「G」の立場になって考える

   駅前にあっためちゃくちゃ古い建物が無くなった。たぶん築50年くらいだっただろう。2週間ほどで完全に撤去され、土台?のコンクリートだけが残っていた。きっと1.2ヶ月もすれば新しい建物ができるのだろう。それが家なのかお店が入るのか分からないがこの街にプラスになることだったら良いだろうなと考えていた。…しかしこれはあまりにも人間のエゴに寄り過ぎた考えである。きっとこの一件で不利益を蒙った者たちがいるに違いない。そう考えた結果、でてきたのが「G」だった。
   建物の築年数などきっと気にもしないヤツたちにとっては(もしかすると古い方が不衛生で好みかもしれないが)住む家がひとつ人間の都合で消されてしまったのだ。しかも1月の真っ只中。引越しの途中で息絶えたものもいるだろう。
   そう考えると何故か「G」に同情してしまい、どこかで幸せに暮らして欲しいとも思うのだ。

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