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ギターのRecはチューニングを徹底しよう

なぜ人はエレキギターを手に取るのか

こんにちわ。アカヨウチュウです。
今日はギターのチューニングについて書きたいと思います。
なぜギターの事だけ書くかというと、DTMを始めた人が楽器やってみたいなとなると、ギターを手に取りやすいのでないかと思うからです。理由としては
・割と低価格から購入出来る
・オーディオインターフェースがあればレコーディングができる
・打ち込みが結構めんどくさい
・ギターかっこいい!
という理由が多いかと思います。

ワタシはギター歴だけでいえば長いですが、器用な方ではない事もあり、そんなに演奏は上手じゃないです。バンドでもギターボーカルとして演奏していたこともあってか、ギターのソロがあまり好きじゃないので主にバッキングギターをRecします。そんな大して上手くないギタリストが、曲を聴いてくれた人に下手だと思われないための対策をまとめたのが、この徹底しようチューニング講座になります。主にエレキギターへの内容になります。

最初に言っておきますが、ギターのチューニングは奥が深いというか、かなり手間です。軽い気持ちで読むとしんどいことになる内容ですので、多少覚悟をもって読んでいただきたいと思います。
初心者には少々荷が重い内容かと思います。中級者向けの内容になります。ですが!正しいチューニングを身につけることは音感を鍛える意味でも初心者にも重要です。なので気合がある方はどうぞご一読を。

ぼっちざろっくもあったし、ギターに興味がある方は多いのでは?

ベースには関係ないの?

もちろんベースにも関係のある内容です。楽器の構造としてはエレキギターとエレキベースが色々サイズが大きいだけと言えますのでチューニングに関することはほぼ一緒です。
ただ楽器の演奏法として大きく違う事が、「ギターは和音(コード)を鳴らす楽器」という事です。ベースでも2弦同時くらいはあるでしょうが、和音主体のバッキングの時間が長いギターとは重要度が異なります。ギターの方がより徹底すべきと考えています。ベースはでかい分、ネックが長い分、チューニングに関しては構造上有利です。

並べると、まあ一緒ですわな()

そもそもチューニングって大切なの?

ボカロPの方々、バンドマンの方々、ご自身でギターのミックスをしていてこのような経験はありませんでしたか?

  • ギターの音が他の音に馴染まない、浮いている

  • シュワシュワとコーラスみたいな音がなる

こういった症状はミックスでの後処理が難しいです。(メロダインの上位なら頑張ったらできるかもしれないけど持っていない)
この問題の8割は、チューニングを整えることで解決します。
バンドアンサンブルでなんだか変だなー、違和感あるなーと思った時には、一度ギターをミュートしてみましょう。まともに聴こえたら大体ギターのチューニングが悪いです。複数本ギターを重ねると症状が発生しやすいです。1本だけだと大丈夫だけど、2本にすると、う~んみたいなの経験したことありませんか?

MIXするような人だけが気づくことで、素人さんリスナーは気づかないんじゃない?と思われた方、いい視点です。ではこの場合はどうでしょうか。
「音痴なボーカルの歌に素人は気づくか?」答えは気づきます。これは97%くらいの方は同意していただけるのでないでしょうか。
ギターはボーカルほど曲に対してメインではないため、一発でギターがピッチ悪いね、なんてマニアでない限り言い当てられはしないでしょう。なんか気持ち悪い、なんかノレない、って感じで違和感をリスナーは覚えがちです。チューニングが合っていない=音痴なギターということです。そのようなギターは、素人臭さに繋がってしまいます。

ギターってピッチが悪い楽器なのです。

ギターって、発音する弦に直接指で触れて音の高さを変える楽器ですね。なので弾き手のいろんな要素でどんどんピッチが変わってしまいます。例えば

  • 弦の押さえ具合(強く押さえたらシャープする)

  • 押さえる指の角度(ちょっとチョーキング気味になったり)

  • 指の温度が伝わる(温度が高くなると弦は伸びて音は低くなる)

  • バネのバランスが変わる(ストラトでフローティングしてたりしたら)

  • ピッキングの力で弦が伸びる

他にも要素があると思いますがこのあたりは影響大きいですね。何がいいたいか、こんなにピッチが安定しない楽器なのに、その上チューニングも出来ていなかったら、もうハチャメチャになってしまう!ってことです。

フジゲンのサークルフレッティングシステムはチューニング良くなるよねって開発された構造ですね。ギターのピッチが悪い理由は調べたら色々出てきますので興味のある方は調べてみてください。

こういう超変態的フレットのギターもあるらしい(生で見たことはない)

使っているチューナーの精度、知ってますか?

