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非日常な出来事だけど、自分が体験したんじゃなかったら他人事なんだ

朝7時半ごろ、いつもの調子でランニングのために家を出て行った主人。私は休みなので8時ごろまで布団の中でぬくぬくゴロゴロし、その後もそもそと起き出す。

そのうち息子ちゃんも起きてきて、朝ごはんを食べ、洗濯物をたたんで、今日は何しようかね、なんて話をする。

せっかくだからハロウィンに買ってそのままリビングに転がしたままになっているパンプキンを彫りましょう!今週はサンクスギビングだからターキーの柄に彫ろう、となり、息子ちゃんからの要望は、お昼ご飯はラーメンが食べたい、だった。そういうことで今日一日何するかが決まったので、一日を始める如く、着替えをし、顔を洗って時計を見るともう11時半。

主人は多分昼頃に帰ってくるだろうから、彼もラーメン欲しいだろうね。何がいいか聞いとくか、と携帯からメッセージを送ろうと思ったら。なんだか長い伝言メッセージが入っている。かかってきた電話番号は見覚えが無いので、なんかのセールスかしら、と思ったけど、とりあえず聞いてみた。

「あ、僕だけどさ。いつものところにランニングに来たら殺害された死体を発見してしまってさ。それで他の人に警察を呼んでくれって声をかけて、どうのこうのしてる間に、自分のランニング用の水筒をピクニックテーブルの上に置いてきてしまったのよ。実は水筒のカバーのポケットに車のカギを入れたままでね。今まさに、その水筒も事故現場の証拠品のように取り扱われちゃって、車のカギが無いから、車の中に置いてきた電話も使えなくって。それでここまでスペアキーを持ってきてくれない?」

という内容のメッセージだった。

こういう非日常が起こると、初めの1回目は、何をゆうてんの?と思い、もう二度メッセージを聞きなおす。なるほど、スペアキーがいるのか。ラーメンどれがいい?どころじゃないわな。それにしてもこのメッセージっていつ着信したんかいな? 8時半。と言うことはもう3時間も前のことか。主人はどうしてるんかしら? とりあえずこのかかってきた電話番号にかけなおしてみよう。 

案の定、繋がらんし。そしてメッセージを残そうにもメールボックス一杯でメッセージ残せねぇ。

多分いつものところに車を止めただろうから、とりあえずそこまで行くか、と、ベッドで寝転がってゲームをしてる息子ちゃんに事の次第を伝え、今から父ちゃん迎えに行くよ、と出る用意をさせる(って靴履くだけやけど)。スペアキーも持って、水筒がないっちゅうんなら水いるかな?と別の水筒に水を入れて持っていくことにする。

では出かけるか!となった時に主人から電話がかかってきた。なんちゅうタイミング。

話を聞けば、その後(この3時間の間に)時間はかかったが、警察も検死官も来て、水筒も返してもらったので車を開けることができて、私に電話してきた、とのこと。スマンね、3時間ほったらかしにしていて。なので私らがスペアキーを持っていく必要もなくなったことだし、主人は主人で、お腹すいたからなんか近所で食べて、今日走る予定だった分の距離を別のところで走ってくる、という。死体を発見した、と言うことと、警察から事情聴取とか受けて、なんだかアドレナリンが出まくっているので、とりあえず走らなければ興奮が収まらない、というような雰囲気だった。

そうなの、それなら私らはこの後はいつもの火曜日と変わらない調子でいくよ。というと、そうしてくれ、午後には家に帰るわ。という。

なので、そこからラーメンを注文し(私と息子ちゃんと下に住む人も食べるというので3人前)、注文を取りに行き、帰ってきてお昼ご飯はラーメン。

その後、予定通り、パンプキンを彫りましょう、とターキーのデザインを検索し、庭でガシガシとパンプキンを彫る。今年買ってきたパンプキンはジャコランタン種ではない、凸凹のはっきりした種で、色もどちらかと言うと灰色がかっている。

けれど肉厚で、中はきれいなオレンジ色。おまけに身(というのか?)が柔らかくて彫りやすかった。種も大きいので来年植えてみようと、いくつか取っておく。とても甘いにおいのするパンプキンだったので、たぶんこういうのを使ってパイにしたりキャセロールにするとおいしいのかもしれない。

これはヘタをくりぬこうとしているところ。

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細かいデザインにしてしまったかな、と思ったけど、柔らかくて彫りやすかったので、ほとんど描いたデザイン通りに彫ることができた。右上にヘタをくりぬいた部分があるんだけど、肉の分厚さが伝わるでしょうか。

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これを彫っているところへ主人が帰ってきた。まぁまぁ、お疲れでしょう。とりあえず座る?と椅子をすすめる。ちょうど下の人たちがネコの散歩から帰ってくる時間だったので、みんなで裏庭で主人の非日常な体験談を聞く。(そうすれば同じ話を何度もしなくて済むから。みんな一斉に話を聞いて終わりにするため)

そして私らがお昼にラーメンを食べたことを知った主人は、今日一日、何が一番残念かって、自分がラーメンを食べ損ねたことらしい。だっていくらスープと麺が別々の容器に入ってくるとはいえ、ラーメンを3時間もほったらかしにするのは冒涜のような気がするので彼の分は買ってこなかったのだ。なんなら明日お昼にラーメンしてもいいよ。

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