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アカデミー試合観戦のすゝめ

この記事はコンサドーレアドベントカレンダー2022に参加しています。クリスマスまでの毎日、いろんな方がいろんな視点から綴るコンサドーレに関する記事が発表されてとても楽しいので、ぜひ他の記事もご覧になってお楽しみください。

  私がコンサドーレのアカデミーチームの試合を好んで観ていることはご存じの方も多いと思います。でも「物好きだなあ」と、自分とは無縁な世界のことと思ってらっしゃる方がもしかしてほとんどじゃないでしょうか。
 ですのでこの記事は「アカデミーの試合観戦って楽しいんですよ」というのを大いに強調して、気づいたら沼にハマってた・・という方が1人でも増えますように。という、野心溢れる内容になっております(笑)。
 なお、私の場合、アカデミーといっても観ているのはコンサドーレのU-18と、札幌U-15が少しという感じで、旭川や釧路や室蘭のチームはフォローできていないし、U-12も特別なことがない限り観ていないので、ここから述べることは主としてU-18のことでそこにほんのりと札幌U-15が混じる感じとご理解ください。また、U-18と札幌U-15をまとめて便宜上「ユース」と表現することもあるので、不正確ですがご了解ください。

 この界隈で使われる「ユースやくざ」という言葉をお聞きになったことがある方もいらっしゃると思います。一般人(カタギ)があまり足を運ばない育成年代の試合を好んで見る人たち、ともすると一般人に人気の試合にはそんなに行かない人たちを指す言葉で、自分たちはニッチだという自覚から自虐的に呼び始めた言い方と認識しています。深い人だと自分の応援するチームのアカデミーチームのみならず、へだたりなく育成年代の試合全般を見て歩く方や、それが高じてライターとして活躍している方もいますが、私が追うのはコンサドーレの試合に限られるので、「ユースやくざ」ではないと思っています。ユースやくざの方たちがコンサドーレアカデミーの試合を見ていろいろ評してくれるのを見聞きするのは楽しいです。

◆ユースの試合の魅力・観戦の楽しさはどういうところ?

・選手の成長を濃縮して見ることができる
 若い選手は調子の波が大きいというのは、よく言われていることと思います。そのときの状況に合わせて自分の力を安定的に発揮するにはある程度の経験が必要なんでしょうね。
 (もっとも、昨今のコンサドーレは大人であっても出たとこ勝負の風味がありますけど。サッカーライターの河治さんに「その日になってみないとわからない」と言われるほどに。)

 高校生年代、中学生年代の若い選手は、その傾向が顕著です。選手個人も、チームも、うまくいって調子に乗ってくるとどんどん凄いプレーを見せてくれるようになるし、歯車が噛み合わなくなるとあれれ?どうしたの?と思うようなことになる場合もあります。その日によって輝きが全く違ったりもするのですが、さすが目下成長中の年代だなあと感心するのは、一試合の中ででもぐんぐん変わっていく姿を目の当たりにできることです。試合が始まったときにはちょっと戸惑ったり臆したり振り回されたりしている感じに見えていたのに、やっていくうちに慣れて自信が出てきたのか堂々としたプレーぶりになって、感心することがあります。キラッキラなプレーがたくさん見れて、わ!この子、いいねえ!と目が惹かれるような。(そう思うと次の試合ではあんまりだったりするのもご愛敬)
 前半より後半、先週より今週と波がありながらもぐんぐん上手く強くなっていく様子が目に見えて、春先と秋頃ではすっかり頼もしさが違う選手になっていたりするのですから、目が離せなくなるし、継続して見続けたくなります。トップチームでも「○○選手、すっかり頼もしくなったよねえ。そろそろリーグ戦スタメンいけるんじゃない?」と思ったりする成長を見守る楽しみがあるかと思いますが、その数か月分の変化をユース年代だと数日とか数週間で感じることも珍しくありません。せっかちな方にもお勧めです(笑)。
 育成年代の選手たちはそんな風に波が大きいので、通常状態として強いチーム、そうでもないチームという力の差はあるのでしょうが、特にU-15年代の試合なんて、どんな強い相手でも文字通り「やってみるまでわからない」です。下馬評の高いチームを予想外に蹂躙してキラキラ溌剌なプレー満載の試合など観た日には、選手の個性が目に焼きついて、輝きにウハウハで、まさに麻薬ですわ。
 
