見出し画像

0055/長野県軽井沢町 星野リゾート 代表・星野佳路さん編【『聞き書き、町、人、温泉、1000の言葉』旅ジャーナリストのかたあきこ】

森を森として残して採算があうようにしないと、どんどん不必要な開発が行われます。もともとあるものを使って、いかに魅力を引き出せるか。これはリゾートを成功させる鍵。約1000ヘクタールに及ぶ「軽井沢野鳥の森」では、年間80種類もの野鳥が見られます。世界的な野鳥の宝庫ということで、1974年に日本で初めて国設の「野鳥の森」に指定されました。私は社長就任翌年の1992年に、野生動植物の調査研究や保全活動、エコツアーなどを行う「ピッキオ」の前身となる「野鳥研究室」を設立しました。日本野鳥の会の創設者である中西悟堂先生や祖父らが大切にした「野鳥の森」が宿(星野温泉)の真横に存在していて、ほかにはない歴史と個性を持ち、それを活かすことが地域魅力につながると考えたからです。卓越した才能を持つ野鳥研究室のガイドによる分かりやすくて楽しいネイチャーウォッチングは人気を集め、それが「ピッキオ」となって様々なプログラムとともに発展していきます。自然についてもっと知りたいというリピーターが増えていったのです。

(長野県軽井沢町/星野リゾート 代表・星野佳路さん)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?