ちょっと未来のとある国にて【どんな祝日つくりたい】
「国民の皆様、一人一人の誕生日を祝日にします」
政府がそう発表したのは7年前。
それと同時に国民識別番号を生体と結びつける技術が発表された。
誕生日祝日法
国民識別番号に基づき、生まれた日を個人に対する祝日と定める。
当日は学業、就労を罷免さる。他の祝日と重なる場合は前後にずらすことが可能。
同居する家族、二等身までの親族は証明書と誕生日者の署名を所属組織に提出、
上記以外の3名までの関係者は、事前に誕生者を同伴のうえ、市町村区役所にて手続きを行うことで同様の休暇を申請することができる。
なお、本祝日による休暇を施行することにより、所属組織において学業就労においてマイナスの評価を行うことは違法とする。
これまでにない個人に紐づけられた祝日は物議を醸した。
当然「政府の横暴」「人権侵害」「自由のない監視社会」などと声があがったが、現在は国民の96%が生体識別国民番号を利用している。
なぜなら、生体識別国民番号を利用した場合、年齢×1万円を祝金として使うことができるからだ。
誕生日祝日法 生体識別国民番号特例
生体識別国民番号を利用者には、誕生日祝金の利用権利が発生する。
利用額は国民番号に登録されている年齢×1万円を上限とし、誕生日当日に限り有効のICカードとして発行される。
このICカードは前日に国家特殊便にて誕生者に直接配送される。
乳幼児、国外滞在者、疾病などにより、誕生者本人の受け取りが困難な場合は、市町村区役所や政府認定機関に相談のこと。
国民識別番号と自身の生活が紐づけられるという抵抗感は最初の2年ほどでほぼなくなった。
祝金を全額寄付した人は、子供でも一般人でも大きく報道されヒーローになれた。
お金を使えるのはその日限りという条件により、消費は爆発。
百貨店が採用したバースデーコンシェルジュを皮切りに、誕生者需要に向けた市場が急成長した。
他にも公共福祉サービスの効率化、中高年の自殺者減少、不正行為も激減と、近年でもっとも有意義な法改正だったという人も多い。
今日もどこかに祝日の人がいる。
街で誕生者と気がつけば見知らぬ人でも「おめでとう」「ありがとう」のやりとりがごく自然に行われるようになってきた。
たった一つの祝日で、社会が大きく変化した。
目の前に広がっているのは透明性のある優しい社会だ。
しかし、私は時々ふと思うのだ。
私達は誕生日祝金という餌に釣られて、透明な箱庭に閉じ込められてしまったのではないだろうか……と。
ピンポーーーン
チャイムの音が、かすかな不安をかき消す。
「はい、どちらさまですか?」
「おめでとうございます!国家特殊便の配達です!」
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ということで【書くンジャーズ】水曜担当のAKIです。
あれ?マガジン間違えちゃった?なんて思いましたか?
大丈夫です。
ちゃんと【書くンジャーズ】のマガジンです。
今週のテーマは【どんな祝日つくりたい】
祝日と言っても、フリーランスや主婦はあってないようなもんだし、
結局休みでもダラダラするだけだし、
火曜日担当のみねせりかさんと近い思考でした。
「祝日…理由が何であれ、休みは休みだもんな…」
「祝日でみんな一斉に休むのもな…」
「祝日だからこそ休めない人もいるもんな…」
「そうだ!自分で選べる祝日作ったらいいんだ~。事前申請とかして…」
自分で祝日にしたいほどの日はないので、祝日にするためにみんなが持っている理由を考えたのですが、誕生日しかないんじゃない?という結果に。
タカハシリーダーも
そんな中でどんな祝日があればと良いかと考えると、記念日とかってあると思うんですよね。例えば、国民が自分の誕生日を祝日に出来るとかってなんか特別感あるし誕生日という年に1度しか無いし良いんじゃないかって思いますね。
と書かれていますしね。
そこでお二人は「好きな日を祝日に選べる」という方向に思考を進められましたが、私は誕生日を祝日にするならどうするか、どんな風になるかを書かせていただきました。いかがだったでしょうか。
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