金色のコルダオクターヴプレイ記 律ルート感想
「小日向ってほんとに律のことが好きだな」
何はなくとも、まずはそう思った。
オクターヴに限らず、3でも4でも思った。誰か他キャラのルートに入っていない状態の小日向の矢印は「律の方を向いている」と。
ここで断っておきたいが、私は律かな固定厨ではない。pixivでは小日向受け小説を書きちらしているが、むしろ律かなはまだ書いていない。私は小日向関連カプ無固定、無節操である。
ここで「かなでがずっと好きだったのは律じゃなくて響也です!」とか「かなでは7年前に出会った冥加がずっと好きだったんです!」とか確固たる何かを持ち、それ以外の意見には問答無用で斬りかかるという物騒な人はここで読むのをやめてほしい。
確固たる何かは大事だが、それと他人への攻撃は別物だ。
私のフォロワーさんにそんな辻斬りみたいな人はいないのだが、この感想、たまに通りすがりの方にふらりと読まれているようなので一応注意を促した。
ただ、こうして注意書きしてまでも思うのだ。「好き」とまではいかなくとも、小日向はずっと律に淡く憧れてたんだろうな、と。
というのも猫島でニアと一緒に攻略キャラに再会した時、小日向はニアと律の会話にヤキモキしてみたり、律の斜め上の返答にガビーンとなったりしている。
小日向は響也に抱きついたりはしているが、それに狼狽えているのは響也だけだ。
同じく幼なじみである響也を、小日向はこの段階(オクターヴ一段階目)で全然男としては意識していないんだと思う。
ただそれは響也に限ったことではない。ここでの再会は小日向にとって「知らん場所で知人に会った」くらいのもので、彼女がこの段階でヤキモチを焼くほど意識しているのは律だけだと私には思えた。
つまり、律には最初から「ヒロインからの好意」という圧倒的アドバンテージがあるのだ。しかも律だって、口に出していないだけで小日向のことはずっと大事に思っているようだ。
例えば響也の場合、響也と小日向本人が「こいつはただの幼なじみじゃない」とお互いを意識しなくては恋が始まらない。しかし、律の場合は小日向が最初から律を意識している以上、律さえ言葉に出せば二段階目くらいで「オクターヴ律ルート<完結>」なのである。
だがそうならないのは、律が恋愛事に鈍いから、言葉足らずだから、言を絶する天然だから、ツッコミのスキルを全部弟に譲って産まれてきてしまったから、等々色々と理由がある。
律ルートは3からずっと「いかに小日向が律に己を意識させ、はっきり言質を取れるか」という闘いなのかもしれない。
響也ルートでもそうだったが、律ルートでも、如月兄弟プラス小日向の幼なじみ同士がお互いを思いやる様子が伝わってきた。
ただ、響也の時は悩める響也に寄り添って律のことを一緒に心配していた小日向だが、律ルートではそうではなかった。
弟のことばかり心配して小日向の事は放ったらかしの律の言動に、彼女はしょんぼりしている。
律は金やんの指摘でようやく響也への過干渉を理解し、小日向の大切さを言葉で本人に伝えなくてはならないと気づく、という流れだった。
段階を経て「こいつはただの幼なじみじゃなかった!」と気づくのが響也なら、「ただの幼なじみじゃないって本人に言わなきゃ伝わってなかったのか!」と気づくのが律である。
律は、気づきのポイントが常人とかなりずれているのだ。
ずっと大事で好きだったけど言葉にしていなかった、自分は言葉が足りないというようなことを律は言う。
そこから、いきなり「お前とはそれで済ませるつもりがない」とか「愛している」とか、すごいことを言い出す律。
お前は一体いつからそんなに小日向が好きだったんだ?と問いただしたくなるほどの饒舌ぶり。
だが、多分律はずっと小日向を守りたい、大切だと思っていて、出来るならずっと彼女の傍にいるつもりだったんじゃないだろうか。
そういう大事なことを、照れてるとかではなく素で伝え忘れているのが律なんだと思う。
一足飛びに結婚披露宴の日程まで考えてから「はっ、そういえばまだ本人に何も言ってない」と気づきそうなところが律にはある。
付き合い始めてからも、まだまだ小日向がガビーン!となるシーンは多そうだ。
私は乙女ゲーをヒロイン=自分の視点でプレイしない。神視点とまではいかず、ヒロインの友人くらいの目線で、ヒロインの恋にヤキモキしたり「こいつ(攻略キャラ)のこういうとこがダメだ!」と画面に向かって怒ったりしながらプレイしている。
だから、最初から小日向からほんのり矢印が出ている状態でスタートする律ルートではいつも、
「かなで!ガンバガンバッ!もうちょっと押せばこのメガネを落とせるよ!ファイト!」
と謎の友人目線による声援を送ることになるのである。
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