移動する薬

レクサプロ、アメル、ストラテラ(2錠)、ソラナックス(2錠)、マーベロン、マイスリー。それと漢方薬。

マーベロンだけ個人輸入なのだけれど、今年の初めくらいから自立支援制度を利用していて、薬局で1割負担であるところの1,980円を支払い、毎日薬を8錠飲んでいる。

幸い、服用回数が1日1回なので、8錠で済んでいるが、朝昼晩だと24錠になる。

今まで薬を飲むことが辛いと感じることはなかったが、最近増えた青いストラテラを手に出すたびに気分が落ち込む。カプセル錠は目に効く。ざらりと口に入れて水で異物として流し込む瞬間が一番しんどい。当然美味しくはない。

とはいえ、処方されたものを指定時刻にきっかり飲むことが患者の義務なので、1日8錠、きっかり飲む。

どんな精神状態において薬だけは飲めるように、自分が歩く導線上に薬を置くことを、より時間厳守が求められるマーベロンから学んだ。

洗面所、ベッドの横、リビングのソファー、テーブルの下、化粧台の中、

「リップクリームを買ってすぐ無くすので会社と鞄の中用に2本買った」みたいな。

洗面所で飲み、ベッドの横で飲み、リビングのソファーで飲み、テーブルの下で飲み、化粧台で飲み、

もはや最近は薬と一緒に部屋を歩いている。
薬が無くては寝ることも起きることも考えることもできないし、精神が薬で延長されている。言い方は悪いが、植物状態みたいな。
ストラテラを飲んで、最小の自意識で生活をやり過ごすのが好きだったが、2週間も越えると効き目があるのかもうないのか、もうぼんやりとした世界に連れて行ってはくれない。

結局のところ、私を正気でいさせないでくれる薬が一番助かるのだけれど、いつ自分が正気なのか、それを定義してしまうと自分に責任が降りかかるので正気というものを考えるのをやめた。

引継ぎはしたけど、自分で始めた人生じゃないし。別につぶれてもいいじゃん。

おわり。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?