【4/22(木)福岡 堀監督舞台挨拶決定!】映画『ジャンクヘッド』大分舞台挨拶レポート&監督インタビュー
Ashley 2021年4月19日投稿分
3月26日(金)に公開された映画『JUNK HEAD』。
一人の日本人が独学で作り始め 7 年間かけて完成させ、世界の映画賞を席捲した、壮大な SF ストップモーションアニメです。
前回紹介した公開前の記事はコチラ
3月に一度紹介したこの映画、公開からこの映画の世界観やキャラクター達に魅了された人たちの口コミがつながって、上映館は10館から60館へ拡大!!監督の舞台挨拶も続々と決定しており福岡・KBCシネマでは『好評につき拡大ロードショー&4/22(木)堀監督舞台挨拶』が決定しました!
一足先に、4/17(土)に堀監督の出身地である大分で行われた舞台挨拶へ行ってきましたので監督へのインタビューも決行!!皆様に舞台挨拶の様子と、監督から伺った話をお伝えします!!
口コミで『JUNK HEAD』が話題になり、上映館拡大など盛り上がりをみせていますが、今この状況をどんな風に感じていらっしゃいますか?
堀「今までは宣伝はお金をかけてやるものだったので、一番理想的な“口コミで広がる”という現状がこの作品を後押ししてくれていて、それは制作者に還元されるものだと思っているのでとても嬉しいです。」
「JUNK HEAD」を制作することになったきっかけをおしえてください
堀「趣味といえば映画を観るのが好きで、レンタル作品などですが1日10本以上観る時もあったり、とにかくたくさん映画を観てきました。若い頃から絵や彫刻の芸術家を目指していていたんですが、なかなかカタチにできず30歳ぐらいからアート系の内装業で独立しました。
常にお客さんのイメージを再現する仕事を10年以上やっていくうちに、自分のイメージするもの、出したいものを出せない、つくれないうっぷんがずっと溜まっていたんです。ですがそのおかげでアート感覚でこだわるセンスとビジネスとして成り立たせる感覚が養われたという利点はありました。
そんな時、新海誠さんが短編アニメーションを1人でつくったことを聞いて、“映画って1人でもつくれるんだ”と思い、自分ができる範囲で趣味まるだしの映画を1本つくってみようと思ったことがきっかけです。
40歳手前でなにかを始めるには、これが最後のチャンスだと思ってやってみようと思いました。普通だったら監督なんていつできるかわからないし、最初から監督をやるには一発勝負をかけるしかないなと思って、まずひとつ完成させてみようと30分のショートムービーをつくったのが7年前です。
それを観た日本の企業から出資があり、追加で70分の新しいムービーをつくって、はじめに作った30分と合体させて長編にしたのが、今回の『JUNK HEAD』です。」
『JUNK HEAD』の世界観やキャラクターに魅了される人の口コミも多いようですが、世界観に影響を与えたものやキャラクターのモデルはあったのでしょうか?
堀「オリジナルキャラクターは昔から落書きしたりしていましたが、物語がないとただのカタチでしかないので、世界をつくってからキャラクターを入れ込んでいきました。ざっくりとした地下世界ぐらいのイメージがあって、それから落書きしながらそういう絵面になるためには、こういう話を持っていこうと考えたりしていました。
もともとは映画が好きなので、遊星からの物体Xやエイリアン、ヘルレイザーや第9地区など好きな映画やSF、漫画など、いろいろなものが自分の中に入って、それを自分で噛み砕いて出しているから、人によってはこの映画を観て、あの映画や漫画に似てると思われるものがあるかもしれません。僕が好きなものを詰め込んで、自分が観たいと思う映画を自分でつくったのが『JUNK HEAD』ですね。
不思議惑星キン・ザ・ザは特に影響を受けた映画で、“シュール・コメディ”という“コメディ映画とは違うユーモア”を描きたくて、笑わせようとしていない、真面目にやっているけどそこがおかしいっていうズレた感覚を演出していました。
人間が永遠に生きられるようになった、死を乗り越えている未来の世界で、身体を失って自我だけで生きている人間を通して、人間って何をもって人間というんだろうという問いもあります。印象的だと言われる赤い血液は、“生きている”表現ですね。30歳ぐらいに漫画家を目指そうと思った時期があり、その時点でこのディストピア感というか世界観は頭にあったと思います。」
『JUNK HEAD』は観客の男女比が6:4だったそうです。監督は観客の4割が女性だったことに驚いたそうですが、何が理由だと思いますか?
