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アメリカよ、狂っているぞ、と思う時

先週の話になるけど、ミシガン州の州知事が、外出自粛令を延長するかどうかを州議会で採決するということがありました。外出自粛、必要最低限以外のビジネスは休業、という事態が約6週間続き、いろいろな弊害が出てきたうえに、人々もいい加減この生活に辟易し始めている、というのが正直なところ。カリフォルニアでもビーチを閉鎖するな、とか、もろもろの理由で反対デモが起こっています。

なんでミシガン州に話を振ったかというと、その州議会の行われている日、しかも議会最中というのかその部屋にまで、武装した反対勢力が入ってきた、というニュースを読んで腰を抜かしたから。それも、いわゆる自衛部隊というか、Militia と言われるグループで、その日、州議会に反対デモで集まった大勢の中、100人は武装したMilitiaのメンバーだという。

こういう記事を読むと、いや全く、こんなことがあり得るなんて信じられない、こんなの民主主義とはよべない、とつらつらと持論を並べ立てる主人の話を聞きながら、ホンマにそんなことあり得るんかい?と思っていた私。偏見になるが、テキサスとか南部の州ならまだしも、ミシガン州でそんなことってあり得るの? と。

いろいろニュース記事を読んでみたところ、ミシガン州は銃刀類の所持は免許を持っていれば認められ(これはカリフォルニアなんかもそう)、ただ、公共の場で、目に見える位置に銃刀類を持つことを禁止する条例が無いために反対デモに参加する人でも武装をすることが許され、そして州議会にまで入ってくることができる、という状況が作られるのである。なんつう落とし穴。

100人も武装したMilitiaって。。。 武装、ってマジで映画なんかで見るようなマシンガンに防弾チョッキ(先の添付の写真より)、そんなんが議会の上の普段なら一般市民が傍聴できる席から下の議会を眺めている状況で、どんな平静保って外出自粛の採決できんの? 

その議会に出席した州の議員の中には防弾チョッキを装着した人もいたとか。州議員でいるのってそんな命がけななのか?と思うと、なんと2013年にもミシガン州では似たような事態があったのだとか。反対デモのプラカードなんかを州庁内に持ち込むことは禁止されているが(歴史的に価値のある建物だからひっかき傷などがつかないように、と条例で禁止されている)、マシンガンは禁止されていないのだ。これは憶測だけど、ということは、ミシガン州で州議員になるということは命がけである、ということか? 自分のオフィスのクローゼットに普通に防弾チョッキがかかっている、というのもアリ?

この状況下で自粛を延長するかの採決のための投票が行われる。
「私の頭上にマシンガンを持った男の人たちがいます。」
というツイートとともにその状況の写真を載せた議員もいました。こんな状況で平静を装って投票なんてできる? 武装を禁止する条例が無いから止めようがない、という。そしてマシンガンを突き付けられた状態で、彼らの要望に反する意見の一票を投票するって、命がけとはこういうことを言うのだろうか。しかも、彼等の意見に反する一票というのは、多くの市民の健康を守るための一票である。いま、ここでビジネスにしろ何にしろ、すべてコロナ以前のように解禁してしまうと、きっとウイルスが今まで以上のスピードで広まり、そのせいで医療の現場はまず全く対応できない、という状況に陥ると思う。そしたら不満だらけの今の状況が極楽のように思えるような状況に陥る可能性も大なのだ。確かにその反対もあり得る。ウイルスが思った以上には広まらず、医療機関への負荷も今以上でなく、経済が持ち直しました、という状態。 でも、どちらに転ぶのかはわからないし、確かに軽度で済めばいいが(そしたら州知事は責任を問われて次の選挙で負ける、とかいう具合になるんだけど)、もし今自粛令を解くことが最悪の事態を招いたら、どない対処するねん?と思う。自粛令に反対するデモ参加者の皆さん、あなたはそれでCOVID-19に感染した場合、病院に行かず、医療に頼らず、一人で治癒するか死ぬ覚悟あるんですか?と聞いてみたい。でなきゃデモだけしといてCOVID-19にかかったくれたりした日には、社会の重荷を増やすだけでは、と思う。これはカリフォルニアの反対デモ参加者に対しても思う。

そして、改めて写真をみるまでもなく。。。 他の記事の写真を見ても思ったんだけど。。。 反対デモ参加者白人ばっかりじゃないですか。武装したMilitia のメンバーも、写真で見る限りは白人ばっかりだし、男ばっかりだぞ。

確かに、ミシガンの人口は80%近くが白人である(2019年7月1日国勢省の推定数)。ヒスパニック(ラティーノ)でない白人数(アングロサクソン系でない白人ということ)にしてもほぼ75%と高い。そして外国生まれはほんの6.7% それに比べてカリフォルニアは州全体の白人の割合は72.1%だけど、そのうちラティーノでない白人は36.8%と半分ほど。そして外国生まれは26.9%になる。 

アメリカは移民を多く受け入れ(ここ10年ぐらいで厳しくなったとはいえ)、人種がたくさんいて、とは、海岸部に住んでたらそうだけど、内部に行くほど白人の数が多くなり、そしてどちらかというと単一民族的な思考に走りやすくなるのかしら、と思う。私は社会学者でないからその辺はわからないけど、なんだか、アメリカ内部地の白人至上主義って、ちょっと日本人の日本人至上主義と似てることあるかも、と思ってしまう。圧倒的に一つの人種が人口に占める割合が高くて、極端な考え方が受け入れられる基盤ができている、というあたり。そんな思考をマシンガンを突き付けられて、選択をせまられるって、フィクションのようだけど、現実なのだ。狂ってるよね? 私は狂ってると思う。

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