・プレーを間近で見ることができる
 これはいいことばかりではないかもしれませんが、ユースの試合が行われる大抵の試合会場は、スタンドのないただのグラウンドや、小さなサッカー場です。残念ながらグラウンドを囲むネット越しで観ることになる会場もあるけれど、ピッチの脇に小さなスタンドがあるサッカー場とかグラウンドの中に入ってピッチ脇に座り込んで見ることができる会場だと、観客もピッチレベルでかぶりつきで見ることができます。選手のプレーが間近で観れると、近いサイドにいる選手の足技がよく見えてそのテクニックに感心したり、目の前で起きるフェイントやターンに悶絶したり、ボールを蹴る迫力を満喫することができます。単なるパスやクリアだと思うボールでも、え?いま、ギュイーンって曲がりながら、あそこにいた相手を避けてあっちの味方に届くように飛んでいったよね?など、意図を持って技を効かせていることが感じられたりします。これはスタジアムで観ているときには素人には分かりにくいことで、間近でプレーを観る醍醐味だと思います。

・選手のキャラが垣間見れる
選手の様子を近くで見ていると、 試合中のリアクションで、面倒見がいいなとか、負けず嫌いだなとか、苦しいときにみんなを元気づける声かけができるんだなとか、自分のプレーを見た観客の感嘆のどよめきを聞いて明らかに張り切ってノリノリになってる!とか(笑)、その子のキャラクターが窺い知れて楽しいです。 試合中に選手同士が声をかける呼び方で選手の名前を覚えたり、選手同士の関係性を想像したりできます。
  公式戦ではなくチームが集まって練習試合を重ねるようなフェスティバル(親善大会)だと、試合の合間に選手たちが近くでよそのチームの試合を見ていたりして、お弁当を食べながら聞こえてきてしまった雑談にニヤニヤしたり、こういう感じの子なんだなと認識したりするのも楽しいです。隠しきれないチームグッズで自分たちのチームのサポだとわかるのか、すれ違うときに見知らぬ大人にも積極的に「おはようございまーす!」と声をかけてくれる人懐っこい子や、逆に、顔を伏せて気づかない風を装って素通りするシャイな子など様々で、それぞれの個性を感じるのも楽しいし、どんなタイプも可愛いなあと思ってしまいます。普段シャイな子がピッチでは目を見張る大胆なプレーをしてたりして、そのギャップもおもしろかったりします。

・節目などで何度も楽しめる。楽しみに奥行きが増す。
 例えば中学生の菅ちゃんが帯広での全国大会で上の学年の選手に混じってプレーして、すんごいシュートを決めたところを見ていた人とか、試合日の朝に「食べ過ぎて腹いてえ」とツイートしているのを見て吹き出し、あらら大丈夫?と心配したりしていた人とか 、ユニの袖を肩口までまくり上げて土のグラウンドでピッチじゅう走り回り奮闘していた姿を見ていた人は、菅ちゃんがプロ選手になったり、A代表に選出されてゴールを決めたり、J1で150試合に出場したり、パパになったなど、ことあるごとに「あのめんこかった菅ちゃんがねえ😁」と思い出してしみじみ反芻することができます。(タイトル画像は2012年10月13日高円宮杯U-15北海道予選準々決勝・札幌U-15vsアンフィニ@雁来公園東の後半開始時の円陣です。菅ちゃんは中2。中3の朋樹もいます)
 例えば修平がコンサU-18で出場した最後の試合になった2010年のJユースカップ決勝トーナメント2回戦ヴィッセル神戸U-18戦を会場で見ていて、泣き暮れる修平を「岡山でがんばれよ~!」と涙ながらに見送った人は、その後12年の時を経てコンサドーレの選手になった修平を迎えた感慨はひとしおでしょう。

2010/12/11(土) 13:00 @ホームズスタジアム神戸
  Jユースカップ2010 決勝トーナメント2回戦
  コンサU-18 0-2(0-0、0-2) ヴィッセル神戸U-18 (45分×2)

 コンサドーレを見続けていくと思い出深い出来事の記憶が積み重なって味わい深く発酵していくものですが、ユースのことも加わるとさらにそれに深みが増すような気がします(ちょっと大げさ)。

