のぼりとくだり
日が過ぎるごとに、なんとなーくお店が変わって行きます。 HPも新しくなり、右往左往しながらも、撮影が進み表面上は少しづつ前とは違う赤坂に。
普段私は怒りません。 ミスはした方が良いと思っているので、注意をしても何度も同じ事を繰り返している場合や、あまりにも自分勝手な行動をした時に初めて爆発するタイプです。
辞めた遅番のおじさん位ですかね、よく言い合いになったのは。 ミスを認めず霊現象のせいにしてしまうタイプの人なので、怒る事も無駄で後半はそれすらやめましたが…。
ここまでの間、一人一人と話しをしながら、それぞれがどんな考えなのかを頭の中で整理して行きました。
現状維持で満足している。 もっと上を目指したい。 自分に自信がある、これ以上何をしろと?
それぞれの考えがだんだん見えて来て、見えたからこそ
「とにかく厄介な店だ…」
と頭を抱えました。
このままで良いのかな……と多少なりとも疑問や不安を持っている人は、きっかけとタイミングが合えば一気に変化するのですが、心のどこかで自分はこれで良いと思っている人は、何時間もかけて何を言ってみても「でもね」になって、振り出しに戻る事が多いのです。
1年が経つ頃、売上だけは上がって行きます。 少しづつ変えた事の効き目が現れ出して、新規のお客様、数年ぶり、十数年ぶりのお客様にも来て頂けるようになりました。
上っていく売上と共に私の中では 「全然ダメだな」 のモヤモヤがどんどん膨らんでいました。
変わったようで何も変わってないのだから、こんな事は長く続くはずがありません。
売上が引き受けた時の倍になった頃、私の赤坂を辞めたい気持ちはMAXに近くなっていました。
自分1人が空回りしているようなバカバカしさ、どんな現状でもそれに満足する技を身に付けてしまった女の子達。
この頃は遅番のおじさんに赤坂を任せて、自分は抜ける事ばかりを考えていました。
それを伝えた時の嬉しそうなおじさんの顔は30年の付き合いの中でも、見た事も無いような最高に良い笑顔。
売上だけは上り調子に上がっていたのですが、既に私のワクワク感はゼロに近く下がっていました。
赤坂を引き受けた時に、 『面白い!』 と思う気持ちが無くなった時には辞めようと決めていたのです。
お客様の連絡先を知らない子が大多数だと知っていた私はこの頃に、一人一人に渡してから辞めようと、それぞれの子の本指名様リストを作り始めていました。
売上を上げる努力と同時に自分が辞める準備、今思い返すと、ここでも私は変わり者だったかもしれません。
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