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自分を理解することは難しいけど。

汝自身を知れ。

デルフォイのアポロン神殿に刻まれた古代ギリシアの格言ですね。

何千年も前から言われているこの言葉が
今でも人の心に刺さるあたり、科学技術がいくら発展しても
人の資質はそこまで大きく変わっていないように感じます。

多くの人がこの言葉を知っているし、
この言葉が意味するであろう自分自身を理解することの重要性についても
同じように認識していると思います。

ただキャリア相談や採用面接における逆質問に
「活躍する人物像を教えてください」とか
「市場価値が高い人ってどんな人ですか」とかっていう質問が多いのは
本当の意味でその重要性が理解されていないか
もしくは理解できていてもその方法論として
「自分」をどのように理解し、どのように行動すればいいのかが
分かっていないからなんだと思います。

これらの質問の答えはひとつで
「大前提として自己認知ができていることですね」となります。

Self-awarenessって言われるものです。

自己認知ができていないとわかりやすい成果、
例えば報酬だとか権力、名誉や社会的な地位とかを
成功の形として追い求めがちで、本当の意味でそれが自分の幸せならば
別に否定はしないですけど、本質的じゃないなと思います。

やはり大事なのは
誰かの規範で生きるのではなく「自分らしく」あること。

ジョブズ曰く

Don't waste it living someone else's life. と。

優れた知能や知恵、優れた肉体や精神を持っていることも重要です。

ただ多くの場合、それだけでは足りず、
自分が何ができて、何ができないのか、自分が何を求めているのか、
自分の情熱がどこに向かっているのか、自分は何のために働くのかなど、
自分に対する認識が何よりも重要です。

で、自己認知はどう高めるんだって話になりますよね。

自己認知を高める方法を考えてみる

正直、何らかのよりどころがあってもいいと思うので
ストレングスファインダーでもエゴグラムでも
ジョハリの窓でもWillCanMustのフレームワークでもいいですが、
まずは自己認識の4つのマトリクスについて紹介します。

内面的自己認識と外面的自己認識の高低によるマトリクスです。

ちなみに

内面的自己理解とは
自分で自分のことをどれくらい把握できているか

外面的自己認識とは
他者からみた自分のことをどれくらい把握できているか

です。

結局、人との差でしか自分の理解なんてできないですからね。

そもそも何かを理解するというのは
自分が知っていることとそれの相対的な位置を把握することに他なりません。

内面的自己認識が高く、外面的自己認識が低い人は「内省者」です。
自分のことは理解できているけど、他者の意見を取り入れたり、
自分の認識を疑うことをあまりしないため、世界が閉じがちで
チャンスを棒に振ってしまう可能性が高いです。

内面的自己認識が低く、外面的自己認識が高い人は「八方美人」。
他者からこう見られたいという想いが強すぎて、
自分にとって大切なことが何かを見過ごしてしまい、
自分の成功につながらない選択をしてしまいがちです。

内面的自己認識も外面的自己認識も両方低い人は「探索者」。
何も分かってませんね。自分のパフォーマンスも人間関係もうまくいきません。

内面的自己認識も外面的自己認識も両方高い人は「認識者」。
おめでとう、自分が何者であるか、自分が何を成し遂げたいかも理解し
それには他者の意見を取り入れることが重要であることも認識してます。

このマトリクスはある重要な一つのことを伝えてくれています。

それは他者からの意見を取り入れないことには
本当の意味での自己認識は高まらないということです。

その前提として必要なのは言わずもがなですが謙虚なことです。

偉くなればなるほど、年をとればとるほど
人は聞く耳を持たなくなる傾向があると言われます。
自分も耳が痛いです。

またダニング=クルーガー効果というのもあります。
できない人ほど、自分を過大評価するというやつです。
こちらも耳が痛い。

少し前に失敗について書きましたが
成功することよりも失敗することの方が多く、
また成功よりも失敗からの方が多くを学べます。

まずは自分は完璧な人間ではないことを自覚することです。
自分を完璧な存在として認識してしまうと、失敗を許容できず
ズルをしたり、他人を陥れたり、挑戦を恐れたりします。

自分は完璧な存在ではなく、発展途上であり
今も、これからも少しずつ良くなっていくのだ、と。

そして日々、自らも振り返り、かつ
それだけに止まらず他の人の意見に耳を傾け、
客観的な自分の立ち位置、自分の価値を把握することです。

中国の歴史上、もっとも安定していたと言われる
貞観の治を築いた唐の第二代皇帝太宗は自分にとって
耳が痛いことを言ってもらうための諫言役、諫議大夫として
政争相手の兄の側近だった魏徴を重宝したといいます。

自分と異なる価値観を持った人、
自分と違う見方をする人、バックボーンの異なる人などなど
多様な価値観の中に身を置き、それを受け入れられる
そんな人になりたいですね。

今日は長すぎましたかね。。
最後まで読んでくれた人、ありがとうございます。

以上、ご確認ください。

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