40分泣き続ける女子を見て

先日、イマジン・ドラゴンズというアメリカのロックバンドの来日公演を見ました。

イマジン・ドラゴンズは、日本ではあまり知名度がないですが世界的には超有名なバンドで、いまヒップホップ・R&Bが席巻するUSチャートで唯一ラインクインするとまで言われている超人気バンドであります。トライバルなビートとドラマチックなメロディ、壮大な世界観でかっこいいですよ。世界ツアーでも、アジア全域でソールドアウトという人気ぶり。

そんな大人気のイマジン・ドラゴンズさんですが、本人たちは超真面目できさく。

「そこの席のカップルが、全曲一緒に合唱しててすごくカワイイんだ。この曲は君たちカップルに捧げるね」

なんて話しかけていました。

そして中盤、アリーナ中央に作られたステージでメンバーが演奏するときに、ボーカルのダンさんがまた近くにいたファンに話かけたんです。アジア人(多分日本人)の女子で、おかっぱ頭の女子でした。すると、ファンの女の子が、感極まって泣いてしまったんですね。そんなファンにダンさんは優しく

「泣かないで!一緒にセルフィー撮ろうよ。ほら、電話貸して」

といって、肩を抱いてセルフィーを撮っていました。もう涙が止まらなくなってしまう女子。

いやー、ホッコリするなー。と思っていたんですが、その40分後、ライブが終わって帰る時にその女の子が客席にいて、

まだ泣いていたんです。

あれからもう40分ぐらい経ってるけど?!すごいね?!女の子の肩を友人の女子が抱いてよしよししてましたが、女の子の涙が止まる気配はなく。

雲の上の、憧れのロックスターに突然話かけられて、セルフィー一緒に撮ろうよなんて言ってくれて、うれしい気持ちはわかるけど、40分も涙が止まらないなんてすごい!なんてピュアな愛なんだろうと見かけたわたしももらい泣きしそうになってしまいました。

世界的スターってすごいですよね。言葉もわからない国の人が、自分を好きになってくれるってことを知って、受け入れて、感謝しないとそんな風にファンに接することってできないですね。レコードの売上はただの数字だけど、そういうファンが世界中に何十万人もいるってことに感謝して、向き合い続けないと、あんなに優しくすることはできない。それがスターの役割であり責任なんだから、スターっていうのは誰にでもなれるものじゃないんだなと思いました。人気が一人ひとりの人の気持から出来ていることを忘れて、油断して傲慢になってしまったりすると、ファンの姿も見えなくなってしまいそうだから。

そんな人を好きになれて、ファンの女の子もすごく幸せな気持ちになったんだろうなと思いました。誰かを好きになるっていうことはすごい。わたしもこんなに誰かのことを好きになれるだろうかと考えながら帰路についたのでした。


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