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尿路結石になって感じたこと

 最近、また、尿路結石になった。発熱を伴い、コロナウィルスの感染かとおびえているも、呼吸器症状も味覚異常もない。なんか変だなあと、仕事を早退して家で横になった。尿意を催したのでトイレに行くと尿がでないだけでなく、真っ赤な血がペニスの先からでている。以前、尿路結石になったことがあるので、今回はほっとして、水をたっぷり飲んで、抗生物質をのんで、痛みを含めて治癒した。折角なので、尿路結石になった方々のために情報提供したい。尿路結石は、出産ぐらい痛いことを知っていることが大事である。痛いのである。ちなみに、上の写真は息子の結婚するお相手とお家族に会う予定であった日に、尿路結石により会うことができなくなり、家の横にある公園でのんびりしたときの写真です。満開の桜を見ながら、水を飲み続けて、トイレに行きました。その理由は下をお読みください。

 私は病理医であり、人体解剖していると、尿路結石を見つけることは多い。「ああ、石があった。」と以前は思っていただけだが今は違う。自分が尿路結石になって苦しんでいる。尿路結石の問題点は痛いことだ。いろいろな事件が人生にはあったが、尿路結石は数少ない人生感を変えてくれた事件のひとつだ。ここで、紹介したいのは腎結石に関する自分の経験談である。家庭の医学には書いていないこともあるので、尿路結石で困っている方には貴重な内容である。専門家ではないのでニュアンスに間違いがあるかもしれないし、多少、個人差があるかもしれないが、私の知り合いの4人の尿路結石を持つ人たちの意見も参考にしているので自分では正しいと思っている。

「痛み」
尿路結石には2種類の痛みがある。そんなことは、医者も教えてくれないし、本にも書いていない。「むずがゆいような不快な痛み」と「激痛(げきつう)」である。どちらも困るが、やはり本当に困るのは「激痛」の方である。他の痛みとの違いは、「たいへん」痛いことと、運が悪いと「長く」痛いことである。

「激痛に襲われた時の対応方法」
1。痛み止め
 痛み止めの薬を持っているかどうかは重要な意味を持っている。実際に痛くなると痛み止めは何も効かないどころか、胃の調子を明らかに悪くする。しかし、直接的な効果よりも持っているという安心感は大きい。逆に痛み止めを持っていないと頼るものがなくなり、ちょっとした絶望感を味わう。

2。局所を押す。
 研究室にいる循環器内科の先生に聞いたのだが、背中を強く押すと激痛が止まるという。実際、半信半疑であったが、激痛のあった時にさっそく試してみた。驚いたことに痛みは消えた。場所を決めて、そこにマジックインクで印をつけて、家族に押してもらう。痛みが取れるのはだいたい10分くらいであるが、少しの間は助かる。何度でも押せば痛みはとれるが、押され過ぎると筋肉に痛みが来てしまうために、嬉しくない(こちらの背部の筋肉の痛みが優位になってしまう)。押す場所は、ちょうど痛みが最も強いと思われるところである。激痛の時は、背中全体が痛むが何とか場所は分かるし、一度わかれば油性ペンでマークできる。

3。水を飲む
 水を飲むことが私が一番薦める方法である。「水を飲む」というのは、痛みがないときに飲むだけでなく、痛みが出てからでも効果があると思う。水と一緒にビールを飲むのも効果がありそうだが試したことはない。

4。「死なないし、必ず8時間以内には痛みがとまる」ことを知る
 これは治療法ではないが、知っていれば元気がでる。尿路結石の場合、おおげさではなく、大変痛みが強いために、絶望感にさらされることがある。そのような時にこの痛みでは死なないし、8時間以内には必ず止まるということを知っているのと知らないのとでは大きな違いがある。ある時間がたてばなにごともなかったように、痛みがなくなる。

 知り合いのかたから漢方薬をいただいた。どうも利尿作用があるものの結石が落ちてくることもなく、ぼくの場合はあまり役にはたっていない。 

「お医者様について知っておくといいこと」
1。尿路結石の専門家は、泌尿器科である
2。泌尿器科には、尿路結石の患者が多い(風邪みたいなもの)
3。泌尿器科の先生は「患者の痛み」に対する対処に対し、冷静です。ちなみに妻の出産に立ち会って思ったことは、産科の先生も冷静です。
4。救急車を呼んだ方がいいかどうかは、結構判断がむずかしい。痛みが強いので救急車を呼びたくなる。しかし、痛みは強いがある時間経過すると痛みがおさまる。もちろん、その痛みが尿路結石と分かっている場合である。自分は呼んだことがないが、友人の医師は米国でも救急車を呼んだ。

 泌尿器科の先生から、「激痛の前に予兆がくるので、そのときに痛み止めを飲むように。痛くなってからは効かない。」と言われた。その通りで、痛みがきてからの痛み止めはまったく効かない。私がすすめるのは、予兆があったら水をたっぷり飲むことである。普段はあんまり水を飲むことができなくともこんなときは、飲めるものである。逆に、水分の摂取が足りないと尿が少なくなり、結石が尿管内でがっちりとはまり、痛みを誘発するのではないかと考えている。

「血尿」
 おちんちんのさきから、赤いおしっこが出でくると結構びっくりする。まず、大変心配する。まず、頭にうかぶのは「がん」ではないかと。でているおっしこの色は分からないのだが、便器にたまるおしっこのいろはワインレッドである。何しろ驚くので医者に行った方がいいが、結石だと分かっている場合は、やはり水を飲むしかない。

「水を飲め」と言われたって、そんなに飲めるもんじゃない。
 どんな教科書にも書いてる治療のひとつに水を飲めとある。どれだけ飲んだらいいのかさっぱり分からないではない。英語の内科の教科書には3リットル飲めと書いてある。なかなか3リットルなんて飲めるもんじゃない。コンビニエンスストアに2リットルのミネラル水が売っているので試してみるとみるとわかる。季節にもよるが何の味もしない水を飲むのは苦行である。

「結論」
 私が一番薦めるのは、水を飲むだけである。水を飲むのは普段からだが、痛くなっても遅くないから水を飲む。痛み止めとお医者様は安心感のためにのみ存在する。自分の場合はこれしかない。石を破壊するとか、石を溶解するとか、いろいろとあるが、尿路結石との戦いは痛みとの戦いであると理解したい。水分が足りなくなるような状態は、危険な状態である。夜寝た時の朝とか、酒を飲んだ後とかは危険な状態である。むずがゆいような痛みに対して、お酒は即効性はあるが、結果として水分をなくすので要注意だ。

 痛み止めは飲み過ぎると腹痛(胃炎)を生じるし、この痛みも半端ではないので注意しよう。口内炎(アフタ)ができることもある。


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