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『あかり』介護保険外自費サービスを利用して得られたアウトカムを紡ぐ~④


週に2回のサービスですが、お昼寝から覚醒促し着替えしてトイレ誘導~夕食の食卓まで移動介助する、この仕事ももうすぐ2年になります。
フォーマルサービスは利用したくない、という家庭の意向に沿っています。当初は歩行器を移動できていましたが、昨年末ころから車いすで移動することが多くなりました。
自分の持っている力をできる限り発揮したい、トイレでなるべく排せつさせたい、と昼間はもちろん、夜間もご家族がトイレ誘導されてきました。愛情たっぷり、稀にみる珠玉の在宅介護を実行されているご家族。そのわずかな一端をお手伝いできることに、ごくごく貴重な価値を感じます。が、最近はほとんど発語もなくなり、表情も希薄になってきました。
昨日はトイレに到着したところでパット交換しようとすると、大量の便失禁。初めてのことです。もはや数分間立位を保持するのも困難になって、すぐに腰かけてしまいます。
やむなくご家族に手伝っていただき、車いす移譲し、再びベッドに逆戻り。ベッド上でゆっくり皮膚を綺麗にさせていただき、その後食卓まで移動介助しました。
ご本人も私も汗だくだくで疲弊しましたが、おしまいにK様が『ポンポン』と私の頭に手をあてて下さりました。この手は今まで多くのひとから慕われてきた、愛にあふれた重みのある掌です。
『頑張られましたね。ほんとにお疲れさまでした』と、お茶と珈琲でにこやかに乾杯! これが退去前の恒例の挨拶です。
春近し。家で過ごすことができる時間は、だんだん残り少なくなってきたような気します。できる限り、心を込めて援助させていただこうと思います。

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