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死にたくなったらどうする

世界には相変わらず凄惨なニュースが溢れている。ニースのテロは、

これが悲しかった。まちが一番幸せに包まれる花火大会の夜、ここに悪意を持つ人など誰もいないと思っていた。まちのみんなが楽しみにしていて、ちょっとおしゃれをしたり、おまつりのためのとくべつな料理をお店が用意したり、まちの外から遊びに来るひともたくさんいて、こどももおばあちゃんもワクワクしながらお出かけをしていただろうに、なんて悲しいことが起こるのだろうか。犠牲者の方にご冥福をお祈りいたします。その周りの方の苦しみにも。

まあなんかそんな感じでいろいろある世界で、ある日ふと「死にたいな〜」と思ったとしても、自分で死ぬのは結構大変だ。だいたい痛そうなやつは怖くて無理。電車に飛び込むのは痛そうな上に莫大な費用を払わなくてはいけないし、ビルとか崖とか高いところから飛び降りるのも怖すぎて絶対無理。切腹も痛そうすぎるので絶対嫌。包丁で指を切っただけでも死ぬほど痛いのに無理すぎる。首を吊るとかも痛そうすぎて嫌。銃は一瞬なのかもしれないけど日本では買えないし、買えたとしても自分で頭を撃ち抜ける根性があるとは思えない。同じ理由でオーバードーズも難しい。

なんか薬を注射されて、眠るように現世におさらばしたい...そんな夢のような願いを叶えてくれる国が実はあり、それは

オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、米国(ワシントン、オレゴン、モンタナ、バーモント)

だそうだ。

「耐えられない痛み」と、「改善の見込みがない」ことを条件に、

「耐え難い苦痛からの解放や尊厳ある死を迎える」

ことを人権として認めているそうである。だがほとんどの国では自国の人のみにその権利の行使を認めており、なんの縁もゆかりもない外国人がその権利にあずかれる可能性は低い。

そのなかで、外国人にもその権利を開いているのがスイスである。こちらのサイトによると、スイスには自殺幇助による安楽死を支援している団体が6つある。なかでも自殺旅行者に多く利用されている「Dignitas」は国籍・居住地は不問で、年会費は80~500スイスフラン(約9,100~5万7,000円)、実施費は9,000スイスフラン(約103万円)。安い!!!!!!!鉄道に飛び込むと数千万円から数億円の保証金が請求されるのに。ということで、2008年から2012年の四年間に、スイスに安楽死を求めてやってきた人々は、合計31各国から611人。

だがうつ病などの精神疾患は安楽死の対象外となるそうだ。わたしはチーズが好きというくらいでスイスには足を踏み入れたこともなく、うつ病ですらなければ社会生活は普通にやってるし身体は鬼のように健康なのでディグニタスさんに「すいません〜!死にたいんですけど〜〜!!」と訪ねてみても門前払いを食わされること間違いない。

で、スイスがユニークなのは、こうした制度を可能にした法改正だ。

「自殺を個人的な理由で教唆もしくは補助し、結果としてその人物が自殺してしまった場合、5年以下もしくは罰金刑に処す」という法律が出来た。つまり、これにあてはまらない場合は罰されないので、「死にたい」という人が医師のもとに来た場合、「わたしは個人的には勧めませんが、あなたに死にたいという意志がある場合、この薬を飲むと死ぬようです」ということは違法ではない。

「Dignitas」では、まず医師やカウンセラーの判断で、「耐えられない痛み」と、「改善の見込みがない」こと、判断できる自由意志があることを確認し、本人に死ぬ意志があるかを意思確認したうえで、本人が死に至る薬を手に取り、服用する。そして死ぬ。これがまったく、違法ではないのだ。だから人が外国からもやってきて、安らかに死んでいく。そういうことを可能にする法律というものはすごい。

なのだけど、スイスではわりと妥当に人が死んでいて、奇妙な自殺幇助のケースが出てくるのはなぜかベルギーである。ベルギーは日本と並んで自殺率が高い国らしい。そしてこどもの安楽死が認められたという珍しい国だ。ベルギーでは、身体は健康な24歳のエミリーさんが「生きるのに向いてない」という理由で、また生まれつき耳が聞こえなかったベルギーの45歳の双子の兄弟が、「もうすぐ病気で目も見えなくなるんだけど、お互いの姿を見れなくなることが耐えられない」という理由で安楽死を選択している。双子の話は「死なないほうがいいよ」と泣きそうになったけど、生きるのに向いてないからということで24歳の娘さんがすんなり死ねるというのはなかなか清々しい。日本では2chあたりでぐだぐだするしかないのに、死ねる権利というのが、国というのを越えるとあるというのが驚きだ。個人主義とはいったいなんだ。つくづくヨーロッパはハンパない。

ほか、原始的な部族はどうなっているのとかも気になるので、死ぬ権利についていろいろ調べてみようと思います。


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