三国恋戦記プレイ記 文若ルート感想

※これは2010年にブログに書いたものです。

攻略3人目は文若。初の魏ルートである。
文若の外見は、髪型が普通な冥加(コルダ3)といった様子。つまりは常に眉間にしわが寄っていて、不機嫌そう。お前は一体全体何が気に入らないのかと小一時間ほど問い詰めたい表情をしている。中身はというと、頑固でクソ真面目で融通が利かない。
冥加というよりは、ジュリアスとかエルンスト(アンジェリーク)が好きな方にぴったりのキャラである。
さて、長坂橋で翼徳を助けに行ったヒロインは河に落ちて孟徳軍に助けられるのだが、孫呉と蜀のルートに入ると子龍に助け出される。しかし、その段階で魏メンバーとの親密度が上がっていると、そのまま魏に残るという展開になる様だ。魏にとってあからさまに怪しいヒロイン(玄徳軍にいた上、孔明の弟子を名乗り、そのくせこの時代の知識は皆無)に対して、もしやこの女はアホな振りをした間諜ではないかと疑いをかける文若。
文若が最初は全く相手にしてくれないので「この人は冷たい」と感じるヒロイン花だが、文若の態度はむしろ普通で、すんなり受け入れてくれた玄徳の方がおかしいのではないかと思う。公瑾の場合は笑顔に裏を感じたが、文若は裏も表もなく完全にヒロインを怪しい者だと思っている(そして実際その通りだ)。

その後、宴会で文若が酒に酔ってヒロインに寄り掛かって寝てしまうというイベントが発生。
なんというか、こういう険しい顔の堅物キャラに酒というのは、ヤンキーに捨て猫級のマストアイテムだと思う。意外と酒に強くても面白いし、弱かったらなんとなく可愛いと思えるのだ。
文若は孟徳の片腕ではあるものの、漢王朝を存続させたまま権威は帝に、孟徳にはその臣下として全土を統一して欲しいと思っている。しかし孟徳は、無能な漢王室の存続がむしろ混乱を招いていると思っており、そんな事なら自分が帝になった方がいいんじゃないかと考えているので、二人の意見は対立している。
三国志では孟徳と帝の間に挟まれた文若はストレスから病死もしくは自殺することになっている。これをどう処理するのかと思っていたら、孟徳が退いて文若の意見を容れ、帝の臣のままでいると表明する。
えっ、そんな!「曹操」として、君はそれでいいのか。
演義やら無双やらの曹操孟徳が聞いたらマジギレしそうな展開ではあるが、これで文若も死ぬことがなく、花はこの世界に残りハッピーエンド。
女好きの孟徳が傍にいるので、そこに文若が嫉妬する首飾りのイベントは大変に楽しかった。堅物キャラの嫉妬は尊い。
それに私は、ヒロインが好きな男のことになると途端に周囲の迷惑を顧みなくなるという展開が結構好きだ。文若ルートの花は度々そういう乙女らしい動きを見せるのでとても楽しめた。
何しろこのヒロイン、軍師ポジションにいるだけあって、ルートによっては恋愛イベントよりも平和とか世界情勢とかを優先させてくる。現実世界だったら見上げたものだと感心もするが、折角の乙女ゲーなので、あまりそればかり言われると私は興ざめしてしまうのだ。
「国をこうしたい」とか「平和のためには」とか考えて動くより、単に「こいつを死なせたくない!」という一心で行動する、乙女ゲーヒロインらしさが文若のシナリオでは一番感じられてとても良かった。
それに文若は周喩のように戦場に積極的に出てくるタイプではないので、ヒロインが奥で実務を手伝うというのも新鮮だった。
文若ルートではあんまり戦場に立ったという気がしないので、他ルートのように人の死がどうとかみんなが平和にとかいうことをヒロインが考えすぎた結果、プレイヤーが興ざめることがないのかもしれない。
個人的には周喩のシナリオよりも好きだ。

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