身内が死んだ

タイトルの通り、身内が死んだ。80歳も過ぎて、大往生だった。

三親等に入らない、そこまで近く無い親戚だが、私が自殺未遂したときに毒親の元に返されそうになったのを匿ってくれたり、実家を持たない私にいつでも帰っておいでね、と言ってくれる、数少ない心が繋がった親戚だった。親戚の中で結婚したことを唯一教えていて、入籍したことを最初に報告した。結婚式にも祝電を寄せてくれた。今回のことで親戚中に結婚してたことが行き渡り、電話をかけると「結婚してたの知らなかったよ」と言われた。今頃旦那はろくでもないやつだとか、田舎特有の文句を言われているのだろう。一生会う気もない。

精神の安全基地にいたかもしれない。最後に会ったのは入籍してから挨拶に行った日だった。手を握って別れた。その後は年賀状やたまに電話をした。最後に電話をしたときは、なぜか電話をかけなきゃいけないような気がして、掛けて、よく覚えていないのだが、世間話をして電話を切った。

死因に昨今のウィルスは関係なく(まあ詳しい事は知らんけど)情勢を鑑みて近親者だけで葬儀を執り行うという。頭がバグったみたいに何も思い浮かばず、ここ数ヶ月溢れていた創作意欲が死んだ。原稿を書き終えて、入稿した後で良かった。もう何も書けない。

連絡が来て、とりあえずなぜだか分からないが爪を切った。早めに休んで、目が覚めると馬鹿みたいにお菓子を食べた。苦しくて何かを食べないと死にそうだった。家にある甘いものを食べ尽くした。旦那のために取っておいたハーゲンダッツから、食べ残したクッキーまで食べて、物足りないから、コンビニでお菓子を買ってきて食べた。U-NEXTでおすすめに出てきた映画を流しながら、一切見ずにお菓子を貪った。パニックのようだった。そしてソラナックスを飲んでもう一回寝た。

訃報が本当に心が繋がった身内から連れていくものだから、本当に死んで欲しいと思う人は死なないくせに、私の数少ない大切な人間から連れていくものだから、次は誰なんだろうと邪推して、旦那だったら本当にこれはもう生きられないな、と思う。今回も、結婚していなければ、天涯孤独に拍車がかかっていた。

元々死に近い環境で過ごしてきた人間だから、たまに勘違いしそうになるが、身内が死んで死の価値観がニュートラルになって、日常が非日常なんだよなと思う。私のことをあれこれ言う人はさ、10代の頃から実家がない暮らしというのが想像できんのかよ、いつでも逃げ込める家があって、戻れる場所があって、たとえそこが毒親との場所でも、どこにも逃げ場がなくて、自分の住む家をずっと保持しなくちゃいけないプレッシャーを、理解できるのかよ、と思っている。それは結婚してからも同じこと。私は帰る場所を失った。

今はただ寝るだけ。おやすみなさい

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