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白いすべり台のある山 砂場のある谷

写真は先週の金曜日の様子です。4月まで1ヶ月をきりましたが、まだ園庭にはコーンが並び、敷地では重機が作業しています。でも、確実に仕上がりの姿が見えてきています。もともとの地形を活かしてワクワクする空間ができてきています。

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園庭には大きな複合遊具は入りませんが、白いすべり台、砂場が2箇所、小さいブランコ、雲梯、鉄棒、そしてHECHIMAという名前のヘンテコな遊具が入ります。どの遊具もシンプルですが遊び方に工夫ができるものを選びました。

すべり台の魅力的な遊び方の一つは、逆から登る事です。でもたいてい禁止されます。危ないからです。上から滑ってきた子とぶつかる危険、そして下に落ちる危険です。

この白いすべり台は、一つの危険を減らしました。落ちても怪我をしないとはいいきれませんが、大した事はないでしょう。

できるだけ子どもの工夫を活かしたいので、使ってみて問題がなければ下から登ってもいいすべり台にしたいです。

「物事にはルールや使い方がある事を教えなきゃダメだ」という意見があるかも知れません。それはその通りです。ルールを守ることの大切さは、幼児期から生活の中で学んでいくことです。しかし、このすべり台で教えなくてもいいと思います。

もしかしたら、上から滑る子と下から登る子がお互いに邪魔し合い、子どもたちはルールの必要性を感じるかも知れません。あるいは、ルールの必要性を伝えることができるすべり台になるかも知れません。

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砂場はどの年齢にも人気の場所です。砂の感触を楽しんだり器に入れたり出したり、掘ったり山を作ったり、小さい頃は一人で楽しむ事が多い砂場ですが、年齢が上がるにつれて、友達と協同して遊ぶことが多くなります。砂場を中心に同心円状に広がる土留めは人が集まりたくなる形で、より楽しいやりとりのある砂場になることを期待しています。

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設計段階では、雨が降ると園庭の中に川が流れるようになっていました。その後、使い方を再考して修正するうちに、いつの間にか図面から川が消えました。

でも、雨が降った時に水の流れを楽しめる場所は消えていません。屋根に降った雨は雨だれ壁をつたって雨うけ庭にたまり、雨うけ庭の堰の切れ目からこぼれ出た水がこの石畳の上を流れる、そんな雨の流れを考えてレイアウトをしています。

そして、園庭の中心にはムクノキがシンボルツリーとして植えられます。ムクノキは、春には新緑が命の息吹を感じさせ、夏には木陰をつくり、秋には紅葉を楽しませてくれ、冬にはザラザラの葉っぱを紙やすりのようにして遊ぶことができます。

運動会のかけっこでは、このムクノキを一周します。

実際に始まると、思っていた通りにならない事も多々あると思いますが、その都度工夫しながら魅力的な子どもの庭を作っていきたいです。



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