・関心の範囲が広がる
   ユースの試合を続けて見ているとユースの選手のことも次第に覚えていきます。何かのきっかけでプレーや言動などが特に気になるお気に入りの選手ができることもあるでしょう。そんな選手がJリーガーになって活躍して、たまに昔のことを振り返ってにやにやするのも楽しいですが、ユースの選手がみんなトップに昇格するわけではありません。というか、トップに上がる選手はほんの一握りです。この子のプレー好きだなあと思っていた選手がユースを卒業し、大学に進学したり、社会人チームでプレーしたりすると、プレーしているところをまた見たい、見に行ってみようかなと思うじゃないですか。するとこれまで全く視界になかった大学リーグの試合や、社会人チームの試合にも関心が向くことになります。世界が広がります。つまり楽しみが増えます。元気にプレーしているところを見ながら、大人っぽくなったなあとかこういうところは昔と変わらないなあと思って応援するのは楽しいものです。悩みといえば、見に行きたい試合がトップチームやユースの試合日程と重なって、分身の術を使えれば・・と苦悶することがままあることです。
 ユースの選手が年代別代表に選出されると、おのずと選出先での様子も気になります。「うちの子」が出場する代表の国際試合が放送されるなら、有料チャンネルを一時的に契約してでも試合をガン見します。すると、うちの子と同じチームで戦っているチームメイトのことも徐々に覚えますよね。いまW杯を戦っている日本代表の堂安律選手や田中碧選手は、シャイな菅ちゃんと仲良くしてくれて遠征バスの中でも親しげに一緒に過ごしているようだった川崎の碧くん(菅ちゃんと同じ誕生日)とか、素敵な連携を見せていたガンバの堂安律くん!です。対戦相手として印象的だった選手もそうですね。ドリブルが印象的だった新潟U-15の本間至恩くんとか、ガンバユースのストライカーの内田裕斗くんとか。中高生の頃から見ていた選手は、「うちの子」ほどじゃないものの、親戚の子くらいの親しみを感じます。これもなかなか良いものです。大人になって所属チームが変わっていっても、いつまでもついユース時代の所属チームで呼んでしまうのは(例:「ガンバのうっちー」)困りものですけど。

