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失業者の数と予算カットから官僚主義のリフォームを考えた

外出自粛令が出て以来のアメリカの失業者の数が30,000,000人を超えた、と昨日のニュースに載っていた。ロサンゼルス郡の人口が10,000,000ぐらいだから、その3倍だ。

私は今のところは失業することなく、通常勤務、というか自宅からではあるけど仕事をしている。そして仕事の関連でウェビナーを眺めたりしてるんだけど、どのウェビナーでも今は「今までにない非常事態で。。。」とか「大変なことになりました。経済はがた落ちで、たくさんの会社が従業員を解雇しています。このインパクト数年先まで悪影響をもたらす見込みです。」という。もちろんニュースもそうなんだけど。

それで、なんかよくわからんけど、違和感があるのだ。何が違和感あるかって、大変だ、大変だ、と発言している本人や、ウェビナーに参加している人たちは(私も含めて)今現在仕事がある人で、そんな人たちがこうするべきだ、ああするべきだ、なんて言ってるんだけど、では具体的にこれをやっていきましょう、というのが無いの。もちろんそういう趣旨のウェビナーじゃない、と言われたらそれまでなんだけど。そして、何となく、そういう実際の行動というのは、ウェビナーを通して働きかけるというよりは、真の行動力と人と人をつなげることができる人が電話一本かけるところから始まるのだろうか、と今日のウェビナーで思った。

なんでそう思ったかというと、今日のウェビナーのパネリストの大半が、今まで聞いたことあるようなことを繰り返す中、ロサンゼルス港の最高責任者のジーン・セロカ氏だけ、具体的な話をしてくれたから。ロサンゼルス市長から電話を受け取り、市の流通網がこんがらがっちゃって、最低必要な医療器具すら十分に病院に渡っていない状態だから、なんとか手伝ってくれ、と要請を受けて、彼が取った行動。総合病院で有名なカイザー・パーマネンテの最高責任者に電話をして、その次に航空宇宙産業で有名なHoneywellに電話をし、医療の現場で必要なマスクを大量生産してロサンゼルスに送ってもらう、というディールを取り決め。さらに、医療器具、特にPersonal Protection Equipmentといわれる、マスクや消毒液なんかも入ると思うんだけど、感染を防ぐアイテムを専門に取り扱う、マーケットプレイスまで作ってしまったという。アメリカ初らしい。マーケットプレイスでは、例えば病院が、うちの病院で、マスクがいくつ、呼吸器がいくつ不足しています、と出せば、そいういった器具を生産している製造元が答えれるようなシステムだそうです。もちろん全部彼がひとりで行ったのではないけど、こんなことを数週間で全部やってのけるって、信じられん行動力と決断力だと思った。

都市計画の勉強をしてた頃、よく聞いたのが、公的機関というのは何かにつけて、象牙の塔から下を見下ろして、見えたことだけで判断する、ということ。なんだか、まさにそんな感じがするのだ。いまだに仕事のある私たちが、失業率や経済の落ち込みをいろんな角度から、今こんな状況です、と中継だけして、では何をしているか、というとCOVID-19以前と同じ発言の繰り返し、というか。。。経済の復興を見通して、いつも通りのインフラの投資をしています、とか。なんかその辺で聞いている側としては、それじゃぁなんだか、何にも変わってないってことですね?と思ってしまうのだ。

なんだろうね。Santa MonicaのCity Manager(市長ではないです。でもCity Managerって日本ではどういう役職なのか知らない)が2週間ほど前に辞職して、その際のインタビューを読んだ。彼は今の状況を指して、地方自治体のこれからのあり方が真に問われる時が来た、という。それは自治体の財政体制の在り方から、市民が安全に暮らせるためのサービスをどう提供するか、いかにテクノロジーが市の各サービスの間の情報交換をさらにシームレスにしてくれるか、そしてそれが市の資源(サービスも資源ととらえて)をさらに有効に使われるように改善していくこと、など。これからの地方自治体、さらにはすべての公的機関はただ市民が安全に生活できるためのサービスを提供するだけでなく、結果も重視するように現在の仕組み自体をリフォームする必要がある、とくくっていた。それで辞職しちゃうんですか?!と思った方。私も思いました。けど、彼はなんか次の行動を模倣中のようです。

リフォーム、か。ジーン・セロカ氏の行動力と決断力も、今ある官僚制度をリフォームしてくれる海風かもしれんなぁ、と思う。






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