喧嘩をしたときにこじれるコツ

お正月まっさかりの1月3日、東京駅で待ち合わせて友人とランチをした。駅は帰省ラッシュで激混みなので、近くの商業施設「KITTE」に地下通路を通って行く。ようやくKITTEについて、エスカレーターに乗っていたらちょうど一階に上がったところで、旅行者っぽい外国人の老夫婦が口論をしているのが目に入った。そこで友人は

「旅行に来て喧嘩するってどういうことが原因なんだろうね。『もう歩けない!疲れた!そもそもわたし、旅行になんか来たくなかったのに』って言ってるのかもね」

と言った。わたしは

「わかる。女の人が喧嘩する時って、そういう”今言われても困る”っていう根本的なところから喧嘩を売ってくる傾向があるね。今の話をしているのにそうやって時間軸をずらしてくるから話がこじれて解決できない。きっと次は何年前にも同じことがあったって文句を言うと思う」

と答えた。

あまりにも男女で話を単純化しているし、そうじゃない女性もたくさんいるので申し訳ないのだが、私も完全に同じことをやるので不思議に思うのである。

一回怒りのスイッチが入って脳が怒りモードになると、”怒ったこと”が芋づる式にリスト化されてシュババババと蘇ってくる。その蘇り方たるや映像を再生するように非常にくっきりしたもので、二年前に六本木のカフェの窓際に座ってた時にあんたはこういうことを言ったわね、その時は赤いマフラーをしていたわみたいなレベルで自然と思い出されてしまう。さらに頭に血が登っているので思ったことがついつい口から出てしまう。怒りモードになった時に、怒り属性のポケモンカードが脳内からポンポン出てくるので書いてあるパラメータを読み上げるような感じである。そもそも普段コミュニケーションを取ってくれないという不満がある場合は、その補填として過剰なコミュニケーションをぶつけてしまう。その威力たるや隕石が地球に落ちてくるレベルである。

そういう喧嘩をするときにこじれさせたいと思ったら、「今言っても困る」ということを時間軸を歪めて発言するべきだし、全然関係ない人格攻撃も合わせてするとさらに効果的だ。

でも逆にこじれさせたくないと思ったら、いま起こっている問題の原因が何かをちゃんと考えて、言葉で共有する。問題が非論理的なところにあったら、解決法も非論理的になる。自分が悪くなくても、相手が謝って欲しいと思っている場合には謝らなければならない。“最高の解決法”が思いつかなければ”まあいくらかマシな解決法”でお互いに妥協する。この時にお互いの”感情“に配慮すると物事はすごくスムーズに進む。正しくても感情を害するやり方だとまた話がこじれてくる。

よっぽどトラブルが好きな人じゃなければこじれない方が良いと思うので、なるべくこじれずに人生生きて行きたいものだと思います。


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