国際課税の基礎知識4

前回のノートでお話しした通り、タックスヘイブンの基本的な仕組みはお分かりいただけたと思います。しかしながら、これを日本国内の法人で実行しようとした場合、国税当局もその辺はよく把握しており、タックスヘイブンの島々に蓄積した利益もろとも課税するいわゆる「タックスヘイブン対策税制」というものを発動します。これが私が言った、日本国内に居住している限りタックスヘイブンの恩恵を受けるのは無理だと言う根拠です。

しかしながら、もしも日本に居住していない人が、互いに租税条約のないC国とD国の間でこのスキームをやったらどうなるでしょうか。

このグループの合計の税金は300となります。つまり、先ほどの日本とA国の間では合計600であったものが300となります。

しかも、これだけに飽きたらず、C国とD国の間でコンサルタント契約を結んで次のようにした場合どうなるでしょうか(コンサルタント契約の有効性や、実態等については無視する)。

なんと!このグループの税金は合計で0円になってしまいます。これこそがタックスヘイブンの1番の問題点と言われているところです。日本ではこのようなスキームは禁止されており、先程述べました「タックヘイブン対策税制」が発行されているので、このようなことをした場合、間違いなく脱税で捕まります。

しかしながら、世界にはこのようなスキームが規制されていない国が存在します。この隙間をついたのが、現在でもタックスヘイブンが残っている理由です。

日本においては租税条約がないのは一部のアフリカの国々、中南米の国々に限られます。そして仮にあったとしても、実際に法人を設立してタックスヘイブンを作ろうと思うとかなりの苦労が必要な国々です。そして、上記の図のコンサルタント契約1000についても日本で課税されます。いろんな意味で、もう今の日本には学生の存在しないと言うのが結論です。

なので、、本当の資産家が日本からいなくなって海外に移住してしまうのです。

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