左手のフォーム4

 今週も左手のフォーム、フィンガリングについて書きましたです。方法論をとても細かく書いてるので、読みづらいかもしれませんがしばらく続きます、すいません(笑)。

 簡潔な文章で分かりやすいほうが良いのは間違いないですけど、誤解して遠回りになるのも良くないですし……。まあ、直接お話しするのが一番早いんですけど。とか書いてると長くなりますね。始めます。

・ おさらい

 ほぼ連載のように書いてる左手のフォームですが、これまでの内容を順番にサラリとまとめると、押弦の基礎、握りこみフォーム、4指3フレット、4指3フレットの実践、てな感じでした。

 今回の記事を初めて読んでいる、という方はできれば先に「左手のフォーム1,2,3,3.5」を読んでくださいね。で、前回でサラッとシフティングしてポジションを移動してしまったので、これについても詳しく書いてみたのが今回です。順番が前後してしまいスイマセンです。

・ シフティング

 前回の実践編でも書きましたがシフティングはポジション移動のことです。弦移動が縦移動だとすると、シフティングは横移動ですね。もう一度、前回noteの課題曲のポジショニングを挙げて超スローモーションで4指3フレットでのシフティングの要領を説明してみます。

 最初に3弦の4~6フレットのポジションを取ります。人差し指で4フレット、中指で5フレット、薬指でサポートしつつ小指で6フレットを押さえてください。このときの親指の位置を覚えておいてください。次に2フレット分のシフティングをして人指し指で2フレットを押さえるのですが、移動を開始する直前には次の点に留意してください。

・ 左手全体のフォームを変えない
・ 各指の間隔はキープしたまま
・ 押弦している力をわずかに緩めて弦をフレットから浮かす
・ 弦をフレットから浮かしつつも指先は弦から離さない
・ 親指をネックから離さない

 これらを踏まえてシフティングを開始するわけですが、シフティングの最中も各指を弦から離さず、親指もネックから離さないようにします。親指の位置はネックの裏に弦長方向にレールが敷いてあるかのように、むしろ親指を先導させるイメージで左手を移動させます。必然的に肘が稼働するかと思いますが、この際に肩が上がったり姿勢が変化したりしないようにするのも重要です。

 人指し指が2フレットを押さえるのに最適な位置まで到達したら弦を押さえてピッキングします。人差し指の位置が2フレットを行ったり来たりして場所が定まらないのはNGです。

 仮にシフティングの最中に休符がないフレーズの場合は可能な限り素早くシフティングをする必要があるし、多くの場面でもシフティングにかけられる時間は本当にごくわずかです。一発で適切なポジションを取り、ピッキングできるように何度も練習してこのポジションでの2フレット分の移動量を身体に覚えこませてください。

・ 親指の位置

 上記のように光のスピード(笑)でシフティングを決める場合、親指の位置は連続的ではなく、ポジションごとにネック裏に点在することになります。もちろん、スライドやグリスのニュアンスが必要なフレーズであればアナログチックに連続的にスピードをコントロールして親指を移動する必要がありますが、シフティングの動作に限っていえばデジタルチックにふたつのポジション間を素早く正確に行き来できるのが理想です。

・ ネック裏のレールと駅

 シフティングの説明をする際に、親指の移動は「ネック裏にレールを敷いて」と表現するのが気に入っているのですが伝わっているでしょうか?弦長方向の直線というのは、3ピース・ネックとかであればそれぞれの材の張り合わせのライン、メイプル指板のネックなどにあるスカンク・ストライプがあれば目安にしやすいかと思います。だいたいネックの真裏の中心線上になるのが普通かと思いますが、シフティングの際は親指がこれらのラインから逸脱しないのがポイントです。

 で、ネック裏のレール(ライン)上には様々な位置に駅があって駅が親指の位置であると。シフティングに限って言えば駅間の移動は光速なわけです。

 またコントラバスの話になりますが、コントラバスではハーフ・ポジションに始まってファースト、セカンド、サード、とポジションに名前がついています。これがフレットの数と一致しないのが厄介なのですが、ポジションに駅名が付いていると思えば親しみやすいかもしれません。コントラバスのポジション名はエレベを弾くだけなら覚えなくても良いかと思いますが。

・ まとめ

 4指3フレットでフィンガリングする際には特にシフティングでフォームを崩さないこと親指をデジタルに位置取りすることが重要になるかと思いますが、これは目視せずとも正確にポジションを把握し、ミストーンを減らすためです。正直なところ、効果を実感するのは指板上のすべてのポジションを把握しつつ、いくつかのスケールを使いこなせるようになった頃なのだろうと思います。なので、まだその段階にない方は、いつか役に立つのだということで筆者を信用して頂きつつ、とりあえずはフォームを崩さずにシフティングできるように練習してみてください(笑)。

 次回こそは弦移動の予定です。


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