聞きたい言葉

何か自分が悔しかったり、悲しかったり、何らかのつらい思いをすることがあった時に、友人に相談することがある。

そんな時にあなたが期待するのは、友人が「あなたが聞きたい言葉」を言ってくれることだ。無意識に、「その言葉」を言われることを期待している。

だが、友人が「聞きたい言葉」をかけてくれなかった場合。あなたはまた別の友人に、同じことを相談するだろう。「聞きたい言葉」を言ってくれることを期待して。それは友人かもしれないし、家族かもしれないし、占い師かもしれない。

それでもその人は、とにかくあなた以外の他人は、あなたが期待する言葉をかけてくれることはない。そんな時にあなたは「期待はずれだった」「こんなはずじゃなかった」と、さらに嫌な思いをしたりする。そして更に多くの人に、同じことを相談したりする。

それはすごく見当違いなことだ。友人はエスパーじゃない。あなたが言ってほしい言葉を言ってくれるためにそこにいるわけじゃない。

あなたがもし、「言ってほしい言葉」があるのならば、それは自分なりに消化して、言葉というかたちにして、自分に投げかけてあげるのが一番いい。

あなたが聞きたい言葉は「悲しかったね」「あなたは悪くない」「あなたのせいじゃない」というものだった。もしそうだったなら、あなたがあなた自身に言ってあげるしかない。そうすると、結構気持ちが楽になる。

他人を当てにしてはならない。カレーが食べたいのにアイスクリーム屋さんに行く人がいたら、それはおかしいと思うだろう。カレーが食べたいなら、カレー屋さんに行かなければカレーを食べることはできない。「木に縁りて魚を求む」ということわざがあるけれど、他人が自分にかけてほしい言葉を待つことは時間の無駄だ。

自分が一番聞きたい言葉は、自分が一番良く知っている。


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