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イチゴメセンチュウ

 一般的にセンチュウというと、植物の根に害を及ぼすものをイメージしますが、イチゴメセンチュウは土からはほとんど検出されず、イチゴの株の生長点付近に生息します。
 品種によって多少症状は違うのですが、それまで普通に展開していた葉や花房が、いきなり小型化・委縮します。分けつしている株の場合、全ての芽に同時に症状が現れるわけではなく、最初はたいてい一つの芽のみに現れます。

信大BS8-9の被害株。直前まで普通に展開していた葉や花房がいきなり小型化する。
すずあかね。花房が伸長・展開せず、花は咲いたとしても肥大しない。

生育・収穫期間中に有効な農薬はありません。登録のある農薬はランネート45DFですが、これは育苗期間にしか使えません。メセンチュウはランナーで伝播するので、シーズン中に怪しい株が出たら、そのハウスから採ったランナー苗は、確実にランネートで殺虫する必要があります。

 最初は原因がわからず、翌年になったら被害株がもっと広がり、収穫量に大きく影響しました。とある方からメセンチュウではないかと助言をいただき、県の農業技術センターで調べてもらったところ、イチゴメセンチュウであると判明したわけです。見出しの画像はその時の画像です。


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