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自分ならこう伝える:心情伝達

たまたま目にした心情等伝達制度のニュース
遺族の方の激しい表現に心が痛んだ


2023年12月に始まったばかりの「心情等伝達制度」。

犯罪被害者や遺族の心情を刑務所などの職員が聴き取り、
加害者に伝えるもの。


事件で娘失った父親 「心情等伝達制度」を利用 加害者と20年越しに向き合う | NHK | WEB特集 | 事件


犯人に対する遺族の憎しみは
到底想像できるものではないが
相手からの謝罪の言葉がないという苦しみは
十分に伝わってきた

少し調べると
犯人側の家は
本人の家庭内暴力などで
既にかなりこじれていた状態で

事件を起こしたことや
反省の態度もないことは
そんな状況に生きていれば
それはそうなってもおかしくないだろう…
という感じだった

そしてその状態のまま事件を起こし
服役しているのだから
完全に孤立してしまっている


おそらく私でも
愛情や自己肯定感に飢え
家族に見放され
なんの抑止力もない環境にいれば
似たような荒れた結果を起こすだろう


ここで 昔観た
NHKのねほりんぱほりんという番組を思い出した

傷害か何かで服役した元受刑者の話で
服役中は早く出所したいがために
表面上 反省や謝罪をしていた
出所しても被害者の気持ちなど
想像もできなかったと

それが出所後に家庭を築き
大切に思える家族ができてはじめて
自分が傷つけた被害者側の苦しみを
想像できるようになったと
正直に話していた

自分が幸せではないから
人のことを考える余裕などない

本当に心底想像できない
自分のことで精一杯
もしくは自分のことさえどうでもいい

そんな人間もいるのだ

家族でなくても
少しでも愛情深く誰かと接して
生き続けていると
相手の状況を想像できるようになる

過ちを犯したとしても
すぐに自分が悪かったと
謝ることができるだろうし
そもそもそのような過ちを
事前に起こさないようにできる

被害者からすれば
どうしてこちらが
相手の環境を配慮しなければならないのか
なぜこちらから寄り添わないといけないのか
そんなこと したくもない
という気持ちにもなるだろうが

相手の度量や余力がないときに
責め立てて同じ土俵に上がっても
本来あるべき相手側の心が
すっかり枯渇したままなのだから
相手は変わることはない

相手にはまず期待しないことが一番
力ずくで押さえこんでも
反発が返って来るだけなのだ


こんな結果になってほしいというものは
どうしても出てくるだろうが
まずは自分の状態を
「私はーーーと感じている」という言葉で表現し
感情を伝えることに重きを置いて
相手を攻撃しないものに替える

要求は相手が変化するまでしない

少しがんばれるなら
相手の状況も慮った言葉も入れる


遺族が聴き取りのために準備したメモの一部

職員経由で伝えられるものだから
実際に対面で会話するときは
遺族から聴き取ったものとは
違う表現になるのかもしれないが
その苦しみが重くて
チラッと読んだだけでもしんどかった

【自分ならこう伝えてもらう】

お前の身勝手な犯行で娘を殺害され、自分が描いていた未来が壊されてしまった。どのような謝罪があろうと、お前のことは絶対に許さないし、自分の手でこの世から葬り去りたいと思っている。

あなたの犯行で娘を殺害され、私が描いていた未来が壊されてしまって悲しく感じています。どのような謝罪があっても、あなたのことを許す気持ちになれないほど苦しいです。自分の手であなたをこの世から葬り去りたいと思うほど、辛い思いをしています。
(攻撃や責めをなるべく入れない)
(私はこう思っているという感情だけを伝える)


自分の犯した事件について、今はどのように思っているのか。
今どんな気持ちで生活をしているのか。

あなたは自分の犯した事件について、今どう思っていますか?
今どんな気持ちで生活をしていますか?
(なるべく丁寧語を使う)


なぜこちらが配慮しないといけないのか
理解できないかもしれないが
それが一番早く相手に変化をもたらすから
という以外ない

相手を変えようというときに
まず変わるのは自分から

とよく言われる

私自身も昔は
この考え方に全く納得できなかったが
今では本当にそうなのだと感じる


「再審請求で棄却されたから、全部認めるしかないし、これ以上争ってもしかたない」

「車ではねてパニックになって刺したことを、今は後悔している」

「過去のことは忘れて、今できることをやりたい。人生をやり直すことを考えている」

「反省してゼロからやり直したい」

「賠償金については、金額が多すぎるので、支払わない」


以上は犯人からの回答の一部だが
本当に自分のことだけで精一杯なのがわかる
人のことを考える想像力や余裕などないからこそ
後先考えずに事件を起こしてしまうのだ

誰も愛さず 誰からも愛されず
その状態で長期間服役していても
反省することはないだろう

賠償金については
分割払いの少額な数字だけを提示すれば
支払い始める可能性はある

全額払ってもらおうという期待や
一度に多額を請求して苦しめようという気持ちは
一旦横に置いておくことが前提で
本人が少しでも
変化した後のことになるだろうが


好き勝手に思い浮かんだことを書いてみた
他人事だからそんなことを言えるのだ
と言われればそれまでで
何も反論はできない

松本サリン事件の河野さんのことも
少し思い出したりした
加害者と交流した河野さんの経緯

もっとたくさんのことが浮かんできたが
長くなりそうなので
まとまらないまま投稿してみる


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