ねむい

ねむい。ねむすぎるかも。
もうね、ふとんにいるんでね、いつでも寝れるんですよこっちは。
怖気ついたか?まあそんな顔をするなよ。少し話をしよう。

あれはこの世がまだ朝だった頃の話……
俺は12時から仕事の予定を控えているのになぜか全然10時から1時間とかかけて風呂に入っていたんだ。
そのせいで昼食を食べ損ね、道中のスーパーで弁当を買って職場で食べる羽目になった。とんだお笑い種だよな。

…それと、お前には話しておかなきゃいけない。
実のところ、俺はもう長くない。ちょっとばかし酒が入っているんだ。おかげであまりの眠さに上瞼と下瞼が俺の目を盗んで何度もキスしてやがる。当てつけみたいにな。
まあ、そういうことだから、あとは頼んだぜ。はは、夜はまだまだこれからだってのによ…俺もあともう少し若けりゃ…お前と一緒に、夜の街で一晩中暴れられただろうに…

……

………

ああ、寝ちまってたか。
おい、揺するな。頭に響く……ってお前なあ、なんて顔してんだよ。俺が泣かせたみたいじゃねえか。
へへ…鼻つまみ者の俺が、お前みたいな別嬪に看取ってもらえるたぁな…

あ?二度も言わすんじゃねえよ…言わねえぞ。そんな面しても無駄だっての。
はは…その仏頂面。泣き顔より似合ってるぜ。

……そろそろお迎えが来たらしい。
もう、目を開けてるのも……億劫になってきやがった。

じゃあな、相棒……


地獄で、待ってるぜ

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