見出し画像

新プロジェクトXの予告番組をみて

少し前ですが、
新プロジェクトXがはじまるということで
予告の番組を放送してて僕も見たのですが
その中で目を奪われた場面がありました。

歴代のキャスターの方が記憶に残っている回の話です。

特に初代の久保純子さんが1番記憶に残っているという回で、ビクターでVHSを開発した髙野 鎮雄 (たかの しずお)さんという方の言葉。

髙野さんは47歳でビクターの業務用(当時はまだ家庭用がなかった)VTR事業部長になられたそうなのですが、当時のビクターは家電業界8位で事業部の収支はボロボロ。赤字で事業部自体が本体から切り離された様な状態でした。

そんな中髙野さんが考えたのが、家庭用VTRの規格(=VHS)を新たにつくるということ。しかも事業部自体が赤字なのに本社に黙って(隠れて)新規開発を進めることを決断。

当時の業界シェアNo1のソニーが別規格に人員を割いて開発している中、そんな体制でしたが、髙野さんはVHS規格を完成させます。しかもVHSデッキをつくるにあたり、協力をあおいだのはなんとライバル会社だった日立や三菱やシャープ。しかしそこからできたデッキは結果的に複数企業の技術が詰まったものになり、VHSはソニーの規格を上回り世界の標準になりました。

その後副社長になった髙野さんが亡くなる2年前に退任パーティーで残した言葉がこちら。

-VHSの開発について

「夢中でしたね。夢中というのは大変すばらしいことだと思う。ぜひ皆さんも、なんでもいいから夢中になってください」

===

多くのものを見てきた人が、その中でも記憶に残っているというなら、そこには必ずなにかがある。

この言葉を発するとき、髙野さんはきっと名言をいうつもりではなかったと思います。でもふと発した言葉がこうして胸を打つのはなぜなんでしょうね。やっぱり一生懸命夢中で取り組んだ結果、振り返ってみて自然にでてきた言葉だからでしょうか。

自分も無我夢中で取り組んだあとに、いつかふと出た言葉が (別に髙野さんのように誰かに届かなくてもいい) なにか真を表した言葉であったらいいなと。そう思います。

あなたの胸に残っているのは、誰のなんという言葉ですか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?