・多彩な大会方式やチームの新陳代謝などいろんな経験を積める
 育成年代の大会は、大会ごとに試合方式やレギュレーションがいろいろです。全国大会でも大会名が同じでも年によって要領が変わっていたりします。ですので、公式戦を見るときには、まずその大会のレギュレーションを確認することが必要になります。そうでないとどうすれば勝ち上がれるのか正しく理解できませんから。大会がリーグ戦だったりノックアウト方式(トーナメント)だったり、あるいは数グループに分かれてリーグ戦を行った後、上位チームがノックアウトラウンドに進出する方式だったりする大会方式の全体像に加え、試合時間は(何分ハーフなのか)、ベンチ入りできる人数は、交代可能な人数は、同点で終わった場合引き分けなのか、延長戦をやるのか(その場合何分か)、PK戦はあるのか、勝敗結果によって与えられる勝点は(勝利が勝点3、負けると勝点0はたいてい同じですが、同点だとPK戦をやってPK勝ちに勝点2、PK負けに勝点1が与えられるような場合もあります)、順位を決める方法は(勝点、得失点差、総得点、当該チームとの対戦結果、抽選など、どんな要素で比べるのか、優先される要素はどれか)、イエローカードの累積で出場停止になるのは何枚か、決勝トーナメントに進んだ時など大会途中で累積がクリアされることはあるのか、こうして挙げていくと押さえておくべきポイントは枚挙にいとまがありませんね。
そんなふうに千差万別の大会を見ていると、Jリーグのリーグ戦と天皇杯を見ているだけの場合と比べて、大会レギュレーションに合わせた戦い方の経験値を高められます。例えば、Jヴィレッジで開催されていた頃の昔のクラブユース選手権(U-18)は、全国から24チームが参加して、まず6グループに分かれて4チーム総当たりの予選リーグを戦い、各グループの1位と、2位のうち上位2チームの計8チームが決勝トーナメントに進む方式でした。しかも、出場するチームの中に力の差が大きいクラブもある(大差で勝敗が決する)ことを考慮してか、グループ内の順位は勝点、得失点差、総得点・・・で比べて決めるけど、他のグループとの間で順位を決める(グループ2位同士の上位2チームを決める)際にはグループ最下位のチームとの対戦結果をカウントしない、などの複雑なルールの時期もありました。グループごとに全試合同時開始で行われるグループリーグ最終日など、試合経過を見守るサポはこのままだと決勝トーナメントに進めるか否か、試合が動くたびに勝点を計算し直すなど状況を把握しようと阿鼻叫喚です。この時の経験で私は、2強2弱で最終日に勝点6のチーム同士が対戦するグループがどんなに強いか痛感しました。最終日に勝って勝点9になればもろちんそのグループを首位で抜けられますが、負けて2位になった場合には他グループの2位との比較になります。勝点6のチーム同士で比べた場合、得失点差を大いに稼いでいるチームが他にあれば、2位のうち上位2位に入れないおそれもあります。けれど勝点7の2位ならば、他に勝点7を稼げる2位がいるグループはそうありませんから、2位になっても上位2位以内に入れることはほぼ確実です(しかも前日までの結果で、2位が勝点7になる可能性のあるグループがいくつあるか、把握して臨めます。)。なので、勝点6同士の対戦は、「勝てなくても大丈夫だけど負けるのは絶対ダメ」なチーム同士の『慎重な戦いぶり』になるのは当然のことです。特に試合終盤になると。そんな試合状況を、3強1弱の三つ巴の戦いをしている他のグループのチームなどがじりじりとしながら見つめるのもよくあること。
なので私にとっては、語り草になっているトップの2016年J2最終節の金沢戦で、『勝点1をとれば他の試合結果に関係なくJ2優勝が決まるけど、負けると最悪3位になりJ1との入替戦に回る可能性がある、勝っても引分けでも結果は変わらない(いずれにしても優勝)』という状況にあるコンサドーレが、試合終盤に「負けたらダメだけど引分けでOK」な状況になった金沢と、ああいう試合展開になるのは当たり前というか、そうすべきでしょ、なぜ文句言う人がいるの?という気持ちでした。今思うと、クラブユースでの勝点計算の経験が生きていたと思うし、ユースの試合観戦の経験がトップの試合観戦時の楽しみを増やしてくれたのだと思います。
他にも、試合が連日ある大会での選手起用のあり方とか、3年間で強制的に選手が入れ替わるチームにおける若手選手の起用方法とか、サッカーチームを運営していくエッセンスが詰まっているような気もします。
このように、アカデミーの試合を見ることは、トップチームの試合だけでは得られない楽しみがたくさんあって、いいこと満載のおすすめです!

◆プロの試合と比べるとレベルが低くてつまらないのでは?

 確かに中学生や高校生の選手たちは、プロ選手と比べるとプレーの強度やスピードなどで劣る部分はあるでしょう。でも対戦相手も同年代のせいか、私はこれまでアカデミーの試合を見ていてプロの試合と比べてつまんないと思ったことは一度もありません。選手たちが一生懸命プレーしている姿はそれだけで魅力的だし、1対1の攻防の際に選手がどういう意図で何をしようとしたのかとか、どんな技で対応したのかなどがわかりやすい分、素人的には感心することが多くて楽しいです。そもそもJチームのサポならば「Jなんて欧州の4大リーグに比べるとレベル低くてつまんない」という言説がいかに的外れかよくご存じのことでしょう。そこはご心配無用!と自信をもって断言できます。

◆ユースの試合って見に行きにくいでしょう? 

 これについては、残念ながら「そのとおりです・・。」と答えざるを得ません。試合会場は公共交通機関で行きやすい場所とは限らないし、むしろ行きにくいところも多いです。試合開始時刻も、観客の都合よりチームの都合や会場の都合が優先されるため(あたりまえ)、朝早かったり夜だったりいろいろですし、練習試合などではいきなり開始時刻が変わったりすることも稀ではありません(開始が遅れるのは待てばいいけど、開始が早まってて着いたらすでに始まってた!という時は悲しい・・)。
 なので最初は、お近くなど行きやすい場所で都合がつく機会があれば行ってみようかな、程度で全然けっこうでございます。魅力に取りつかれて一度ハマればどこへでも出かけるようになりますから・・。
 会場へのアクセスはよくないことが多い反面、ほとんどの試合は無料で観戦できます。稀に有料の試合もありますが、せいぜい1000円程度だと思います。学生さんなど、サッカーを見るのに時間と体力はたっぷりあるけど金銭面はできるだけ節約したいという方にはうってつけだと思います。ユース観戦にどっぷりはまっているおじさんおばさんたちは、若い人が(若くなくても)初めてユースの試合を見に来たなんて知ったら同好の士が増えるとばかりに狂喜乱舞して、「どうやって来たの?帰りの足はある?車で駅まで送ろうか?」「一緒にタクシーに乗っていく?」とか「祝勝会をやろう!学生さんはもちろん全部奢るから!」(コロナ前のことですが)などあれこれ世話をやくかもしれませんが、うるさかったら放っておいて大丈夫です。

