく「あなたに恋をしています」と言うのが、なんというか、これからまだまだ「好き」の段階を上げていきまっせ!覚悟しといてくださいよ!みたいな「余力」が感じられて、やっぱりリュミエール様は男らしいなと思うのだ。
ただ、こんな感想を書いといて何だか、私みたいにリュミエールにギャップを感じて萌えているプレイヤーばかりではないとは思う。
ひたすら優しく麗しい、ちょっと受け身なリュミエールが好きな人もいるだろう。
どちらのオファーにも応えられる、それがリュミエール様の良さなのかもしれない。
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