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自分のスマホが鳴った、発信者は自分。

私の祖母の葬儀が終わり、自宅に戻ったのは夜の8時過ぎ
朝が早かったので、親子3人疲れ果てていた。
移動だけでも往復4時間ほどで、火葬場でも親族に囲まれ
長い時間を過ごした一日。
そう、ほんとうに長い一日だった。
とくに、息子にとってはなおさらだろう。
知らない大人にずっと囲まれていたんだから。
息子は小学校3年生。
帰宅してから、すぐ、1人で一番風呂へ入っていた。
私と夫は、お茶を飲んで、ぼんやり一息ついていた。
その時、私の携帯が鳴った。

着信音は、息子の声の録音で
「かあちゃん、でんわが来たよー♪」
「かあちゃん、でんわが来たよー♪」
誰からだろう、って携帯の着信を見て固まった。
うちの、家電。うちの固定電話の番号。

あまりのことに、びっくりして、ふりむき、
うちの家電を見ると・・・
誰も触っていないのに、受話器をとってもいないのに
液晶がぴかぴか光って、発信している!!!!?

はっとして、息子の名前を呼びながら風呂場へ走ると
息子が、顔だけを出して浴槽の中で爆睡中。
抱き起こして、風呂からあげて、体をふいて・・・

危機一髪の危ない場面を
私に電話で知らせてくれたのは、
たぶん、絶対、間違いなく、
今日、見送ったおばあちゃん。

「おばあちゃん、ありがとう。」

最後のお別れに、ひ孫を守ってくれたんだね。

うちの家電が、誰も触っていないのに
誰かに発信したのは、あの日のあの一回だけ。

だから、やっぱり信じるしかない。
亡くなった大切な人たちは、いつも
見守っているし、心配もしている。
声に出してつぶやけば、ちゃんと伝わる、
この目には見えていなくても。


#私だけかもしれないレア体験

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