◆アカデミー試合観戦のマナー

というようにアカデミーの試合観戦の楽しさをお伝えしてきましたが、アカデミーの試合を見るときには配慮していただきたい事項もございます。

・選手は自分のためにプレーしている
あたりまえのことですが、アカデミーチームの選手はプロではありません。サポーターのためにではなく、自分の夢をかなえるため、サッカーがうまくなるため、好きなサッカーを楽しむためなど、あくまでも自分のためにプレーしているのです。私たちはそのおこぼれを見せてもらうだけです。なので選手たちのじゃまになることはしてはいけない。これはいつも肝に銘じていなくてはならないことです。

・うちの子だけでなく相手チームの選手もサッカー界の大事な宝
Jリーグの試合ですと、対戦相手の選手は「敵」に見えることがあるかもしれません。でも、特に道内の試合では、対戦相手も北海道の大切なサッカー少年少女たちで、すくすく育ってくれることを願うばかりですから、対戦相手を見る目も「めんこいねえ・・」が基本になります。この中からコンサユースに来てくれる子は誰かな?という目線にもなります。これは全国大会でも同じことです。今対戦している相手がいつコンサドーレの選手になってくれかもわかりませんから。
最近の修平と駒井選手のTwitterでのやりとりをご覧になりました?

このやりとりを見た私は、おおおお?と思って自分の観戦記を見直してみたら、確かに駒ちんにゴール決められてますね~。上原拓郎や工藤光輝が高3(同学年の古田寛幸はトップでベンチ入りのため不在)、修平や三上陽輔は高2、拓馬や奈良くんが高1の年です。駒井は修平と同学年ですから当時高2ですね。試合見ててもうちの子のプレーしか目に入らながちの私ですがゴール決められる前から「京都は8番と33番がすばしっこく動いていてやっかいです。」と書いてました。33番が駒井です。きっと印象的だったのね。10年の時を経てその子を「駒ちん」と親しげに呼ぶようになるとは想像もしてませんでしたけど。
写真も探してみたのですが、雨だったせいかあまり撮っておらず、駒ちんは後ろ姿のしかありませんでした(偶然だけど観戦記にも33番の後ろ姿がありましたわ)。
試合後の挨拶のシーンでかろうじて横顔が見えるのがありました。

写真真ん中あたりで奈良くんと握手している京都の33番が駒井

野次や指示、ブーイングはNGで
これは個人の考え方次第ではありますが、ユースの試合を好んで見る同好の士の間では、ユースの試合ではブーイングはしないというのが共通認識になっています。全国大会の決勝戦など注目される試合では、応援するチームの勝利を願うあまり、相手選手にプレッシャーをかけようとブーイングをしたり、相手のミスに喜んで煽ったりしたい衝動に駆られるかもしれません。
でも選手たちは優勝してサポーターに喜んでもらうためではなく(そういう気持ちもあることは否定しませんが)、自分のためにサッカーをしているのです。育成年代の試合は、本気で勝利を目指して戦う過程で選手たちが成長するところに最大の目的があり、優勝して嬉しいサポの気持ちやクラブの栄誉は副次的なものに過ぎないと思っています。相手へのプレッシャーも心理的作戦も、必要なら選手や監督がプレーの中でやるでしょう。サポはただ、選手の活躍とチームの勝利を祈って、選手を励ますだけでいいのだと私は思っています。
ブーイングだけでなく、選手に対する指示や選手・審判・スタッフ等に対する野次もご法度です。観客からも指示の声については、特に小学生など小さな子供の大会で、主催者やサッカー協会の啓蒙のポスターが貼られていたりしますね。特に親御さん向けだと思うけど、子供たちの試合で、パスを出せとかどこにスペースがあるとか、運べとか戻すなとか、サッカーを見ていてつい思うことを言わないようにと念を押されます。そういうのは子供たちが自分で考えたり指導者がいうべきことで、子供たちは親の声に従ってプレーするロボットではないのだからと。
これは中学生や高校生の試合でも同じことで、少なくとも観客が選手に向かって言うことではないと思います。野次で選手を委縮させることも、敵味方を問わず迷惑行為になると思います。審判についても同様ですね。育成年代の試合は審判養成の場でもあります。プロの審判と比べると、見落としや見間違い、判断間違いがあるかもしれません。ピッチ脇などすぐ近くで見ていると、目の前で起きた間違いは明らかで、つい「おいおいおい・・」と言いたくなるかもしれません。でも「それがサッカー」です。広くサッカー界のことを考えれば、成長途上の審判に対し観客が抗議したり怒鳴ったりしてを委縮させることにメリットはありませんからね。必要な指導はその役割の人に任せましょう。