根本的な事から確認しましょう。使用しているチューナーの精度です。ご自身が使用されているチューナーの精度、ご存知ですか?いくつか製品例でみてみましょう。

超定番、ベテランのフットチューナー
初心者セットについてそう

上の両者とも、精度は±1セントだそうです。

今は一番使っている人多いかも?
polytuneは3が最強

今はいい時代です。こんな高精度のチューナーがお手頃価格で手に入るのですから。昔はピーターソンだけが高精度だったけどクソ高くて買えなかった。(4万くらいだった気がする)上2つの精度は発売当初から変わってないんじゃないかな、±1セント。tcのpolytune3は0.02セント。その精度差50倍!フットチューナー同士だと値段差1.5倍くらいでしょうかね。
それでもギターをDTMでしか弾かない人にはちょっと躊躇するお値段ですね。お待たせしました。最高に丁度いいチューナーがあります!

タダでこんなチューナー使えるなんで、神ですか?

DAW Studio oneをご存知でしょうか。こいつにはなかなかに高精度なチューナーが付属してます。精度±0.1セント!無料のstudio one Primeにも付属してるので、ギター録音する時だけコレを使うってのもありでしょう。ストロボモードがあるのが最高ですね。
tcのクロマチックよりは良くて、ストロボよりは悪い。でも丁度良いくらいだと思います。もし1セントレベルで合わせていたとしたら、10倍精度良く合わせる必要があるわけですから。体験したことのない人はこれでも「合わせられない…」って苦しむかもしれないけど、慣れればいけます。頑張れ。
ちなみにストロボってこんな動きで、クロマチックよりも精度が出ます。レコーディングではストロボモードを絶対使用しましょう。オクターブもS1のチューナーで追い込んでいくのも十分ありです。

オクターブチューニングは出来ていますか?

ギターのピッチを安定させるためにまず何をしますか?となれば多くのギタリストは「オクターブチューニング」と答えるでしょう。これは聞いた事のある方も多いかと思います。自分でギターのメンテナンスをされる方はやっていますよね?私もやりますが、弦交換のたびに毎度はやりません。でもチェックはします。
オクターブチューニングがずれるタイミングがあるのはご存知でしょうか。
それは、「弦の種類を変更した時」です。
ゲージは同じでも、ダダリオとアーニーボールでは変わってきます。なので極力同じ弦の種類を使うように心がけましょう。

ギターのメンテ、セッティングを変えるとオクターブチューニングは変わるので、セッティングの決め方の順序を書いておくと

  • ネックのジョイント部(フェンダー系のボルトオンタイプ。紙挟んでネックの角度変えたり、1弦落ち気味なので振りを変えたり)

  • ネックの反りの調整(トラスロッド調整)

  • 弦高

この辺りを先に決めないといけません。オクターブ合わせた後でセッティングに手を入れたらもう一度オクターブチューニングやり直しです。

肝心なオクターブチューニングのやり方ですが、一番分かりやすいのは、「12フレットのハーモニクスをペグで合わせて、12フレットを押さえた実音がどうか」です。
実音が高い時、チューナーの針は右に動きますね?なのでブリッジのコマを右側に動かします(ギターのおしり側)。逆に実音が低いときにはチューナーは左に動きます。その動きと同じ左側にコマを動かします(ギターのヘッド側)
詳しいやり方は動画みるのが早いです。

そんな事知っとるわ、ボケ、カス、虫っころがぁ!

ハイそうですね。たぶん多くの方が知っているはず。でもこれ、精度良く作られたギターじゃないと、このやり方だけでは実際の音のズレが大きかったりします。特にあまり精度の良くないチューナーを使っていると。ワタシは3点ブリッジこそ少し斜めになっているタイプですが、テレキャスターもメインで使っているので、こいつが古いのもあって合わせきれません。弦も太いの使ってるし・・・だからこそ試行錯誤して妥協点を探るためにシビアにオクターブチューニングと向き合う必要があります。
オクターブ合わせるために6点ブリッジにすれば?と思うかもしれませんが、それはワタシの許容できる音の変化でなく、テレキャスでない何かの音になったので2時間でやめました。

