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活動休止と今、これから。

お久しぶりです、武朱美です。昨年の11月に演劇の活動を休止することを発表し、早3ヶ月が経とうとしています。

自分の中で大体整理がついたこともあり、得意ではありませんが活動休止に至った簡単な経緯と今、これからを勝手ながら文にして残したく思います。

活動休止に至る理由から。
一言で言ってしまえば「自分の限界」が分からなかったことから起きた出来事です。

大学生活と演劇活動の両立(加えてアルバイト)を完璧にこなせないままずるずる過ごす日々と詰め込まれているスケジュール、何も無い日は永遠に寝るという本業を失いつつある行動をしてしまいました。

役者、脚本、演出、舞台監督と複数手を出した理由は役者を本命としてやっていた時に「下手くそ」と言われたからです。結局役者をまた始めてしまいましたが…。

要領よくこなせない自分が全て悪いのだと何度もムチ打っては起き上がってきましたが、家族と向き合えなくなり、遅くに帰る度口喧嘩をする日々、距離を置くために家を出て居候生活を始める、演劇を共にしている仲間との気持ちのすれ違い、Twitterと観劇から来るプレッシャー。いつしか台本を読むだけで涙が出始め、セリフが何一つ頭に入らなくなり、挙句には路上で突然寝てしまうこともありました。

そして「もうやりたくない」にたどり着いていました。演劇は何も悪くないけど気付かぬうちに私の中では演劇が全てになっていました。自分に自信が持てないでいたからせめて好きなことをして安心したかっただけなのに、何よりも好きなことで自分の首を締めていました。

演劇をしている時は最強になれた気がしたけど、これは最強ではなく演劇をしている私へのただの信仰でした。


休止直後はとても悲惨なものでした。情緒不安定、更に無くす自信と引きこもる日々。

そんな時に根気強く毎日支えてくれたのは誰でもない、私の家族でした。

とても手のかかる子供をしていたにも関わらず、泣き出す私を抱きしめてくれたり温かいご飯を作ってくれたりと、いつも食べる外食とは違う温かさがあって。あぁ、この人たちのために生きていたいなと漠然と頭に浮かんでいました。

いつしか演劇を辞めたことと先が見えない自分に怯える涙から、愛を感じて寂しさが溶けていくことを実感する涙に変わっていました。


それからは本業であった大学生活に向き合い直すことを目標にしました。取れるだけの単位をとって2年生からは大学での勉強のために頑張りたく思います。

健康のためにジムにも通い始めました。いつも息を切らしながら体をほぐしています。運動は楽しいのかも、しれません。

バイト先にも恵まれました。コンセプトのあるバーで働いているのですが、いつも笑っています。お酒はまだ年齢的に飲めないけど多方向のお客さんに来て頂けるので、好奇心で手をつけてみた職ですが、知らないことを沢山知れてとても楽しいです。Twitter (@ameco_afilia) コンセプトバーの個人アカウントです。今はこのアカウントしか動かしていません 。

趣味は2次元アイドルオタクをすることです。3次元にカッコいい人はいるのかとか考えてしまうくらいには2次元に浸かってしまいました。

自撮りも減ったし(バイトの関係で撮るくらい)メイクもとても薄くなったし身体周りも若干スッキリ、有難いことに雰囲気も明るくなったとのこと。

同じように続いていく日々に満足しています。容姿も大して良くないし成績だって特段優れている訳じゃない、台本を手にしたり物語を作っている訳でもないけど寂しくない。今までみたいな圧迫感も常にだるいこともなく、身近にいる人と話しては笑っています。


休止を発表してから演劇から完全に離れたのか、といえばそういう訳ではありません。

申し訳ないことに観劇のお誘いを何件かお断りしてしまっているのですが、行きたくないのではなく、観劇に向き合うだけの気力が無いと判断したからで、行けると思った時には行きたいと思っております。

自分の大学の演劇サークルの公演は足が伸ばしやすいということもあり観にいきました。当時精一杯だった私としては苦い思い出ばかりだし自分の意思で抜けてしまったのですが、今思うととても暖かい場所でした。

名前のない演劇祭3で関わった演劇ユニット「こえのしずく」主宰 諏訪こばとちゃんとご飯に行く機会もありました。やはり演劇の話をしたけれど、素直に彼女を応援したいと思えました。私の中から向上心が無くなったのか闘争心がなくなったのか、良い意味で周りと比べることがなくなったのかもしれません。私の目の前で延々と語っていた彼女の表情はずっと私の中で残っています。頑張る人はとても素敵に映ります。

そして、名前はない劇団主宰の伊藤セナとは今連絡をとっていません。不仲という訳ではなく、私自身のけじめがあるからです。休止した当時は「劇団の中で何かがあったのではないか」と心配されたこともありましたが、これは劇団員として私が彼自身を知らない、把握できていなかったことが1つあります。把握出来なかったことがストレスとして大きく生じ、これから共にやっていくことでの不審感や不満へと繋がってしまいました。

主宰を信じることが出来なかった自分と考えを言語化出来なかった未熟さに悔やんでおります。しかしこれらは今ここで深く掘り下げる話ではありません、結局は彼と一緒に演劇がしたかったから劇団に入ったという理由は何も変わらないので。私は彼と演劇ができたことを誇りに思います。


演劇を再会しようという気持ちは今現在ありません。

ただ、春になって学校に通い、本業を第一に成すべき生活を安定させることが出来たら。今まで相談に乗ってくれた方達やお世話になった方々に勝手ながら改めて言葉を伝えたいです。

まだ返信できていないメッセージも沢山あるのでひとつひとつ向き合って送ります。

自分の限界がわかったことと今回の経験は大きな進歩だと思います。振り返れば世界は広くて、日頃全ての行動が人間としての表現でした。今は何もない何ともない日々を大切にしたい。

改めまして

お会いした方、現場を共にしてくださった方方々に感謝申し上げます。
ありがとうございました。

2020 2.16 武朱美