でも、大人に近いU-18の一世一代の晴れ舞台のような大きな試合では別かもしれません。
高円宮杯U-18が集中開催のグループリーグ+決勝トーナメントの大会だった頃、グループリーグの試合会場に札幌があった年がありました(その形式の大会の最後の年になった2010年)。厚別で行われるU-18の全国大会の試合に、USの方が応援幕とたすきをもって駆けつけてくれて、スタンドを華やかに飾り付け、トップさながらの応援の雰囲気を作ってくれました。2011年にプレミアイーストで優勝して埼玉スタジアムでチャンピオンシップ(今の名前はプレミアリーグファイナル)を戦ったときや、長居で行われた2012年のJユースカップの準決勝や決勝戦でも、コールリーダーを初めとするUSの人たちが来てくれて、応援幕を張り、スネアを叩き、トップの試合のような応援を繰り広げてくれました。そういう試合では選手たちとっても嬉しそうでしたもの。

歓声や励ましがビビッドに届く
あれこれ小うるさいことを書きましたが、ユースの試合環境は観客と選手の距離が近く、百戦錬磨の大人の選手と比べると感受性も強いので、観客が選手のプレーに感嘆する声や、励ましの声はビビッドに選手に届きます。声じゃなくても拍手やどよめきなどの雰囲気も。がんばってやってうまくいったプレーに喝采を受けると、嬉しそうに自信を深め、さらに挑戦しようと勇気をもってプレーしている様子が手に取るように伝わってきたり、ミスしてしょんぼりしてても「ナイストライ!」などの励ましの言葉に顔をあげ、また前を向く様子が見て取れたりします。よいプレーや好きなプレーに拍手を贈ることで選手たちがノリノリになってさらにキラキラプレーを見せてくれるなんて、なんと素晴らしい好循環でしょう。楽しいですよ。


なるほど。魅力はわかった。今度機会があったら見に行ってみようかなと思ったあなたへ。

◆これから見に行けるアカデミーの試合は?

残念ながら道内では今季の公式戦はもうありません。雪が積もると試合ができなくなる北海道では、毎年10月半ば頃にはすべての公式戦日程が終了するよう日程が組まれているようです。毎年のおおまかな大会日程を別のエントリーでご紹介しますので、北海道の方は来年を楽しみにしていてくださいね。

☆高円宮杯U-15

どんな大会?
日本サッカー協会が主催するU-15年代の全国大会です。全国9つの地域(北海道・東北・関東・北信越・東海・関西・中国・四国・九州)から選出されたチームが出場します。出場チーム数や大会方式はトーナメントだったり、グループリーグをやってから決勝トーナメントを行ったり、時代によっていろいろですが、近年は全国から32チームが出場し、トーナメント方式で戦う大会になっています。
コンサドーレは過去に4回この大会で決勝戦まで進んでいます。最初は大伍たちが中3だった2002年(vs鹿島アントラーズジュニアユース)、その翌年の2003年(vsヴェルディジュニアユース)、一希たちが中3だった2009年(vsヴィッセル神戸ジュニアユース)、今の大学3年生が中3だった2016年(vs清水エスパルスジュニアユース)です。残念ながらいずれも準優勝でした。