テレキャスの音色は3点ブリッジの影響大きいと思います。でもオクターブは合わせにくい。

オクターブチューニングを追い込む

オクターブチューニングをしたことある方、こんな風に思った事ないですか?コマを動かして合わせる範囲、許容できる範囲、結構広くない?って。つまりペグでチューニングを合わせる時にはかなりシビアな回し方、1mm動かしてないんじゃないってくらいで結構変わるのに、ブリッジってビス半回転させても思ったようにオクターブピッチが動かなかったりしませんか?
使用しているチューナーの精度というのもありますが、もっと追い込むべき、追い込める幅があると私は考えています。
私がよく使うポジションは、5弦7フレットルートのEmコードなので、そこを中心に合うようにオクターブを取り直します。開放弦と押さえた音がどのくらいぴたりとくるか。12フレットも確認しつつ。行ける塩梅まで追い込みます。それがいけたら次は3フレットですかね。
実際問題、6弦の12フレットって私はあまり音出しません。そこがピッタリ合っていることよりも、6弦だと7フレットあたりがきちんとあっていてほしい。皆さんどうでしょう?頻繁に鳴らしますか?
テレキャスターでは妥協点が必要になるので、その時に「よく弾くポジションはどこか?」という事を常に考慮して追い込みます。友人にメンテをお願いされた時なんかは、フレットの削れ具合とか、プレイスタイルを考えながらオクターブを合わせます。

12フレットだけ合わせればピタリとピッチが合う精巧で優秀なギターであれば、楽器屋さんにお任せでいいと思いますが、そのギターを使ってどんな演奏をするかはあなたしか知りません。なのでオクターブチューニングは、演奏者本人がするべき調整だと思っています。
テレキャスだけでなく、どのギターでもこの方法は通用するとは思います。上から下まで使う方でもコマの正しい位置をコンマ数mm単位で追い込みたいならこういった方法が必要なはずです。

高精度のチューナーを使うと気づく事

ある程度以上の高精度チューナーを使うと面白いことに気づきます。チューナーをONにしたまま、ゆっくりフレーズを弾いてみてください。そうするとどうでしょう?各フレットごとに結構ズレていることに気づきますか?
さっきオクターブチューニングで合わせたはずなのに・・・大体は左手の押さえ過ぎが多いです。ロングトーンだと、発音の最初は強めに押さえていて、だんだん指が緩んできたりで音が低くなっていく、とか。
このあたりのタッチは、オクターブチューニング時にも重要ですね。弾く時と同じ強さで調整していないと意味ないってことです。難しい事を言いますね、この虫は。私もそんな徹底的に出来ません!自分の事は棚に上げて言いました!
このあたりの普通の人は気づかないズレ、たぶんですが相当うまいギタリストの方々は気持ち悪さに気づきます。なので普段から修正していると思います。キーボードと合わせる人なんかは気づいたりしやすいかも?私はボロいギタリストなのでレコーディングするまで気づきませんでした。
ピッチの良し悪しは、左手のタッチの影響も大きいのです。

カポタストには注意せよ

この押さえ具合の影響で忘れてはならないのは、カポタストですね。カポなしでチューニングをしてから、カポをつけて即演奏はライブだけにしましょう。レコーディングで使用する場合は、カポをつけた上でもう一度チューニングをしましょう。カポのアールと、ネックのアールが合っているわけないので、押さえすぎが発生しがちです。出来ればいいカポ使いましょう。バネ式はレコーディングで使うのは控えましょう。

G7THが私はお気に入りです。

チューニングはペグの巻き方決まってます。

基礎的すぎて忘れてましたが、機械的な観点がないとこれを知らない人いるかも。
ペグは絶対に音程を上げる方向で巻いてチューニングを合わせましょう。
目的の音より高くなって、通り過ぎてしまった場合は、そこから下がって合わせるはダメです。一旦しっかり目的の高さを通り過ぎるくらい下げてから、もう一度音を高くしながらピッタリ合わせましょう。意外とこれに言及している記事とか少ないのですよね。

下準備は完了。チューニングしましょう。

チューニングは6弦から5弦、4弦と太い弦からチューニングをしていきます。これは太い弦のほうがネック等への影響が大きいためです。締めこんでいくと弦のテンションによるネックへの負荷は増えていきます。その力で少なからずネックは順反り方向に動いていきます。なので6弦から。
そして1弦までいったら、もう一度6弦に戻りましょう。順にチューニングを合わせているうちにネックの状態などで多少低く変化している可能性があります。
コレを繰り返して、全ての弦でペグを触らなくてよくなったら基本的なチューニングは完了です。

