連作 ゆきちゃんへ
トラだって泣きたい時もあるのだと鳴いていた夜に白い流星
水滴で光るからだを見せられて甘えるなって言われたような
昨晩と変わらない道 流星が通った跡を探してみる
点滅する灯を頼りに帰る日にあくびをしている元・お星さま
鋭さを含んだ瞳とぶつかって譲ってしまうからあげ一個
銀杏の実を踏んでいく いぶかしい顔がよぎって履き替える靴
「昨日とはまた違う子よ」恋人を見せつけられる振られっぱなし
白い尾で路地へと誘っていた君が空に溶けたと言い訳する雪
一度だけ許してくれた撫でること忘れられずに公園にいる
ツレなくて流星みたいな君だから次はおんなじ生き物がいい
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