2009年12月29日 高円宮杯U-15決勝戦 ヴィッセル神戸Jrユース戦@国立競技場

出場チーム
出場チームを決める方法は地域によっていろいろで、普段のリーグ戦とは別に高円宮杯出場チームを決めるための予選大会を開催する地域もあるようですが(北海道でもかつて小規模な予選は行われていた)、今の北海道はU-15年代の全道リーグであるカブスリーグ1部の成績1位チームと2位チームが出場権を得る方式です。その結果、今年はカブスリーグで優勝した北海道コンサドーレ札幌U-15と2位の北海道コンサドーレ旭川U-15の2チームが出場します。

大会日程・会場
下記以外の詳しいことはJFAサイトの大会ページをご覧ください。→こちら 
試合時間は前後半40分、1回戦から準決勝までは同点の場合延長戦なしでPK戦、決勝戦は前後半10分の延長戦をやってなお同点ならPK戦です。
ベンチ入りは18名まで。交代選手は5名まで。
札幌U-15の試合日程
1回戦 2022/12/10(土) 11:00 vs ファジアーノ岡山U-15
    J-GREEN堺 天然芝フィールド(S3)
2回戦 2022/12/11(日) 11:00 vs(徳島ヴォルティスジュニアユースvsサガン鳥栖U-15唐津)の勝者
    J-GREEN堺 天然芝フィールド(S2)
準々決勝 2022/12/18(日) 13:30
   前橋総合運動公園 群馬電工陸上競技・サッカー場
準決勝 2022/12/25(日) 11]00
   味の素フィールド西が丘
決勝  2022/12/27(火) 14:20
   味の素フィールド西が丘
旭川U-15の試合日程
1回戦 2022/12/10(土) 13:30 vs 横浜F・マリノスジュニアユース追浜
    山口県維新百年記念公園ラグビー・サッカー場
2回戦 2022/12/11(日) 13:30 vs(サンフレッチェ広島F.CジュニアユーススvsAC長野パルセイロU-15)の勝者
    維新みらいふスタジアム
準々決勝 2022/12/18(日) 11:00
   前橋総合運動公園 群馬電工陸上競技・サッカー場
準決勝 2022/12/25(日) 11:00 ←ここで旭川札幌直接対決!
   味の素フィールド西が丘   
決勝  2022/12/27(火) 14:20
   味の素フィールド西が丘

1、2回戦は関西、山口県のサポのみなさま、準決勝以上に勝ち上がれば関東サポのみなさま。ぜひ会場に足を運んで選手たちの勇姿を目に焼き付け、拍手を送ってくださいませ。準決勝・決勝についてはライブ配信や録画放送もあるようです。
会場へのアクセスは大会サイトに案内があります。→こちら
なお会場ごとに観戦・応援ルールに関しては大会サイトのこちらのページをご覧ください。

ちょっと興味あるけど選手の名前もわからないしなあ・・という方へ。会場では選手名簿も載った大会プログラムが販売されるはずです。たぶん1部1000円です。観戦のお供や記念にお求めになると後年見直していろんな新発見をする楽しみもありますが、大会サイトのチーム紹介ページにも、背番号・ポジション・氏名・前所属チームが載った選手名簿がありますので、そちらをご覧になるのもよろしいかと。
チーム紹介ページ→ 札幌U-15旭川U-15
ただ、このページには学年や名前のよみ方がないので、さらに準備を整えるならばコンサドーレ公式サイトのアカデミーのページで確認しておけばばっちりと思います。
コンサ公式サイト→ 札幌U-15旭川U-15
こちらは名前にふりがながあるし生年月日もあるし、掲載が学年別なので、学年とふりがなを確認するには便利です。ただ、背番号はないんですよね。一長一短!!