実際のRecで行うチューニング頻度

まず、ここまで書いているオクターブやオープンでのチューニングは合っているとして、レコーディングしましょう!
さてどのくらいの頻度でチューニングをチェックしますか?
私は5~10回くらいリテイクしたら、一旦確認します。この頻度はギターや演奏スタイルで変わると思います。試しに毎回終わるたびにチェックしてみましょう。あなたの場合はどのくらいで変化が発生するでしょうか。そこに安全を考慮して、早めにチェックするクセをつけましょう。勿論、違和感を覚えたらいつでも確認しましょう。
私はRec時間の1/3くらいはチューニングの時間じゃないかな、というくらい頻繁に確認してます。てかチューニングってちゃんとやると毎回結構時間かかるのです。一旦冷静になる動作も兼ねてますね。

Rec特化の特殊な合わせ方(ワタシ独特)

ここから書くことは、かなりワタシのオリジナルです。一般的にこんな事してる人間は少ないと思います。プレイスタイルにもよるので参考にならないかもですが、一応紹介します。
ワタシはフレーズを弾く時に、あまりフレットを上から下まで使うことはありません。弦移動で弾くし、リフが多いので同じ場所ばかり発音させます。あと結構小分けにフレーズをRecしていきます。
リフのフレーズを考えた時に、各弦において、一番目立つ音を発するのはどのフレットか?を考えます。その一番目立つ音を押さえた時の音をチューナーで合わせます。
言葉だけでは分からないと思いますので、具体的なフレーズで見てみましょう。

セルフネグレクトのリフを考える

ワタシのセルフネグレクトという曲では、サビでシンプルなリフを演奏しています。その一部分のタブ譜が下になります。ちなみに3カポです。

セルフネグレクトのサビのリフ

Dmのコードの形をベースにしたフレーズになっています。
まずは3カポでのチューニングを普通にやってから弦毎にフレーズで伸ばす音とか、キー的に重要になるものを選びます。キーはDmです。
まず4弦では、7フレットのAの音を伸ばすのでここが合っていることが大切です。Dmの構成音ですし。なのでこの7フレットを押さえてAになるように確認、調整します。
次に2弦にいきましょう。ここではDmの構成音の6フレットのFの音が合っているのが気持ちいいですね。なのでそこを合わせます。その時に5フレットのEの音も確認しますが、3フレットで合わせて2フレットでズレズレなんで事は、まあないです。
3弦では、Dmの構成音、そして少し伸ばす5フレットのCの音を合わせます。
ハンマリング、プリングで登場する音は一瞬の場合が多いので、そこは基準にしません。
押した音のチューニングの仕方ですが、右手でライトハンドの要領で押さえてが多いです。右手でペグを回すのは意外と難しい。
この時に弦の押さえ具合の影響は出ますので、ポイントでチューニングした後、実際のフレーズを弾いてみて確認し、音のズレがそんなに出ないかをみておきます。普段からこういう音程と押さえ具合の練習したほうがいいんでしょうねぇ。繊細すぎて結構苦痛な練習ですが。

このやり方はあまりに特殊

上記のやり方はたぶん特殊すぎるやり方だと思います。こんなやり方は聞いたことはないです。自分で色々試行錯誤している中で思いついたやり方です。
ワタシみたいなフレージングじゃないと通用しないと思いますし、カポなしで開放弦混ぜると結構無理が出てくると思いますので、試してみようかなという方もご自身のフレーズと相談しながらにしてみてください。
上から下まで縦横無尽に動くギター・ソロではダメですね。だからテクニカルな方々はチューニングの合わせやすいハイテクなギターを使うわけですよ、きっと。

こんな感じのサイトーギターズもよく使ってます。
ピッチがいいのと、デットポイントがなくて使いやすい

最後に、やっぱりチューニングは大切ですよ

改めて、ワタシはギターが上手でないです。
だから、ヘタクソだなと思われないことが個人的には最重要であり、そのための対策がこのチューニングなのです。当然、上手いなと思われたい人にも重要な項目です。ただこの記事で一番言いたいのは、【まあまあ上手なのにチューニングが微妙なだけで下手クソに聴こえがち】というのが勿体ないって事ですよね。
特にボカロPさんはシンプルなバンド構成じゃなく、シンセの音を使う事が多いと思います。音程の安定しまくった音源とギターをあわせた時に問題は浮き彫りになりがちです。皆さん、チューニングを!チューニングをしっかりやりましょう!練習するより効率いいですよ!(いや練習はしろよ)

こんな長文を読んで頂きありがとうございました。何かの参考になれば。ではまた。


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