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好きな本の紹介その一『ペンギン・ハイウェイ』

どうも、明日です。
突然ですが、今回は好きな本の紹介をしたいと思います。
いつもこれくらいの、本当、何をやるか分からないくらいのフリーダムさで活動していきたいです。

本題に戻りましょう。今回紹介する本は、
森見登美彦先生の『ペンギン・ハイウェイ』です!
有名な本なので、ご存知の方も多いかもしれませんね。
ここで「なんでペンギンの話なのに、画像はいつもの彼岸花なの?」と思われる方もおられると思います。当然の疑問です。
先にお答えしておきましょう。
ずばり、「手持ちの写真が全然ないから」です。
・・・今度、水族館でペンギン撮ってくるので許してください。
ついでにマンボウとかも撮りたいですね。使うのかわからないですけど。
見た目は結構好きなんです、マンボウ。口とか。

はい、改めて本題に戻させていただきます。

この本はアニメ映画化もされているのですが、実は、初めてこのペンギン・ハイウェイに出会ったのは、こちらの映画の方でした。
賢いけれど、どこか子供っぽさの抜けないアオヤマ少年と、彼をかわいがるお姉さんが繰り広げるさわやか冒険譚に胸を一撃で貫かれ、さらに原作が森見先生であることを知り、買わねばという使命感に駆られてアマゾンでぽちっといきました。

あらすじは・・・多分アマゾンなりで調べていただければすぐにわかるのですが(一応、生地の一番下にリンクを貼っておきます)、ここでは自分の言葉で説明をさせていただきます。

日頃から勉強を欠かさず、将来偉い人になるための努力を欠かさないアオヤマ少年と、彼と仲良しの、歯医者に努めるお姉さんの住む町に突如、南極にしか生息しないはずのペンギンが姿を現します。
研究熱心なアオヤマ少年は、すぐにこのペンギンの調査を友人と共に始めますが、どうやらこの謎は、お姉さんが持つ不思議な力と関わっているようで・・

みたいな感じですね。
町に突如現れたペンギンと、それと同時に現れる様々な謎を、まだ小学生のアオヤマ少年が、友人たちの手も借りながら、小学生にできる範囲の行動で解き明かしていく、この過程が面白い。

アオヤマ少年はとても頭はいいし、毎日沢山勉強をしてはいますが、超人ではありません。
いじめっ子には負ける時もあるし、お姉さんには手玉に取られるしと、何でもできるわけではありません。小学生なので車にも乗れないし、お金のかかる研究もできない。
けれど、平凡な小学生でもできる最大限の行動で、少しずつ、謎に迫ろうとする。

この、謎に迫る過程に無理がないんですよね。もちろんそこには、お姉さんのような、ちょっと変わった存在の手助けがあったりするんですが、このお姉さんによる協力で出来ることの程度もまた、とても塩梅がいい。
全てが一気に解決できるほどの力も全ての謎を一気に解き明かせるほどの力も、登場人物の誰にもない。
なのに物語がダレ無い。
これって結構すごいと思うんです。

物語がダレない理由として、もちろん、展開の運びのうまさがあるんですが、もう一つ、語り方の面白さがあると思うんですよね。
この作品はアオヤマ少年の一人称です。
もし、この少年がいきなり、「焦燥」とか、「唯々として」なんて言葉を言い出したらちょっと変な感じがしますよね。
当たり前と言われれば当たり前なんですが、一人称小説は、語りを主人公のものに合わせる必要があるんです。
それは決して、一人称を「僕」「私」「吾輩」などなどで使い分けるだけでは解決しない問題なんです。

もぐらの目線で、「海が云々」とか言われたら、ちょっと「あれ?」ってなる人がいるかもしれません(それも面白さにする方法はきっとありますが、今回はとりあえず、これを目線と文章のズレの例として挙げさせていただきます)。
つまり、もぐらって、海見たことあるの?という疑問が湧いてしまうんですよね。
もちろん、海辺に生息しているもぐら希少種もいるかもしれませんが。

つまり、この小説の凄さは、「小学四年生っぽさ」を文章から感じるところと、それなのに、大人が読んで面白い文章になっていることなんです。
あまり読みませんが、児童文学は大体そうかもしれませんね。

ともかく、この作品の面白さは、アオヤマ少年の心とリンクした文章を読むことができる点にもあると思うわけなのです。
アオヤマ少年の視点だから、ちょっと言葉は易しいものを選びがちですが、その分、お姉さんや、家族や、他の人々に対する心の動き、また謎を解き明かすための思考の流れは、小学生の少年の頭を覗いているような不思議な感覚で読むことができると思います。
そして、読了した時にはきっと、自然に彼に共感してしまっていることでしょう。

さわやかで、まっすぐで、ちょっと切ない物語です。
まだ冬なので、季節には合わないかもしれませんが、
「なんでもいいからあったかい季節を感じたい」という方はぜひ、今からでもぜひ、ペンギンたちに会いに行ってみてください。

では、今回はこの辺りで。
最近雪なり風なり、色々大変な方もおられると思いますので、どうか皆さまお気をつけて。


Amazon.co.jp: ペンギン・ハイウェイ (角川文庫) : 森見 登美彦, くまおり 純: 本
アフィリエイトなどではなく、ただリンクを貼っているだけなので、画像などがありません。
すみません。


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