☆GO FOR WORLD CUP in さいたま

コンサU-18の今年の公式戦はもうすべて終わりましたが、風の噂によれば今年は年末の親善大会に参加するようです。
毎年12/25~12/28にかけて、埼玉県内でGO FOR WORLD CUPという高校生年代の親善大会が開催されています。当初はGO FOR 2014 CUPと題して次の次くらいのワールドカップに出場する選手を育成するというコンセプトの大会でしたが、回を重ねてGO FOR 2018 CUPに名前を変えて、そのうちGO FOR WORLD CUPに大会名が固定されました。拓馬たちが高2の年に優勝したのが第3回か第4回だったから、始まってからもう15年くらいになるのかなあと思ったら、去年立派な大会サイトがあったのですね。→こちら 今年が第16回になるのですね。コンサドーレはしばらくこの大会に参加していなかったので、最近の様子を把握していませんでした。去年は現地観戦できるのはチーム関係者と保護者のみだったようですが、今年はどうなるでしょう。どうか一般サポも観戦できますように・・(祈)。
この大会の出場資格は高校2年生までの選手。3年生が引退して、この大会が1,2年生の新チームスタートになるところが多いと思います。コンサU-18も同様ですが、コンサの場合はこの遠征が終わるとしばらくオフになって、新チームの本格起動は冬休み明けの活動再開時になるのが雪のある地方のチームの宿命ですね。
試合日程は直前に発表されることが多いのでユース好きサポは情報収集に躍起になるのですが、大会サイトが用意されているなら大丈夫かな。コンサドーレは移動の関係で、例年初日の12/25は夕方以降のみ、最終日の12/28は午前のみのスケジュールになっています。1日目~3日目がグループに分かれてリーグ戦を行い、その成績によって最終日の試合日程が変わります。グループ2位以内に入って準決勝に進めれば、準決勝の時刻と会場で固定だからいいのですが、それ以外の順位戦は「3日目終了後に監督会議で組み合わせを決める」だったので、なんとか4日目の会場と時刻を教えてもらおうと必死でした。懐かしいなあ。去年は全部「会場非公開」でしたから、そんなドタバタも現地観戦が可能ならではの幸せだったのですね。とりあえず観戦が許されることを祈りつつ、日程を空けて(休暇取得済み!)大会サイトが更新されるのを待つことにします。

2010年のGofor2014CUPで優勝したときの記念撮影


表彰式を終えてこっちに来てくれる
貴之が優勝カップを持っているの見えます?
大会MVPの拓馬は表彰後にひとりで

過去の(観客が観戦できた時代の)GO FOR WORLD CUPでは、手作り感溢れる大会プログラムを配布してくれましたが、会場によっては置いてないこともあるかもしれません。
コンサ公式のアカデミーのページに、U-18については背番号つきで選手一覧がありますので、試合を見ていて選手の名前を知りたくなったらそちらをご確認ください。

(余談)
  高円宮杯U-15とGO FOR WORLD CUPの日程を見比べてお気づきの方もいらっしゃるでしょうが、高円宮杯U-15で勝ち上がっていくと両方の日程が重なります。25日は西が丘で高円宮杯の準決勝を見届けた後に埼玉のGOFORの会場に走るハシゴ観戦?わあ、忙しい。
そんな嬉しい忙しい年がありました。
2009年は札幌U-15が決勝戦まで勝ち上がったため、サポは、U-18のGOFORと両方見たいと嬉しい悲鳴です。どうしても重なる時間はやっぱり公式戦優先で高円宮杯だよねー。などと苦渋の選択も。
この年の思い出は、平日のGOFORの試合を見ていたら、観客が少なかったせいか、会場で話しかけてくださった方がいて。「前貴之と寛之の父です。」とおっしゃるじゃありませんか。高1の貴之はGOFORに、中2の寛之は高円宮杯に出場していましたから、見にいらしていたのですね。
その時の私は「『貴之と寛之の父』ということは、やっぱり前貴之と前寛之は兄弟だったかーー!」と心の中で叫んでいましたね。だってかねてからユース好きサポの間では「前貴之と寛之は兄弟だろうか。前という名字は珍しいし、顔も似てるし、名前も似てるしねえ。でも親戚という可能性もあるよねえ。」と話題になっていたのです。その疑問が氷解した瞬間でした。あれは嬉しかった(笑)。ちなみにそのときに貴之は、お父さんが見ている前で、レッドカードを受けて退場になってしまいました。貴之の幼い頃からのサッカー人生で初めてのレッドカードだったそうです。

道内の方向けに、来季のアカデミーの試合予定もご紹介しようと考えていましたが長くなりましたので一旦ここで終わります。来季の試合についてはいずれ別のエントリーで書きますね。
長々とおつきあいくださいまして、ありがとうございました。