堀「この映画は男性しか観ないだろうと思って自分はつくったので、観客の4割が女性だったということに大変驚きました。なぜ女性にうけているんだろう?と考えた時に、キャラクターや演出だったのかなと考えました。
僕の実家は近くに本屋もない田舎だったんですが、その時の唯一の娯楽が隣の親戚のお姉ちゃんが読んでいたおさがりの別冊マーガレットだったんです。僕は少女漫画で育ったんですよ(笑)。その当時の少年漫画は派手なアクションなどが多かったので、少年漫画は全然観ていなくて、小学校ぐらいまでは別冊マーガレットとかホットロードやちびまる子ちゃんを観ていました。
少女漫画って心理描写が丁寧なので、とても影響を受けたなと思っています。その後少年漫画も観るようになったのですが、その後もアクションだけの映画や漫画はあまり好きになれなかったので、『JUNK HEAD』も世界観だけだったら男性にしかウケなかったかもしれませんが、キャラクターの表現の仕方というか、自分のルーツが幼少期の少女漫画だったことが、女性にも指示される作品づくりに影響したのではと思っています。」
『JUNK HEAD』での、人間である主人公の設定を詳しくおしえてください。
堀「主人公は数百年生きている設定ですね。細かくは決めていないんですが、少なくとも永遠に生きられるようになってからかなりの時間が経っています。主人公は身体がバラバラになってもパーツを変えれば生きられますが頭がめちゃくちゃになれば死にますし、“死なない・死ねない”というよりは“死を乗り越えている存在”なんです。ですが、マリガン達の方が人間らしい生活を送っています。
死を取り上げているのは現実の宗教観というか、現在の“神と人間”という立場を『JUNK HEAD』の中では“人間とマリガン”という一段落とした関係にしてみたくて、マリガンの方が人間のような扱いで、人間は身体を失って自我だけになっている存在にしてみました。
人間というのは何をもって人間というのだろう、人間とマリガン、どちらが人間らしいのか?という問いを投げかけてもいます。マリガンは人間が創造した生物だけれど、人間と同じ言葉を話し意思の疎通ができ、人間以上に“生きて”います。人間は赤い血液を流さず、マリガンは赤い血液を流すところは“生きている”ということを表現しています。血を流して、血が循環している生き物だという現しています。」
『JUNK HEAD』の世界観はいつ頃から考えていたものなのですか?
堀「30歳ぐらいの時に、一度漫画家を目指して持ち込みなどしていた時があったのですが、その時の設定も生命の木から生命が実としてなるという話を考えていましたね。
僕の出身が大分のかなり田舎で山の中なので、木の実は木になっているものをもいで食べるんですが、そのもいで食べる実は、食べた後に循環して、種が成長としていずれまた実をつけるという、それもまた人間と同じ生命を広げるシステムですよね。こういった地元・大分での経験が『JUNK HEAD』の世界観に影響しているかもしれません。
最後に、これから『JUNK HEAD』を観る方へメッセージをお願いします。
堀「この物語の主人公って特徴のない能力のないごく普通の一般人なんです。でもそれでも諦めずにがんばっている姿勢をみて、たぶん観ている皆さんは応援したくなるんじゃないかと思っています。そういうキャラクターにしたくて、“スーパーヒーローだけが主役じゃない”というか、誰でも諦めずにがんばればなにかやれるかもというメッセージも含んでいます。」
監督に話を伺った後、舞台挨拶付きの上映会はほぼ満席。終了後のトークショーでは監督自ら持ち込んでくださったメイキング秘話を映像とともに説明し、会場を沸かせていました。7年前に堀監督がたった1人ではじめた『JUNK HEAD』という世界は、年月を経て、この世界観とキャラクターに魅了される人たちをどんどん増やしています。
待望の福岡舞台挨拶は4月22日(木)に行われます。『JUNK HEAD』は、観終わった後誰かにこの世界観をおしえたくなる映画です!舞台挨拶では、堀監督の口からこの世界の誕生秘話や苦労話などが聞けるかもしれません。まだ観ていない方はもちろん、一度観た方もぜひ劇場に足を運んでくださいね!
堀貴秀監督 舞台挨拶付き上映【第6弾】
博多で4/22(木)に決定!!!
『JUNK HEAD』の公開から4週目を迎えました福岡KBCシネマで、大ヒット御礼舞台挨拶を行います。
当日は19:00より舞台挨拶がありますが、舞台挨拶の前にシアター内にて監督のサイン会もあります。
当日の本作品鑑賞チケットとパンフレットをお持ちのお客様には堀監督よりサイン会がありますので、
サイン会ご希望のお客様は18:30までにKBCシネマにお越しください。
【日時】
4/22(木)
福岡: KBCシネマにて
18:30よりサイン会 ※当日の鑑賞チケットとパンフレット持参のお客様に限ります
19:00より舞台挨拶(トークショー)
【登壇】 堀貴秀(監督)
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