『Shibuy Silli Stree』-14

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　最寄り駅を降りて、駅前の人混みから抜け、人気がまばらになった住宅街にはいったところで、ポケットの石を取り出してみた。
　相変わらずスベスベで気持ちいい。なんでこんな石があんな都会のど真ん中にあったんだろう？　透けるわけもないのに、ビー玉で向こう側を見ようとするように、街灯にかざしてみたりする。

　あれ？　石なんだけど、石なのに、ほんのすこしだけ、中心部分が透けているような気がする。淡く仄かに街灯の光を通しているように見える。

　え、なんだろうこれ。ガラスが混じっているのかな？　ガラス質とか、言うものね。もしかして、隕石とかだったりして。でも、めりこんでなんかなかったし、隕石が落ちたんじゃなく、落ちてたんだから、誰かが落としたんだろうか？　大事な物だったらどうしよう。だって、こんなにスベスベで触り心地のよい石なんて、初めて見たし、触った。

　大事な物なら、探すだろうし、今時分SNSとかで拡散希望とかで回ってくるかもしれない。ただの石を落とし物ですなんて持っていって、変な顔をされるより、今日はわたしの家に持ち帰ったほうがきっといいはず。

　もう一度、ポケットにしまいこんで、帰路を急いだ。