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ピカチュウ

ピカチュウよ、君はたいへんかわいらしい。


あとキティちゃん。「え、あたし?」といっている君だよ、そう、君だ。


君たちは大変可愛らしい。


その可愛らしさとは、「ファミレスのハンバーグがおいしい」というのと同じ可愛らしさだ。


ファミレスのハンバーグはおいしい。

ファミレスのハンバーグのおいしさとは、材料費が安くて味が濃く、再現性が高いもの。

重要なことは、口に入れた瞬間に「おいしい!」と思えることである。だから化学調味料や添加物などのブーストによって、脳に一瞬で旨味が伝わるような電撃的なうまみを作り出す。それは人工的に作られた、インスタントなおいしさだ。

この強烈な旨味があたりまえになってしまうと、繊細な美味しさには興味がなくなってしまうんじゃないかと思う。

キャラクタービジネスでは、その強烈さを使って、プラスチックで不要なものをたくさんつくっている。

なので、なんか、ピカチュウとかキティちゃんを見るたびに、ファミレスのハンバーグとかプラスチックのおもちゃのマーチャンダイズとかが目前に迫ってくるような思いがして、わたしは見るだけでお腹がいっぱいになってしまうのだ。

ファミレスの味で育ったこどもは、天然だしのおいしさがわかるようになるのだろうか?ピカチュウのインスタントで強烈なかわいさがデフォルトで育ったこどもは、繊細な美を理解することができるのだろうか?70年代とか80年代から言われてきていることだと思うんだけど、添加物と学力の相関って実際どうなんでしょうね。

ファミレスのハンバーグがおいしいように、ピカチュウもかわいい。たまにはいいんだと思う。でもなんかそればっかりになってしまうと、なんだか胃がもたれて仕方がないのである。


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