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0054/宮城県仙台市・秋保温泉「佐勘」34代当主・佐藤勘三郎さん編【『聞き書き、町、人、温泉、1000の言葉』旅ジャーナリストのかたあきこ】

秋保温泉は開湯1500年の歴史を重ね、「佐勘」は私で34代を数えます。古くから秋保の「湯守」「山守」「川守」としての役割があり、江戸時代初期には仙台藩主伊達政宗公の湯浴み御殿として知られました。長い歴史を紐解くと、飢饉があり、大地震による温泉の枯渇があり、戦時中の児童疎開や戦後の進駐軍占拠など様々にありました。代々、湯守として歩んできた私たちに出来ることは、「温まりの湯で、心の原点に触れるおもてなしをすること」。

そういうことを今一度、考える時間を与えられたのが、東日本大震災でした。あの時、仙台市内もライフラインが閉ざされましたが、当館では温泉浴場の再開をとにかく急いで、地域や災害支援のみなさまに温泉を開放しました。その時、教えられたことが多かった。「温泉を大切に守り、心の原点に触れるおもてなしをする」ということを忘れずに頑張っています。

(宮城県仙台市秋保温泉 伝承千年の宿「佐勘」34代当主・佐藤勘三郎さん)

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