見出し画像

現在は使われなくなった「ヒューズ芯」

キャンドルの芯にも様々な種類・編み方・サイズ(太さ)等があり
作るキャンドルの素材や直径などに応じて
、キレイに燃焼させることを考えて 使い分けることが必要だということを、以前書きました。
現在は、昔より 手に入る芯も 素材も 道具も 種類が増えて、とても便利になりましたが
そんな中、昔はよく使われたけれども、
現在は様々な理由により使われなくなった・製造されなくなった材料などもあります。

今回取り上げるのは、「ヒューズ芯」です。
(トップの画像もご覧ください)

中央に細い針金が通っているヒューズ芯

↑上の写真は、ヒューズ芯の先をほぐして見たところです。(ちなみに、奥に写っている座金も、今はあまり使われない形かなと思います。)
筒状に編まれた芯糸の中央に、細い金属が通っているのが分かります。

針金が通っているため、形を保つことができる

このように、針金が入っていますから、くねくね曲げることもできますし、ピンとまっすぐ伸ばしても そのままの形を保つことができます。

主な用途として、座金もセットで
グラス等の容器にワックスを流し込んで作るタイプのキャンドルに使われてきました。
キャンドルが固まるまでの間、溶けたワックスの中に立っている芯は、倒れないよう上部を支えても、容器の中でふらふらと動いたり、 うっかりすると倒れてワックスの中に沈んでしまい、慌てることになったりします。
でも、このヒューズ芯なら、 倒れにくく安定して立てることができるので、キャンドルクラフトの材料として長く使われていました。

しかしながら、現在は、キャンドル作りにはほとんど使われていないと思います。
私も、何年も前に業者さんから販売終了の連絡をいただきました(確認したところ、2006年のことでした)。おそらく、製造終了になったのではないかと思われます。

その理由として、ヒューズ芯の中の針金が
「鉛」でできているからだといわれます。
キャンドルは、最終的には灯して(=燃やして)使いますから、鉛の成分が含まれている芯を燃やすことになると、環境や人体への影響へ不安があります。
そのような理由で、使われなくなったのでしょう。

このように、日々 様々な素材や道具を
作家さんや製造会社さんなどが使っていく中で、疑問や問題点が生まれ、見直しが行われ、改良・改善されていくのは とても大切なことだと感じます。

※私は、キャンドル製作の資料として、今でも 昔持っていたヒューズ芯をそのままで保管しています。製作に使うことはありません。※

( 2023年7月16日 )

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?