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【あき はやおの芸術に乾杯】第5回「芸術に乾杯!あき はやおの芝居小屋」

「あき はやおの芸術に乾杯」

ーーーこの番組はあき はやおがステキ(素敵)な芸術を求めて世界中をめぐる旅番組。

を妄想して綴ります。ーーー

「芸術に乾杯!あき はやおの芝居小屋」

あき はやおの芝居小屋…
私もいくつか芝居作品、と言えるかは甚だ疑問ですが、書いてきました。
今日はあき はやおが書いた作品をご紹介!
するのではなく、そんなおこがましいことをするのではなく、私が初めて観たお芝居のお話をさせてください。

今でこそ、私は舞台に関わる仕事をしているのですが、大学で舞台の勉強をするまで、お芝居というものを生でほぼ見てきませんでした。
当時は「お芝居=テレビドラマや映画」と思っていたバカ者です。
どんな舞台を観ていたかというと、6割がオーケストラコンサート、2割が能狂言、もう2割は劇団四季、という感じでした。

そんな私が初めてお芝居を観に行ったのは大学に入学してすぐくらい。
「教授」という名の舞台です。


主演は椎名桔平さん、演出は鈴木勝秀さん。
物語の下敷きになるのは五木寛之のエッセイ『わが人生の歌がたり』だそうです。
1960年から70年初頭、高度経済成長をとげ経済大国へかけあがる一方で、安保闘争や労働争議などが社会問題となっていた時代の日本が舞台となっており、その中で世情とは関係なく自分の研究に没頭し、時代との接点は流行歌を愛していることだけ…という教授(椎名桔平)と、60年安保闘争で機動隊に追われ、教授の研究室に飛び込んできた女学生(田中麗奈)の出会いから別れの物語です。

観たのは随分前なので、正直細かい内容や印象はほとんど覚えていません…どうして観ようと思ったのかも覚えていません。
一体、私は何を想い、何に感動したのか…
覚えていないんです。
一番覚えているのは、すごく静かな作品で、驚くような展開はほとんどなく、淡々と日々が過ぎていく。当たり前のように…
そんな舞台でした。

確か、田中麗奈さん演じる女学生は学生運動に参加していて、そこで教授と出会うんですね。
そしてどういうわけか、教授に惹かれていき、その後10年以上にわたって教授の助手として働くんですよ。
でも、とにかく何もしないんです。何も起こらなかったんです。

そのことにきっと私は衝撃を受けたんです。
多くのドラマや映画が、主人公に何かが起こり、それが悲しいことだったり、嬉しいことだったりして物語が終わっていくんです。

確かに、この舞台でも主人公には何かが起こっていました。女学生との出会いも含めて、とてもとても小さな小さなことが。
その小さなさざ波のようなものが、永遠と続く…そのことに私は感動したんです。きっと。

演出的には生歌があったりして、とても面白かったと思います。

なんだか取り留めのない話をつらつらと書いてしまいました。でも、私はこれをきっかけに芝居というものにのめり込んでいき、様々な作品を観たりしていくことになるんです。

この初めての観劇が、私の求める芝居世界の基準になっているような気がしますね。

私のこの拙い文章で、少しでも芝居作品にに興味を持って頂けたなら、劇場へでも出掛けて、お芝居を観てみませんか。こんな世の中ですが、やはり多くの人の手によって創られた、劇場での公演に是非出掛けて行ってほしいものです。

それでは、あき はやおは一足お先に、芝居の世界に出掛けてきます。どこかで出会えたら、「芸術に乾杯!」と一緒にお酒でも飲みましょう。

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