必須計測器
イチゴの高設ベンチでの養液栽培は、少ない培土量で多くのイチゴを収穫するために、土耕栽培に比べると、細かい管理が必要となります。基本となる水と培土の測定に必要な計測機器があります。
phメータ
ph計(ペーハー計と言ってますが、近年学校ではphのことを「ピーエイチ」と読ませるそうですね)は水の酸度・アルカリ度を測る計測器です。
夏秋イチゴは特に夏の期間に多くの水を必要とします。原水のphは重要で、phの高い=アルカリ度の高い水は基本的に栽培に適しません。ただ酸性にすること自体は容易で、希硝酸やリン酸を用いてphを落とします。
イチゴが植えてある培土のphも重要です。養液栽培用の液体肥料は、潅水の段階でph6.0~6.5程度のはずですが、培土の中の水分はイチゴの状態によって変化します。簡単に言うと酸性ならよいですが、アルカリ性は問題です。
ECメータ
EC計は液体の電気の通りやすさを測る計測器で、イチゴ栽培では肥料分の濃度を測定する計測器です。養液の肥料分の濃度が希望通りになっているか、イチゴの栽培槽からの廃液を測って肥料をバランスよく吸っているかなど判断します。ちなみにECが高い原水は養液栽培には適しません。
硝酸イオンメータ
硝酸イオンメータは、イチゴの葉柄のしぼり汁を測定して栄養状態を測ったり、土壌水分中の硝酸態窒素の濃度を測定します。
硝酸イオン(NO₃⁻ mg/l)と 硝酸態窒素(NO₃⁻-N mg/l)は単位が異なります。資料など参考にする際、硝酸イオン濃度なのか、硝酸態窒素濃度なのか、注意が必要です。
ネットなどで見かける資料に、イチゴの栄養診断として硝酸イオンを測定して判断する方法がありますが、朱りファームでは主に栽培中の培土中の水分を測定するのに使います。使用する養液の濃度中の硝酸態窒素濃度を測定しておいて、培土中の水分と比較したりします。
硝酸イオン × 0.225 = 硝酸態窒素
硝酸態窒素 × 4.43 = 硝酸イオン
廃液を測定する
イチゴの養液栽培では、よく廃液を測定することで様々な判断するというのがありますが少し問題点もあります。
ベンチの構造はいろいろですが、栽培槽下から滴下した廃液を一か所に集める構造になっていて、そこから廃液を取って測定する場合、廃液が通ってくる部分の汚れやコケの影響で、培土から直接採水して測定するのと大きく数値が変わる場合があります。
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