できっこないをやらなくちゃ

中学の時、ソフトテニスの東京都強化選手だった。

だから高校は都立のソフトテニスの強豪校に進学すると、誰もが思っていたし、自分自身もその進路に向けて日々準備を進めていた。

しかし、法政二高の学校説明会でフェンシング部OBの高校からでも日本代表になれる、目指すのは日本じゃなくて世界だからという言葉を聞いた瞬間に、今まで準備してきた全てを犠牲にしてでも、フェンシングをやりたいと思った。

自分はどちらかというと現実主義者だったし、3年間で日本代表になるなんてほぼ不可能に近いというのは当然のことだが、直感的にこれはいけるって、根拠のない自信で満ち溢れていた。

それまで文武両道を目指し、様々なことに挑戦しますと言っていた卒業論文の内容を、提出直前にフェンシング日本代表になります、と書き換えたのを今も鮮明に覚えている。

けれど、はっきり言って、その選択をしなければよかったって、当時はずっと思っていた。

周りの人たちからは、なれるわけないとか、夢見る少年とか、大人になれとか、本当に散々言われてきた。

それに、入部してすぐに膝を手術しなければならない大怪我をして、1年間歩くことができなくなって、そこで完全に終わったなぁって思ったし。

達成したい夢に向かって全力で挑んでいるのに、不可抗力が働いてしまう。

何事も思うようにことが運ばなかった。

いろいろ考えたけど、その考えている暇があるなら他の人の2倍、3倍の練習をして、自分を信じればいつかは周りに追いつくだろうと、練習を再開した。

誰よりも、必死になって練習した。

最初は勝てなくて予選落ちも経験して、そこでも挫折することばかりだったけど。

再開してから半年で日本代表に選出された。

周りが無理って言っても、決してあきらめないこと。

挫折や壁にぶち当たるっていうのは、自分が全力でそのことに挑んでいるからこそ起こり得ること。

負の連鎖は夢に向かうための過程であり、そこで多くのことを学ぶことで、それが最終的に成功したとしても、失敗したとしても、自分を形成していく上でかけがえのないものを手に入れることができるということ。

本当に多くのことに気づくことができた。

そして、東京オリンピックに絶対に出場する。それが今の目標。

周りは鼻で笑ったり、叩く人もいると思うけど、気にしない、だって目指さないことには何も始まらないってことを誰よりも知っているし。

言っても、今回のナショナルチームの選考会は予選落ち。

またまた、今シーズンも挫折から始まって、ここから下剋上して、いつかこのストーリーで、多くの人に希望を与えられるようになることが、楽しみで仕方がない。

できっこないをやってやる!

 


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